映画「復活」と安倍政権の今後とトランプとヒラリー
公開日:
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最終更新日:2016/05/17
マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
2016・5・14
5月28日公開予定のいわゆる聖書もの映画で2月に米国で公開されヒット。試写で観たが「ベン・ハ―」などと違いイエスキリストがセリフを語る。
もちろん舞台は古代ローマのエルサレムで、十字架刑にした司令官クラヴィスに、イエスの遺体が消えたとの報告が届く。市民の動揺を鎮めるためローマ総督ピラトは調査を命令し、弟子たちの隠れ家に踏み込んだクラヴィスは呆然とする。自分が命令して十字架上で死を見届けたイエスが、弟子たちと談笑していたからだった。
四つの福音書にはイエスの誕生について語らないものが二つある。しかし復活について四つすべてが記している。キリスト教信仰で「復活」はこの上なく重要だ。クラヴィスが復活したイエスと話し、教徒になるという結末になっている。
アベノミクスの“復活”間近
今週、為替レートは小幅の円安、日経平均は週間ではまあ横這いだった。市場は近く出るだろう財政・構造改革の政策待ち。例によってヘッジファンドは6月の次の日銀決定会合でのヘリコプターマネー(永久債?)を期待している。目先は自分たちの5月20日の中間決算で頭がいっぱいだろう。
となると関心は5月26,7日のサミット後の安倍首相記者会見とオバマ広島訪問。これは内閣支持率を確実に上げる。衆参同時のほうは可能性は少ないだろうが、7月10日参院、8月解散の時間差攻撃は首相の頭にあるはず。消費税先送りはジョーシキだろう。これが解散で民意を問うテーマになる公算大だし。
私はアベノミクスがもうダメという一部マスコミの見方には反対だ。岩盤規制への風穴は着実に明けられつつある。構造特区とコンセッションがキーワードだ。
百歩譲って目立った成果が経済指標になって現われていないにしても「復活」は近いと思う。選挙で勝利し長期政権が確実になれば「風穴」は大きく拡がる。まあ、来週は今週よりはマシと思う。
米共和党は分裂!?オバマはレガシー作りに邁進
アレレと思うのが米国大統領選。5月12日のロイター支持率調査ではヒラリー41%、トランプ40%。先週の48%対35%が急接近した。
13日にはトランプ氏と共和党のライアン下院議長が意見調整のため会談したが、予想通り45分でカタのつく問題じゃない。共和党は分裂する可能性がある。党有力者は党大会をボイコットしているし、ライアン氏自身がトランプ候補確定の日にCNNで「私はトランプ氏を支持できない」と発言した。一方、トランプ側もライアン氏を党大会委員長から外す」と脅しをかける始末だ。
ヒラリーの方は副大統領候補にこのコラムでも取り上げたエリザベス・ウオーレン上院議員という女性コンビ。ヒスパニック期待の星、カストロ住宅都市開発長官も。
ヒラリー有利の背景はオバマ支持率が50%近くに上昇していること。今狙っているのはISISのバグダディ容疑者殺害、今週ホワイトハウスでの米ロ北欧サミット、9月の国際難民サミット、それにベトナム訪問、広島訪問。レガシーづくりに熱心で、特にバグダディ殺害が成功すれば打点になるだろう。
トランプには税務署に提出した確定申告の資料公開をマスコミは迫り、これがどこかの国の都知事みたいな足のひっぱり効果がありそうだ。副大統領候補に「5,6人」と言っている程度だし。
映画のセリフから。イエスがクラヴィスに言う。
「何を求めているんだ。家族か、平安か、死のない生活か」。
私は無神論者だが、タイムマシンがあればイエスが処刑されて三日後に復活したのをこの目で見たいと心から思う。そしたら神を信じられるのに。
ここ何週間も週一の割で知り合いや同年の人が亡くなる。信長じゃないが「死のうは一定」。毎日を一生懸命生きる―。これしかないんだろうなあ。
このブログ。私の重要な仕事です。どうぞご声援ください。間違ったときの罵声も歓迎です。反省の材料にしますから。
なお、6月5日(日)に私と二人のゲスト(大井幸子さん、伊東秀広さん)をお迎えして講演会を開きます。定員200名。お申込みは次のアドレスに―
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映画「復活」と安倍政権の今後とトランプとヒラリー(第826回)
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