映画「影武者」とビツトコイン暴落の真犯人。そしてわが国の敗者の感覚の誤りと私の強気(第1065回)
ご存じの黒澤明監督の時代劇大作。
主役に予定されていた勝新太郎が監督とケンカして仲代達矢に
交代した。話題性は十分で興行収入は、相当長い期間、首位を
保っていた。私は「七人の侍」や「用心棒」の方が、ずっと好
きだが。
今回、この作品をブログに取り上げた理由はカンタンだ。
株式、債券、ETFなどの広く市場で取引される投資物件は
いわば本物の武将だ。
これに対しビットコインなどの「暗号資産」あるいは「仮想
通貨」は、私の解釈では「影武者」。
ビットコインやイーサリアムをビジネスにしている方には、
怪しからんと言われるだろう。
まあ、86歳の老人のタワゴトお笑いください。
さて、本題に入ろう。
このところ、ビットコイン相場の暴落が目立つ。19日には一
時前日比三割を超える大幅下落だった。
下落の直接の原因は二つ。野村総研の木内登英エグゼクテイ
ブ・エコノミストによると、第一は中国の規制当局が金融機関に
対し仮想通貨に対するサービスを規制したこと、第二はテスラの
マスクCEOが、ビットコインを同社のEVの代金として受け入
れない、と発表したことだ。
しかし、木内さんは「ビットコインの価値が、不明確なこと」が、
価格乱高下の真因、としている。また下落リスクの大きさも木内さ
んは指摘している。以下、引用する。(木内登英のグローバル
・エコノミー・アンド・ポリシー・インサイト」5月21日付)
(ビットコイン)は株式や債券のようにキャッシュフローを生まない。
(中略)ビットコインの唯一の価値は、銀行送金の手数料が安価な
こと。
木内さんはビットコインの理論値は「既存の銀行送金と同額の手
数料となる価値」として40万円と試算している。現実には4万ドル
近辺で取引されているから下値リスクはまだ相当大きい。
さて、下落真犯人だが、乱高下を主導したのはロビンフッダーな
どの個人投資家だった。
ご存じの通り、最近の米国のコロナ・ショックはほぼ終了し、経済
社会活動が正常化。かつての「巣ごもり」状態はなくなり、在宅
での投資活動時間は短くなっている。
真犯人は「素人個人投資家」の後退だ、と木内さんは結論付けた。
コロナ相場は終わり、とも。
私は反対だ。株式にしても暗号資産にしても、投資家、とくに個人は
「儲かっているうちは、絶対にやめない」。
従ってNY市場については、現物だけでなくオプションも含めると
上場幅は、少ないかもしれないが、強気相場は存続する、と私は
考える。
一方、日本の方は個人にしても機関投資家にしても、50代後半から60代
前半の世代層が中心になっている。
この年代層は、ものごころついてからずっと、下げ相場しか知らない。その
せいだろう。私の新著「日経平均4万円時代 最強株に投資せよ!」を見る
と笑いだす向きが多い。
しかし、思い出してほしい。私が「日経平均3万円」という本を出版し
たのは、わずか3年前。あの時は 誰もが笑った。しかし、この2月、3万
円のカベは抜かれた。
しかし考えてほしい。足元の流動性は高く先行の企業収益の大幅向上は目に
見えている。株価収益率は来期ベースで13~15倍で割安。
問題となっていた東京オリ・パラも開催が決まり、来週以降の上昇は確実。
私事を公開するのは気が引けるがレバレッジを効かせたETFを買い増しした。
私はいぜん強気だ。
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