映画「楢山節考」と今後5〜10%つづくという著名経済学者。預金中心に運用している日本人。老後資金はどうしたらいいか?(第1107回)

公開日: : 最終更新日:2022/03/22 マーケットEye, 中級, 初級, 無料記事 ,

1983年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した名作で今村昌平監督。

坂本スミ子が演じたおりんという老婆は、みずから進んで捨てられようとする型破りの女性。自分の

住む村や家に食物が乏しいからで、おりんは自ら石で前歯を折る。楢山に捨てられる日を早めるためだ。

息子の辰平(緒方拳)は妻ともども出来ればいつまでもながく家に止まってもらいたいと考えている。そ

の息子夫婦の優しさを十分にわかっているのもまたおりんである。

しかし優しい息子も、その息子が隣家の娘に子をはらませるに至って、いやいやながらおりんを楢山

に捨てざるを得ない。

貧しかった時代の日本。しかし老いて死ぬ、という点では現代も同じ。今回はウクライナ侵攻は

ひとまずおいて、中長期の視点でこのブログを書いている。

日本のみならず、おとなりの中国や韓国も少子化老齢化に向って突き進んでいることは、このブロ

グの読者ならずとも、ご存知であろう。

少子老齢化は常識的に云えばデフレ要因である。

労働賃金が安い途上国に仕事は奪われ、第二次から第三次産業へ変わる。

労働力の過剰供給により老齢の労働者は受け取る賃金が減り、年金依存で貯金は取り崩す。値上げは企

業にとってますますむずかしくなってゆく。

これに加えて、コロナウイルスのパンデミックスのデフレ効果がある。これは預貯金を中心とした日

本の老齢者の投資としては有利であり、現にそうなっている。

このいわば「常識」に対して「違う。今後はインフレ(5〜10%)」と声を上げる学者が出て来た。デフ

レがインフレになれば、預金は損が出る。大事件である。

WSJ3月11日付の「高インフレ数十年間続くと、著名経済学者の論拠」という記事。

元イングランド銀行政策委員のチャールズ・グッドハート氏。(ただし、欧米などの先進地域に限る。

日本は後述)

現在先進諸国の生産年齢人口は、第二次世界大戦以降初めて減少し始めており、出生率も低下している。

労働需給がひっ迫すればするほど高賃金になり、物価は上昇する。

一方、国家は海外の生産設備を移転させないように圧力をかけ、国内での設備投資は増大する。

高齢者は生産分より多くの消費(特に医療)を増加させ、先進国の貯蓄は減少。これが金利上昇要因となる。

グッドハート氏は、中国の巨大な労働力が低インフレ主要国だったが、中国の賃金の急速な上昇と出稼ぎ

労働者の減少で、デフレ圧力(=賃金の較差)は減少した。

2001年当時中国の米製造業の賃金との較差は26倍。これは現在3〜4倍である。

現実的に云うと、金利が上昇する他国に比べて、相対的に日本は低い。当然、円安になる。

これは将来のインフレ要因となる。

生産年齢人口が減少し、物価がデフレ気味の水準なのは、ご存知の通りだ。

ところが、ワカバヤシFXアソシエイツ代表取締役の若林栄四さんは最近著「米国株 長き宴の終

わり」で、こう述べている。「2025年、インフレにむかうことで日本人にとって僥倖な投資元年がや

つてくる!」

世界的に著名な若林さんの新著での分析だから、ぜひ一冊お買いになってお読みになることをお

すすめする。

しかし、学者と相場分析では実績のある方の二人が云い出したのだから、われわれは少なくとも

2025年以降のインフレを覚悟しておく必要がある。

では、老後資金の準備はどうか。

ニッセイ基礎研究所 岩﨑敬子主任研究員の調べでは次の通り。

老後準備必要資金は有配偶者世帯の平均値は4419万円。独身者は4070万円。

これに対し、年間で老後のための貯金、投資に向けている金額は50代有配偶者で112万円、60

代有配偶者で187万円。独身だと148万円、62万円。(平均値)

では現実では、何に投資、運用しているか。

ニッセイ基礎研究所研究員の熊紫云さんのレポートによると、

①預貯金37.1%

②保険13.2%

で、残りは投信である。

バランス型が18.3%、外国株式型が13.3%、国内株式型が13.1%、国内債券型が4.9%、

外国債券型が3.9%。

では毎月、バブル崩壊直前から2万円を積み立てしたら、成果はどうか。結果は766万円である。

①外国株式型4761万円

②日本株式型は1597万円

③日本債券型は1080万円

以上から、米国がいいという結論がでる。しかしこれはここ一二年は別と私は思う。

若林栄四さんは2022年1月5日にNYダウは3万6952ドルをつけた。これが天井でNASDAQ、

S&Pも今後は下がると予想。

一方、日経平均の方は2万5635円まで(現実には2万4000円台を一時的だがつけた)。

ここから反発、というわけだが、若林さんは2023年3、4月からNYダウは「第二株の下げに入

るのでそれほど強気になれない。」と。

しかし、ここ3年ほど経って「日本株売り、米国株買い」が逆転する、としている。2025〜26年

だろうか、と若林さんは述べている。

私はここ1、2年は日本株。同時に月掛けで金の現物をお買いになるという作戦をお考えになるといい

と思う。

目先の投資先は商社株。期末の配当金を受け取る。利回りは5%近辺だ。加えて空前の好業績の発表

がある。PERは6^7倍と割安である。

一方、金は若林さんの予測ではオンス3400ドル。

老後の資金、投資がらみなのでごく目先の投資作戦についてテクニカルアナリストのご意見を紹

介する形で述べる。

マネースクエアの宮田直彦さんの「半年間の調整は終ったか」という最近のレポートでこう述べている。

「3月8日の東証出来高は3ヶ月ぶりに4兆円を超え、セリングクライマックスの様相を呈した。」

「日経平均のPERは3月9日の時点で11.0倍と2年ぶりの低水準。」

という理由を述べた。

たしかに戦費の巨大さから考えて、ウクライナ侵攻が長期化する可能性は少ない。底値からの脱出が始

まれば宮田さんの云う通り「日経平均2万7013円のカベを超えれば、3万円レベルに急上昇する展

開」が期待できる。

では、皆さん。グッドラック!

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