「川中島の戦い」と売り方買い方の先読み合戦と私の強気(第1070回)
川中島合戦は計五回行われているが、今回、最も有名な第四次合戦を取り上げた。
二万の武田勢に対し一万三千の上杉勢。信玄はキツツキ作戦をとる。六割に当たる一万二千を妻女山の上杉の陣営に派遣、山から下りてきた上杉勢を川中島の信玄本隊が挟み撃ちにする、という作戦だ。
前提条件は上杉勢がこの作戦に気が付かないことだった。
ところが武田勢の炊煙の多さから、上杉謙信は、襲撃を察知。
夜間に川を渡って、霧が晴れると同時に攻撃を開始。何と信玄と謙信が軍配と太刀で対決する、という誰にも予想しなかった事態にまで発展した。
武田方の方から見ると、予想は全く外れた。
では、この例を今回の相場に例えれば、どうなるか。
私の見るところ、売り方は外人投資家、つまり「外れ屋」にあたる。それが6割を占めているから本来は、もっと下げていてもおかしくない。
先物、現物を合わせると昨年は6兆円をはるかに超え、今年は1兆円近く売り越し。
思い起こしてほしい。今年を例にとると1月2万7258円から、6月25日の2万9046円で8%上昇。これを売り越しなのだから、ソンをしている筈。別の見方をとると、国内勢が相当頑張っている。
今回外人はプットの売りを2万7~8000円で大量に行っている。
目先はを弱気だが、先行き日本株はかなり上がると読んでいるのだろう。
私が取材したところ、日本株の売り材料は昨年はコロナショック。今年は中国の台湾進攻と中国経済の行き詰まりを材料にして、日本への打撃を恐れ、売っている。私はこの予想は間違っていると思う。今年中は台湾への侵攻はないと観る理由は、このブ
ログの愛読者ならお分かりだろう。北京五輪前は台湾進攻する筈はない。
イマイ先生、どういう相場展開を予想しているの?と聞かれそうだ。
この下げを的中させたプラザ投資顧問の伊東秀広さんは、ごく目先を展開として
「上限2万8~9000円。底値は2万6000円」という予想を行っている。
一方TFRの箱田啓一さんは、「7月20日ごろ3万700円で目先小天井。中期的にはそれ以上。」
また大和証券の木野内栄治さんは「年末から来年3月の年度末になると3万3000円から3万6000円」とした。
いちよし証券の高橋幸洋さんは、カラ売り比率が記録的な高水準なことに注目。いずれショートカバーが起きると強気の弁を語ってくれた。
結論。いぜんとして私は強気だ。
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