【初・中級者向き】映画「空飛ぶタイヤ」と私のある大発見
公開日:
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最終更新日:2018/06/26
マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
2018・6・24
池井戸潤の180万部を売った超ベストセラーの映画化。TVドラマの方はWOWOWとTBSと両方観たが、今回は主人公赤松の息子が通うPTAの部分を抜いて簡略化してある。これで小さな運送会社の社長の、会社社員とその家族を守るための闘いが中心となった。主演の長瀬智也がなかなかいい。
大型トレ―ラーのタイヤが脱輪事故を起こし、主婦が死ぬ。事故の理由は「整備不良」。納得できない社長の赤松は真相を解明しようと奔走するうちに、財閥系巨大企業ホープ自動車の隠された秘密にたどり着く。
ところが証拠品と引き換えに、1億円という補償金をホープ自動車は提案してくる。資金繰りがつかず倒産の不安のある赤松にとって、ノドから手がでるくらいほしい金だが、断呼として断る。そしてホープ自動車社内の内部告発もあって、車体設計のミスとリコール隠しが判明する。
会社四季報の夏号が発売された。24日の私の講演会があるので目を皿の様にして読んだが、アレレという事実を見つけた。
それは日本銀行(8301)。普通チャートブックに出ていないので、株価なんて知らなかったが、昔は10万円ぐらいしていたかな、というぐらいの知識しかなかった。そして右肩下がりで下げっぱなし、と言う位。
ところが、今年3月に3万3500円の安値があったあと、5月に4万7850円と急騰、チャートでは長大陽線、その後も4万円台の中ぐらい。
日銀株の長大陽線
この前にも長大陽線があったな、と探してみたら2012年12月、4万円前後から翌年に6万円まで上がっていた。あと「大」ではないが2014年10月に。これは選挙だろう。
2012年は忘れられない。11月に安倍首相が政権を奪還し、その選挙中にジム・オニールが「We want Abe !!」というメールを送ってきた年だ。
当時ジム・オニールはグローバルなストラテジストのNO・1でBRICSという投資国シナリオを考え出した男として著名。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの会長だった。
「We want-」というのはアメリカの選挙戦の最中に、選挙民が候補者に対し、会合などで拍手しながら呼びかける言葉。我々はあなたの当選を待っているよ、あなたは我々にとって必要な人だよ、という意味だ。
このメールでオニール氏は「円を売り、日本株を買え。これが唯一にして最良の投資作戦だ。」とした。
オニール氏は「これまで円高とデフレ、デフレと円高の悪循環に陥っていた日本経済は、アベノミクスで好循環にはいる」とした。
これにすぐ従ったのがジョージ・ソロス氏。円売り日本株買いで、そのあと3か月で何と90億ドルの収益を挙げた。イングランド銀行と戦って70億ドルと記憶しているから、氏にとっては新記録。ということになる。
バカなことに日本の投資家は個人も法人も売って、オイシイところはヘッジファンドに持っていかれてしまったが。儲けそこなった責任は「1ドル50円」説を主張していたあるエコノミストにあると思う。当時日経平均5000円を予想していたストラテジストもいた。
それでは今回なぜ、だろう。日銀株は2012年12月に続いて、今年3月から日銀株は大幅上昇している。
私なりの解釈はこうだ。従前から私の投資シナリオにある「日銀と政府が協定を結んで、無利子無期限の永久債を発行」。これで年間利払い費11兆円を財源にして①防衛②国土強靭化③教育無償化などを推進すればいい。つまりニュー・アベノミクスだ。これで先行き日経平均3万円の確度はぐんと上がる。一挙に見通しは明るくなる。
映画のセリフから。主人公の妻が赤松を励まして言う。
「まだ希望は残っているって思ってるんでショ?なら頑張ったら?」はげまされた赤松は全国のトレーラー事故を起こした同業を回り、ついに動かぬ証拠を手に入れる。私の強気は変わらない。それは日本に希望を持っているからだ。
今日、私の講演会がありがたいことに盛況で終わりました。ご質問も大変に多く、また宮田さんのパートも好評でした。ご支援を感謝します。
映画「空飛ぶタイヤ」と私のある大発見(第914回)
今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ
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