映画「TITANE/チタン」と、米国のひとり勝ちと、これに対抗するロシアの金本位制。私の強気(第1111回)
2021年カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を獲得したフランス映画。韓国映画「パラサイト 半地下の家族」もかなり衝撃的な作品だったが、本作はあれを一段どころか二段、三段も上回った超怪作である。
主人公アレクシアは幼いときに交通事故に遭い、頭にチタン板を埋め込まれた。
数年後、美女に成人した主人公はモーターショーのショーガールになっている。
人気は大変なもので、サインや写真撮影に追われる毎日。
しつこく付き纏う中年男を、自分の髪留めで殺害してしまう。ショールームの隣の建物でシャワーを浴びていると、1台の車がライトをつけて佇んでいる。全裸で車に乗り、性的恍惚感を味わう。
その後腹部がセリ出し、妊娠診断薬で妊娠していると告げられる。
偶然に女友達を殺し、両親を部屋に閉じ込め家に火を放って殺す。
ここまで書いただけでもトンデモ作品であることはおわかりだろう。
要するに主人公は超極悪人なのである。
しかし観衆はそうは思わない。むしろ顔を変えるために洗面台にぶつけるシーンには同情さえする。
善といい悪と言っても見方によっては、転換する場合がけっこう多い。
今回のロシアのウクライナ侵攻。ロシアのバカ説さえ出ているが、ルーブルの立場を強化する動きが始まつた。
勿論、現在のところ、米国の一人勝ち説が有力である。
図はりそなアセットマネジメントのチーフストラテジストの黒瀬浩一さんの作ったもの。交易条件の好転と株価上昇との関係をチャートにした。(交易条件=輸出価格/輸入価格)
欧州のエネルギー市場はアメリカの主にシェール企業が代替しかけている。
黒瀬さんは、
- 世界の武器市場を米国がほぼ全取りする
- 穀物(小麦やトウモロコシなど)の価格上昇は、純輸出国である米国は恩恵を受ける
これに加えて11日のTVでパルナソスインベストストラテジーズの宮島秀直さんが「ロシアの軍事予備費は近いうちになくなる」と述べるなど、米国完勝ムードは高まっている。
一方ロシア側は、3月28日に意外な行動に出た。
ロシア中央銀行が金地金を1グラム5000ルーブルで買い上げる(6月末までの価格)、これが対ドル100ルーブルが80ルーブルに上昇した背景である。
金地金の価格は米国ではオンス1980ドル。
一方ルーブル建てだと1770ドル。これが近い将来、ルーブルが金本位制になるための布石、と見られている。
アナリストの田中宇さんは「FRBが本当に金融緩和(QE)をやめているなら、数週間か数ヶ月以内に株や債券の大幅な下落があり、金相場が上がる。連動してルーブルも上がる。(私は米国ではM3は増加しているので、QEはやめていないと思うが)」
さて、今週の結論。
前回も申し上げた通り、ウクライナ問題の終結待ち。モタモタしている。
しかし、終了したらカラ売りの買い戻しで爆騰。
まあ気を永くしてお待ち下さい。私は強気です。
ただ、リスクはある。バイデンの発言だ。プーチン戦犯説である。メンツからも、プーチンは簡単には、侵攻を止められない。兵糧攻めに対抗するためのルーブルの金本位制で、制裁の抜け穴を作る作戦だろう。一日2兆とか3兆とかも多すぎる、まあそれでも、あとせいぜい何か月、だろう。強気説を私はやめない。
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