【初・中級者向き】名曲「美しく青きドナウ」「ラデッキー行進曲」と新年の日本の災厄

公開日: : 最終更新日:2018/01/09 マーケットEye ,

 

謹賀新年

本年もどうぞよろしくお願いします。今回は事務上の問題が生じ、1週遅れになりましたが、新年の皆様のご健勝とご多幸、ご発展を祈っております。このブログも微力ですが、皆様のお役に立つ情報を差し上げ続けたいと念じております。

 

2018年1月8日(月)

名曲「美しく青きドナウ」「ラデッキー行進曲」と新年の日本の災厄(第891回)

 

私ども夫婦は例年12月31日深夜、サントリーホールで行われるジルベスター・コンサートに行くことにしている。それが妻の扶美子が転んでヒザの皿にヒビが入り、左足をギプス、松葉杖をつく騒ぎで、三男と楽しんだ。

ジルベスター・コンサートの終わりにはオーストリア第二の国歌といわれる「美しく青きドナウ」。これは1867年の普墺戦争の敗北でウィーンの陰鬱なムードを払拭しようと、ウィーン男声合唱協会に依頼されてヨハン・シュトラウス二世が作曲したもので、歌詞はこんな出だしだった。

「ウィーンの連中よ 楽しくすごせ。さあもっと元気を出そう。どうしてかって?周りをみろよ。謝肉祭じゃないか。明るさが見えるだろう?」

これを合唱とオーケストラ用に編曲したときに、曲の名が決まったそうだ。今の合唱の歌詞はドナウ川賛歌だが。

デフレと円高の悪循環に苦しんで来た日本。ところが最近ようやく、そう、ようやく少しずつデフレ脱却ムードが出始めた。株価が永い間押さえ込まれていた日経2万1000円台の壁を突破、2万3000円台を勢いよくつけた。 まだマスコミの一部はアベノミクスの成功を認めようとしないが、成果は次第に誰の目にも明らかになっている。いちいち例示しないが、その今後を明確に示すのが株価だ。まあ見ててごらんなさい。2万7000円までは真空地帯。あれよあれよと走るから。

 

では、何がこの上昇にブレーキをかけるのか。サプライズの悪材料を考えてみた。

北朝鮮の終わりの始まり

何が発生してもサプライズになるのが、北朝鮮問題だろう。

今私の最新の情報は次の通り。

  • 既存の金融制裁、貿易制裁の効果がこれまで以上で、2018年2月に「北」の外貨は底をつく。3月以降、交渉のテーブルに着かざるを得なくなる。
  • これに先立って1月中に、ティラーソン米国務長官が辞任、後任にポンペオ現CIA長官、さらにCIA長官にはトム・コットン上院議員が就任。二人とも親トランプで、修正25条第四節により合法的クーデターの可能性は大幅に減少。この材料だと4月の攻撃はあり得る。
  • 日本と米国の方針はここへ来て食い違いがある。日本は核とICBMの廃棄を求めるが米側は開発凍結で十分。米国はICBMが届かなければ良いと。ただ、米中で合意しているのは金正恩が現在の地位に留まる「北」は想定していない。
  • 後継として金正男の息子金漢率(キムハンソル)を元首に想定。金正恩の亡命を提案したロシアに対し米中は拒否したもよう。「斬首」か。

では、戦いとなったら株価、円レートはどうなるか。とりあえずヘッジファンドの作戦は「円買い日本株売り」である。

昨年4月の東京株式市場を思い出していただきたい。外国人投資家は現物を2月終わりから売り始め、3月売り越し、4月は10月先物を売って現物を買った。日経平均は3月1万9000円台になり4月1万8000円に。

為替市場では「円買い韓国ウォン売り」。ただ円レートは対ドル111円から4月下旬108円。株価も為替もヘッジファンドが期待したほど大きな利益は出ていない。押し目買いを待つ買い手の存在があるからだ。

