映画「サタデー・ナイト・フィーバー」と12月上旬に襲うNY市場の「ド」か「ドカ」(第1088回)

いまから45~6年前のディスコ全盛時代の火付役の映画。主役のジョン・トラヴォルタはこれでスターになった。

ストーリーはブルックリンで働く20歳の若者トニーが、マンハッタンに住む女性と知り合い、コンテストに出場するお話だ。別にその後ブロードウェイに出るというサクセスストーリーではないが、ビージーズの音楽中心にヒット曲ヤマ盛りで、ジュリアナ東京で私などマネしたものだ。当時のディスコの熱気、熱狂ぶりは忘れない。

私のビジネスパートナーでSAIL代表の大井幸子さんが、次のような警告レターを送ってくれた。

「根拠なき熱狂、まもなく相場は調整相場か?」(11月10日付HFニュースレター)

理由として大井さんは「VIX指数」の上昇を挙げている。

VIX指数とは恐怖指数とも呼ばれる。市場のボラティリティそのものを取引する。

ボラティリティとは、標準偏差を数値化して ― なんていうと、また標準偏差とは?になるので、まあそういう指数があると考えてください。

大井さんは「11月9日、NY株式市場は寄り付き上昇したが、VIX指数の上昇に伴い下落した。」

「今年8月前半と11月前半には、株価は調整した」として調整が近い、としている。また売買量が減少している。株価(S&P500)は、10月最終週から50日ほど移動平均をこえて上昇していた。(±2標準偏差もこえた)

結論として大井さんは、12月第二週に5%程度の下落がNY市場を襲う、と予測した。

12月第二週とした理由は、ミューチュアルファンドが、年末の配当や解約に応じたキャッシュを作るための解約が増加する。

通常、自社株買いが下値を支えるのだが、バイデン大統領提案の例の1.75兆ドル歳出案の財源に自社株買いによる2%課税が1250億ドル予定されている。

加えて12月上旬には、例の米国国債デフォールト問題ないし政府の閉鎖問題がヤマ場を迎える。

具合の悪いことがさらにひとつ。米国のインフレが始まっている。2021年10月の米国消費者物価指数(コア)は前年同月比6.2%。31年ぶりの高水準だ。債券市場も予想インフレの上昇を予測し始めた。

以上はNYの話。日本はプラザ投資顧問室の伊東秀広さんによる。

「ヘッジファンドの買戻しが始まり、ソンを承知で買い戻ししている。相場は上」

高値のめどは?

いちよし証券の投資情報部高橋幸洋さんは「上昇トレンドは継続している、今後2021年9月の高値3万795円を上回れば、3万3475円を上回る可能性がある」と。

「当面の上値参考値は1番目が3万795円、2番目が3万2537円」

やはりNYはNY、日本は日本、と考えるほうが良さそうだ。

映画の中の歌から。

「明日を見つめて生きているんだ」

「みんな生きている へこたれずに」

結論。私は強気だ。

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