映画「燃えよ剣」と韓国の没落。すでに始まっているのにご本人たちは気づいていない(第1087回)
司馬遼太郎のベストセラーの映画化。岡田准一のアクションも演技も素晴らしかった。充分におカネをかけた大作で、今年のベストスリーに入るだろう。おすすめできる。
土方歳三の一生を描いた。この人が倒幕側にいたら、大変な功績を挙げたと思うが、現実には鳥羽伏見の戦いのあと、徳川慶喜が戦線離脱する位、徳川幕府は頼りなかった。
頼りがないのは、現在の韓国もおんなじだ。
まずチャートを見て頂きたい。日本総研の、藻谷浩介氏の作成したものだが、日本や中国よりも、人口の老齢化ははげしく、2020年にすでに労働力人口が減少した。技術革新によらなければならないのに、現実にはその寄与はマイナス。(国連統計による)
にもかかわらず、韓国の中央銀行である韓国銀行は利上げを実施した。
ソウルのマンションを中心に、バブルが起きかけていたのを抑え込む。
また11月には米FRBがテーパリングを開始し、2022年には米国ドルが高騰する可能性がある。手持ちのドルが少なく、外資に依存している韓国としては、利上げで外国勢が逃げ出すのを防ぐ。こうした政策意図もあった。
韓国株、ウォンともに高値から下にいて、しかもチャートをみると、安くなるのをどこかで支えていることが歴然。本来ならウォン安を誘導したいのだろうが、米国の眼が怖い。
この状況は、誰が大統領になっても同じだろう。
来年3月9日の大統領選挙に、与党の共に民主党は李在明。最大の野党の国民の力は、11月5日に公認候補伊錫悦を選出した。
今のところ世論調査は李在明。
しかし、支持した人でも、現実に「投票する」と答えた人は14.2%にすぎなかった。
米「ニューズウィーク」誌は、「韓国次期大統領選挙の候補者は、いずれも人気も実績もない」「最初から失格?」と報じた。
トップを走っている李在明でさえ「好感」34%に対し「非好感」58%。
韓国の有力紙「中央日報」は「最初の失格」と書いた。「反日」が売りで、スキャンダルにまみれた政治家が当選すれば、史上最低と評されている日韓関係だが、「最低」の度合が歴史上まれにみる低下に落ち込むことだけは、間違いない。
映画「燃えよ剣」のセリフから。
歳三の恋人の雪が言う。「もう巻き込まれています」
2015年の日韓合意を反故にされた岸田首相は、ゴールポストのない日韓関係に、もう巻き込まれている。さて、どう落とし前をつけるのか。
関連記事
-
-
投資の羅針盤
確定拠出型企業年金への「自動加入化」を【下】日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 (前回より続く) 前回、日本の公的年金の所得代替率が
-
-
映画「国宝」とドルの本当の価値。日経平均の中期目標値
2025・6・29(第1279回) <ナタリーより> 吉田修一原作、監督李相日
-
-
投資の羅針盤
リッキャップCBで株主還元促進を日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 「リッキャップCB」と呼ばれる転換社債を発行する企業が増え
-
-
映画「妻への家路」とEメールゲートとヒラリー・クリントンの運命
今井澂・国際エコノミスト今週は「博士と彼女のセオリー」も観た。しかし主演のホーキング博士のソックリさんぶりが良かったが出来は
-
-
政府放出株は企業変身の夢を描けるかどうかが決め手
日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 Vol1346(2015年11月5日) 日本郵政グループ3