難民、韓国、非核三原則見直し

今回はどうか。軍事行動があり、金正恩が「斬首」され、中国が38度線まで支配し、核兵器は北朝鮮とシェアリングする。 キムハンソルがカイライ政権で、現在の米国による保護からピョンヤンに帰るのだろう。戦闘はごく短時間で終り、形式はクーデターとなり、日本人がとりあえず一番心配するミサイル攻撃はないだろう。

 

「次」の段階が「災厄」だ。日本の頭痛のタネは難民、そして復興資金の提供だろう。また文韓国大統領が強気になって、二年が経過した「不可逆的な」慰安婦問題を反故にし、反日、反米の姿勢を明確にする。要するに、韓国は「北」と合併し、中国の属国になりそうだ。日本は非核三原則の見直しで国論は二分されることになる。またアホなマスコミがヘンなアオリかたをしなければいいが。

 

ご報告です。最近著の「日経平均3万円 だから日本株は高騰する!」は早くも第二刷りです。また少し前にご報告した講演会が追加、1月23日(火)18時~20時、ザ キャピトルホテル東急。主催は経営塾。経営塾フォーラム第348回で、演題は前述の拙著と同じです。

 

「ラデッキー行進曲」がジルベスター・コンサートの終わりに必ず演奏され、音楽に合わせたみんなの手拍子で大いに盛り上がる。ラデッキーとは19世紀のオーストリア軍参謀で1815年の対ナポレオン戦争で勝利した英雄。ヨハン・シュトラウスのオヤジの方の傑作。日本株の前途は私はうんと明るいと思うが、やはり日本の個人投資家が本格的に買いに出なくちゃあ。さあ、皆で手を叩きましょう。

2018テン・サプライズ

ここから先はオマケです。私の2018年テン・サプライズです。

  • AI、IOTなどの第4次産業革命が成功、世界の成長率は4%台に。
  • サウジとイランの対立が中東全体に拡大、原油価格がバレル80ドルと急騰。
  • 安倍首相が北朝鮮を単独で訪問し、拉致被害者を連れ帰る。代わりに多額の援助。
  • 教育、防衛、国土強靭化など多額の予算が必要な巨大プロジェクトに備えるため、永久国債の発行を決め、借り換え債のシステムを根本的に改める。
  • FAANG中心にNYダウは3万ドル。その後はコワーい。
  • イタリア総選挙で五つ星運動が圧勝し、EU離脱の国民投票が実施され、EUの基盤がゆらぐ。
  • 中国は債務問題を何とか克服すべく、AIIBへの日本の支援を要請。
  • トランプ政権はティラーソン国務長官を交代させ、セクハラなど民主党への悪宣伝もふくめ、無所属候補との乱立戦に持ち込む。中間選挙をこれで乗り切り、次に30%台の固定票でも自分が再選される作戦に出る。同時に修正25条第4節による「合法的クーデター」を阻止する。
  • 投機資金流入でビットコインは急騰し4万ドルを突破するが、規制強化で大暴落。
  • サッカーW杯で日本はベスト8。平昌五輪の女子活躍と合せ大スポーツブーム。意外や意外、巨人が優勝。

名曲「美しく青きドナウ」「ラデッキー行進曲」と新年の日本の災厄(第891回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

ジャイコミ有料記事テキスト画像

 

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」と米国国債格下げショック

映画「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」と米国国債格下げショック

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「絶壁の彼方」とトランプ大統領の危機と日・米株

  2017・11・19 1950年の英国の映画で、一流の映画通の中でメチャ評

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「パラサイト 半地下の家族」と安倍・トランプ・中東・株価(第994回)

 韓国が嫌いなので本当は見たくはなかったのだが、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して、

記事を読む

木村喜由のマーケット通信Youtube版 vol.1

みなさん、こんにちは 今回はお試し特別版として、JAII副理事でテクニカルアナリストでもある

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「フィールド・オブ・ドリームス」とトランプVS連邦最高裁の判決の行方(第1018回)

 私の大好きな野球もの映画。ロケ地となったオハイオ州北東部のダイアースビルの野球場はそのまま残さ

記事を読む

PAGE TOP ↑