孔明の「天下三分の計」と私が常識外れの意見を大相場説とからめて喜んでいるいきさつ (第1073回)

三顧の礼をもって迎えられた孔明が劉備に述べた大構想である。これで一介の軍閥の長に過ぎなかった劉備は,蜀の皇帝にまでのぼりつめた。

私が今回の相場が、大変に長期でしかも上昇幅の大きい大相場だ、と言うと必ずこう反問される。

「人口ガ減り、老齢化してゆく日本が、何で株だけ上がるんですか?」

私はこう返事してきた。

「私はこれまで、予想を的中させました。ほんの三年前に「日経平均三万円」を刊行したときは、みんなが笑いました。でも、的中したでしょ?」

強力な援軍が現れた。岡三グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創さんである。最近のtodayで株価の根源である、企業収益がぐんぐん伸びる。しかも収益増は、一時的なものではなく、構造的なものだと主張している。

まとめる。

税負担低下と利払い負担の減少。

もう少し説明しよう。

グローバル化が進むなか、世界的な法人税引き下げ競争が続いた。我が国安倍政権時代に法人税は35%から29%に引き下げられた。英国は法人税を最近引き上げたが、追随する国は少ない。

一方で金利は低水準。最近底入れ気配はあるもののレベルは低い。しかも急上昇の気配は、ない。

高田さんは「企業丸儲け」という見出しを付けている。日経平均の一株当たり利益は2000円。来年、再来年も増益なら、2600円も夢ではない。PER15倍なら三万9千円!(これは私の希望だが)

こんな不況でそんなにモノが売れるのか、という反論もあろう。 需要サイドへの疑問だ。

これに対しての回答は、30兆円。

ちばぎん総研社長の前田栄治さんだ。「金融財政」の最近号に「コロナ禍による

強制貯蓄は約30兆円」を書いておられる。強制貯蓄とは本来の消費が、コロナ禍のために預金に回ったお金だ。

2020年1月から2021年4月までの15か月、預金は45兆円増加した。

それ以前の15か月の預金増加額に比べると28兆円の増加。4月以後の増加を考慮して、30兆円。

これは可処分所得のほぼ1割。ペントアップデマンドと言い換えてもいい。

やはりコロナ禍が去る今年の年末以降、2,3年は好況、株高になるだろう。

結論。依然としてわたしは強気である。

ついでに、現在の相場が弱持ち合いとみる「常識」も当たっていない。

TOPIXの流動性の高い優良銘柄30の指数コア30は戻り高値を更新中。下落は主に、ユニクロと中外薬品など東証の市場再編に流動性からプライム市場に移行できないのではないか、と疑問を持たれている銘柄によって引き起こされている。実体は見かけよりもっと強い。念のため。

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