ヴェル「ボレロ」と心地よい反復が止まりかけている中国経済と米国の政界。そして漁夫の利を得る日本。(第1126回)

ラヴェルの「ボレロ」は、よくCMや映画で使われるから、ご存知の方も多いだろう。小太鼓がボレロのリズムを刻んで曲が開始され、なんと169回繰り返される。

メロディは2つあるが、フルート、クラリネット、ファゴットなどが次々と歌ってゆく。

この反復は実に心地よい。15分の演奏が足りないと感じるほどだ。

スーツを着た男性の白黒写真

自動的に生成された説明

「反復」を続けて成功してきた国がある。

中国である。

この国では、土地は国有。そのリース権を州や大都市は販売する。モトはタダだから、景気の上下にからんで一高一低はあっても、図が示す通り、この資金を使ってインフラ(地下鉄、住宅、新幹線など)への投資が可能となる。

グラフ, 折れ線グラフ

自動的に生成された説明

これが、昨年から投資先が一巡したこともあり、販売収入が激減した。(日本総研調べ)

もちろん、中国習政権もいろいろな手を打っているが、それでも不動産市場の悪化は止まらない。

6月の住宅着工は前年比で45%もの大幅減少。当然、住宅価格も下落に転じた。とくに2級都市で著しい。

グラフ

自動的に生成された説明

資金繰りの不足からだろう。最近、中国は1000億ドルもの米国国債を売却した。

現在、避暑地である北載河で開かれている中国首脳の動きが、どうもおかしい。

習近平の最重要である子分2人が左遷されたり、自殺に追い込まれたりしている。

噂では、李克強首相が党総書記になる、とか。

習近平氏は名目だけの閑職になるとか。

この時期だけのバカ話、と片付けられない。

一方、米国ではトランプ前大統領が2024年の大統領選に立候補するという情報。

ニューヨークタイムズ7月14日付でトランプ氏は、かなり明白にその意志を表示した。

中間選挙でトランプ氏が資金を出している候補は、223人に及んでいる。上下両院議員、知事、州の州務、司法各長官が対象。いまやトランプ氏は「キングメーカー」となっている。(Washington Watch 7月21日号)

正式な発表時期は恐らく9月5日のレイバー・デイではないか、といわれている。その後の米国政界の激動は、恐像に余りある。

大切なことは、日本の地位が上昇するのと、「新冷戦」は日本が大切にされるということ。

このシンボルが「次世代半導体の共同開発」である。

外国人の買いが二年ぶりに買い越している。いちよし証券の高橋幸洋さんによると、13週と26週の移動平均のゴールデンクロスも近く完成。いよいよ三万円(とりあえず)の達成は近い。高橋幸洋さんは倉庫株がいいと言っている。勉強したい。

関連記事

JAII副理事長 伊藤稔のコラムが、1月19日(木)の日経新聞に掲載されました

『日本経済新聞』2017年1月19日の夕刊に、日本個人投資家協会の伊藤稔副理事長がコラム『十字路』で

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

「モンタナの目撃者」と、結構な押し目を作った恒大騒動。それに新内閣のかくし玉による超好景気。(第1081回)

主演のアンジェリーナ・ジョリーは私のお気に入りの一人。「トゥームレイダー」シリーズはとくに良かった

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「イコライザー2」とトランプと中間選挙(第928回)

2018・10・8  「イコライザー」とは「悪党の非道に苦しむ人々を救うため、人知れず制裁する

記事を読む

基本の話by前田昌孝(第2回)

誤解しないでほしいが、株式投資の勉強が無意味だなどと主張しているわけではない。勉強することと、高い

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「THEFIRSTSLAM」と私のびっくり予想2-23・1・15(第1154回)

映画「The First Slam Dank」と私のびっくり予想「ウクライナ侵攻は秋に終

記事を読む

PAGE TOP ↑