映画「ダイ・ハード ラスト・デイ」とウクライナ問題とドル高。そして私の強気(第1103回)

「ダイ・ハード」シリーズの第5作。舞台はロシア。初めはモスクワ。次いでチェルノブイリ(ウクライナ)へ。濃縮ウラン

の横流しによる大金獲得を担う大犯罪をマクレーン父子が阻止する。

連日ウクライナ問題が大きく報じられ、NY株式市場は一喜一憂。東京市場もつれ高、つれ安している。

 原油価格中心にインフレの動きが進行する中、FRBに始まって世界的に金融引締めが強行されようとしている。

 ニッセイアセットマネジメントのリサーチフェロー兼上席エコノミストの佐治信行さんは「金融引締めは、川上イ

ンフレと川下デフレを同時発生させる蓋然性」を指摘している。まことに鋭い指摘で私は全く同意する。中長期的には

このインフレとデフレの共存は、大問題になろう。

ただ今回はやはり、ウクライナを取り上げる。

 私は、米露双方にこの騒ぎがメリットをもたらす、と見ている。

 まず米国・バイデン政権にとっての利点。

  1. 2021年夏のアフガン政権崩壊で「弱いバイデン」の印象を全世界に与えたのを挽回しうる。
  2. 前米国大統領トランプ氏が「バイデン政権はウクライナで大きな利権を得ている(ハンター・バイデン氏を通じて)。」とい

う疑惑を拭い去ることが出来る。

 一方露プーチン政権のメリット、これは極めて大きい。

  1. ウクライナ経由で欧州にLPGを輸出することが困難になっても、エネルギー価格が上昇すること自体、ロシアには有利。
  2. 今回の危機に際し、ウクライナと共に戦う国はなく。ロシアの攻撃を防ぐ戦力もないことが明らかになった。
  3. NATO首脳にウクライナを加盟させるためロシアと戦う意思はない。(2月14日のドイツ・シュルツ首相)
  4. 厳寒期に大軍を派遣するということは、世界にロシアが軍事力の完全な復活を遂げたことを明示した。

これだけのメリットがロシアにはある。やはりホットウォーをひきおこす必要はない。ウクライナの東半分を

自治領として半独立させ、ロシアが保護してやればいい。

 では、エネルギ―価格の上昇による被害者である先進国、例えば我が国はどうか。

 チャートに示した通り、エンゲル係数が上昇している。

 米国は15%、ドイツは18%。これに対し日本は27%。

 国税庁によると、2020年の平均給与は433.1万円で、前年比0.8%減。2019年は前年比1.0%減だった。

この状況で、どう資産を守り、かつ増やすか。

 やはり米ドルを買うのが最良の投資戦略と私は考える。

 私のビジネスパートナーでSAIL代表の大井幸子さんの「HFニュースレター 2022年2月(第3号)」によると、

ロジックは次の通り。

 「米ドルが強い理由は、米ドルへの需要が強いからだ。」

 「多くの投資銀行(特に欧州と中国系)の自己勘定取引では、レポ市場で米国債を担保にして、短期資金を借り入れ、大量の

デリバティブ取引を行なっている。この取引では常に米国債は必要になる。米国債を買い付けるためにはドルが買われ、ドル高になる。」

 国際金融マーケット研究家の豊島逸夫さんによると、

「120円(対ドル)もあり得る。私(豊島逸夫さん)は財産の半分はドル建てにしました。」と述べておられる。

 ドルが強いうちはNY株式市場は高い。日本株もつれ高が期待できる。

 年前半の調整は両市場とも避けられないと考える。特に3月末には「ド」があるだろう。

 しかし、6月から私が予想している上げ相場には必ず参加するのが好ましい。

 そして日本なら三菱UFJホールディングス(8306)に代表される金融ビジネス関連でそれにウオーレン・バフエッ

トの買った総合商社株、たとえば三菱商事、伊藤忠あたり。ウランの利権を私は注目している。

 私は強気だ。

 (投資リスクはご自分の決断でお取りください。)グラフ

自動的に生成された説明テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明


NPO日本個人投資家協会を寄付で応援

よろしければこのサイトを運営している日本個人投資家協会を寄付で応援してください。

寄付で応援


※1,000円以上


安心してご利用いただくために
  • クレジットカード情報は当サイトでは保持せず、決済代行サービス(PAY.JP)を通じて安全に処理されます。
  • 本人認証(3Dセキュア)画面が表示される場合があります。
  • 本人認証のため少額(例:11円)が表示される場合がありますが、実際の請求額ではありません。
  • 寄付完了後に表示される「DON-XXXX」を、公式LINEに送るとお礼ページURLが届きます。
  • 個人情報の取扱いは プライバシーポリシー をご確認ください。

関連記事

「ベルサイユのばら」と、私によく寄せられる質問。「日経平均は3月に4万円の大台を回復した後モタついているが、なぜか?」

2024・6・2(第1227回) 「宝塚のベルばら」といえば、美しいメロディの歌とダンス、そ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「家族はつらいよ」とヘッジファンドとクジラとの戦い

https://youtu.be/Cp4CddQWlJQ 山田洋次監督の最新作。私は「サンデー

記事を読む

2015年株価予想・的中度ランキング
日経平均2万円超えで4割近くが早くも脱落!

ジャイコミで一番人気の記事は「2014年株価予想・的中度ランキング」。昨年末に公開したのだが、いまで

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「アナログ」とタイガース優勝と景気上昇、株高

映画「アナログ」とタイガース優勝と景気上昇、株高 2023・11・12(第1199回)

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「北京の55日」と習近平の自国のハイテク企業叩きとチャイナショック  (第1075回)

チャールトン・ヘストンとエヴァ・ガードナーそれに伊丹十三が出演した歴史 スペクタクル映画。1

記事を読む

PAGE TOP ↑