映画「コンフィデンスマンJPプリンセス編」にバイデン当選と信じさせられているマスコミとNY株高のナゾ(第1024回)
再び映画館への禁断症状が出かけたので、慌てて観に行った。何を隠そう私は長い間、長澤まさみの演技力に惚れているので、前回も封切後すぐ観た。今回の作品のほうがダントツにいい。ウンと楽しめる。お勧めできる。
ストーリーは込み入っているし、結末は書けない。単に、詐欺師の物語だから、ダマしあいですヨ、としか書けない。
ブログの本題に入る前に、お詫びを申し上げなくてはならない。前回、私は岡三証券株式会社グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創さんのご意見を引用したが、その中で私の誤解があった。早速ご本人からご指摘があった。
「誠に失礼ながら一言申しあげますと、第二次世界大戦に匹敵するのは「資産デフレ」の規模であり、金融緩和の程度ではありません。ただし、マイナス金利も含めた金融緩和は人類の歴史はじまって以来ともいえます。」
以上です。訂正してお詫び申し上げます。
さて、あと三か月を切った米国大統領選挙について、我が国では米調査会社の世論調査の結果を軸にボルトン氏他の暴露本の話題を添えて、トランプ再選は難しい、とする扱いが多い。
これに加えて、高い失業率のグラフや暴動の画面を加えれば、TV番組になる。安易にこうした番組が流され、日本ではトランプ→バイデンがジョーシキになりつつある。
さらに、民主党有利な世論調査のシステムの欠陥もあり、たしかにバイデン候補の支持率がトランプ大統領を4ポイント近く上回っている。
しかし、英国のブックメーカーつまり賭け屋は、私の知る限り、トランプ有利の形勢に変わりはない。
また米国でも調査会社の一部だが、世論調査でバイデン有利と見ても「大統領選でトランプ再選される」と回答した有権者が53%いる。(マサチューセッツ州エマーソン大学、7月末)
またバイデン候補がこのところ次々と失敗しているが、日本ではあまり報道されていない。
第一は副大統領候補の人選。7月28日の記者会見でわざとカマラ・ハリスと書いたメモを見せた。
意図とは逆に、反ハリス派から反発があった。とくにバイデン夫人と長女が、ハリス氏の「バイデンは人種差別主義者」との発言に強い反感を抱いていることがわかり、この報道でバイデン支持率は急落中。
要するにバイデン家とハリス氏との対立に加え、民主党内部でのスーザン・ライス氏支持組対カマラ・ハリス氏支持組との対立が表面化。まだこの原稿を執筆中の8月9日現在人事は不明だ。「8月第1週発表」としていたのだからすでに時間切れ。(ついでに言うとこのライス氏は明瞭なアンチ日本、プロ中国なので、大変なことになるだろう。国務長官でも同じ。)
さらに、バイデン候補が「認知症」との認識が広まっていること。調査では4割近くの人々がTVや演説などのバイデン発言を見て、認知症の初期と判断した、とか。
このためだろう。バイデン陣営はTV討論(三回)を回避する動きに出ている。自らの発言が今や大弱点になってしまっていることを自覚しているのかもしれない。
NYタイムスがこれを支持し、WSJが反対していることから見て、まあお里が知れている。やはり、結局はやるのではないか。
(これもついでだが)、ボルトンの本は米国ではそれほど騒動になっていない。政府による機密指定解除の手続きを怠って一方的に出版に踏み切った事実は否定できない。そこで本の内容には信頼性に欠けるとみられているためだ。(冷泉彰彦のプリンストン通信第822回)
「隠れトランプ」の存在も見逃せない。
ジョージア州のトラファルガーグループは2016年の選挙でトランプ勝利を予測した世論調査会社。その調査員は「電話で人対人の調査をする場合、社会的に望ましい回答に反するときに回答者がウソをつくことが少なくない。これが「隠れトランプ」だ。
8月1日現在、同社の調査では、トランプ大統領は五分五分か有利の結果が出ている。
(これを書くと身もフタもないので最後に書くが)調査会社の調査に対し有権者は選挙日の2,3週前に意中の候補者を決める。だから3か月前の調査はアテにならない。
私の見るところ、NY株価、とくにNASDAQが強いのはトランプ再選を市場が読んでいる。
ご存じの通り、NASDAQは新高値更新中。バイデン候補がGAFAに代表される急成長銘柄に企業分割を含む厳しい姿勢をとっていることは有名。これに加えて、法人税引き上げ、富裕税と来ているんだから、もし本当にバイデン当選と市場が読んでいたら、株高のはずがない。
またトランプ大統領も心得たもので、株高への材料を出している。8月3日の記者会見で「失業者への住宅立ち退き猶予。給付金600ドル上乗せの延長を大統領令で決める」、と述べた。
最後に一言。オバマゲートの問題が調査中で、9月ないし10月に結果が出ると聞いている。決定打になるかもしれない。
使えそうな映画のセリフがなく、今回のテーマ曲から。作詞、作曲は藤原聡(この人については何も知りません。教えてください。曲も歌詞もすごくよかった。)。
「人格者ではなく、成功者でもなく、いつでも今を誇れる人でありたい」
「そんな希望抱き、未来図を画き、 手放さず、生きて いたいだけ」
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