映画「サンセット大通り」と技術革新の威力、そして中東に発生した不安 (第1026回)

 ビリー・ワイルダー監督の名作中の名作。無声映画時代の大スター・グロリア・スワンソンが、世間からとっくに忘れられた存在なのに、ご本人は、今でも大スターという幻影に生きている悲劇。

 同居している執事は元夫で監督(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)だが、せっせとファンレターを書いて、まだ人気があると思わせて毎日を送っている。

 そこに借金取りから逃げている若いシナリオライターのウイリアム・ホールデンが紛れ込む。スワンソンは自分の描いたシナリオを直してくれ、と頼み、ホールデンはいろいろな経緯があった後、ジゴロになってしまう。

 ホールデンは逃げ出そうとして殺され、狂った女主人公は新聞、TVのカメラを撮影と思い込む。シュトロハイムの「アクション!」の掛け声で、階段を下りてくる。クローズアップで終わる。

 ミュージカルにもなった。アンドリュー・ロイド・ウエーバーの作品なので曲はよかったが、舞台ではクローズアップがきかないので、幕切れの迫力がなかった。「オペラ座の怪人」や「キャッツ」ほどは、当たらなかったと思う。

 時代の変化に後れを取った、あるいは受け入れなかったことが、この悲劇を生んだ。

 「セリフなんか要らないわ。私たちには顔があったのよ」

 トーキーの全否定だものね。

 さて、私自身に話を戻す。コロナ・ショックで講演会はなくなって、中小企業である我が事務所は大幅減収。補助金を頂く始末。

これではいけない。ウエブナーをしては、と勧めてくださったフォレスト出版のプランに乗った。6月29日、7月2日、7月6日、7月8日の4回、ウエブナーを開いた。

 驚いたのは、視聴者の多いことだ。

フェイスブックが1万1202、ユーチューブが7103、合計1万8388。

 講演会のフェイス・トウ・フェイスでは1500人という記録はあるが、普通はせいぜい300人。効率が違う。

 スタジオで司会とアシスタントの女性アナ。そして私が40分ほど講演。その間に入ってくる質問に答えて、1時間で上がり。こちらの方は4回を1シリーズにしてテーマを分けたので、これも効率的だった・

 結局、新しい技術革新を体験し、これからはやはりこのやり方、と実感した。

 6週間に一度開かれる嶋中さんのセミナーでは、出席できないか、自分のパソコン利用の方が便利な方にはやはりウエブナーでしている。ぼつぼつ来年の講演依頼が入り始めているが、この方式にお願いしている。

 さて中東がキナ臭いのに、相変わらずマスコミ各社の報道は熱中度に「熱中」している。

 経済産業研究所上席研究員の藤和彦さんが私に送ってくださった資料を要約する。

 見出しだけで、内容がわかるだろう。

「サウジ政変危機、最悪の財政悪化、ムハンマド皇太子の暴走、イスラエル・UAE和平が拍車」

 少し詳しく書く。

  • トランプ米大統領は8月31日「イスラエルとUAEが国交正常化で合意した」と発表した。
  • 今回の合意でUAEはハイテク技術・資金をイスラエルから支援を期待。しかし何よりもイスラエルからの支援を望んでいるのはサウジのムハンマド皇太子だ。
  • サウジ政府は最大の財政危機に直面しており、すでに付加価値税を三倍の15%に引き上げた。さらに公務員の手当を廃止。
  • 原因は紅海沿岸に5000億ドルを投じて建設中の大規模な未来都市「NEDM」。ムハンマド皇太子が推進中のプロジェクトである。
  • 財源としてサウジアラムコに純利益の三倍近い配当(187・5億ドル)を支出させた。イスラエル・マネーがノドから手がほしい。
  • しかし、王族内での対立がこのイスラエル・UAEの国交樹立で激化している。(ビジネスジャーナル2020・8・21)

藤さんによるとサウジには国交正常化できない大きな障害がある。

サウジを支配しているサウド家の正当性は、イスラム教の聖地であるメッカとメディナにある「二つの聖なるモスクの守護者」に由来している。

したがって、イスラム教の第三の聖地とも呼べるエルサレムに対するイスラエルの支配を認めてしまえば「すべてのイスラム教徒の擁護者」といった立場が大きく揺らぐ。ムハンマド皇太子が現在の路線を突っ走れば、サルマン王は親子対立に追い込まれてしまう。 

以上、藤和彦さんのご意見をまとめた。

米国大統領選にこの件に大いに影響があると私は考える。ユダヤ人、ウオールストリートを含めて金融勢力に大いにプラスすることは確実だからだ。

次回にバイデン有利という一般的な見方は当たらないことを書くつもりだが、検査入院するのでお休みになるかもしれない。いきなり来週のこのブログが読めなくなったら、病院内でパソコンが使えなかったのだな、とお考え下さい。

 では皆様、残暑厳しい中、お体お大切に。

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