映画「大いなる西部」とウクライナ情勢の新展開。現在が何年かに一度の超買い場であることの証明。私の4万説。(第1132回)
ウイリアム・ワイラー監督が広大な土地とそこに生きる人々を描いた大作であり、同時に「対立」の物語でもある。1958年の作品。
東部からテキサスの牧場にやってきた男(グレゴリー・ペック)は牧童頭(チャールトン・ヘストン)から敵視される。牧場主(チャールス・ビックフォード)は隣の牧場主(バール・アイブス)は宿敵である。ペックは東部で知り合った牧場主の娘(キャロル・ベイカー)と結婚するためにテキサスに来たのだが、娘の友人(ジーン・シモンズ)と愛し合うようになる。
ペックは土地の人間にいたぶられても、怒ったり反撃しない。婚約者の娘は西部育ちなので不満だ。
伊丹十三監督の「タンポポ」がマネしたが、ペックとヘストンが深夜二人きりでトコトン殴り合い、最後に和解する。そこで娘に云ったセリフ「勇気を見せびらかす必要はない」が生きる。
現在の「対立」が、米中、それにロシアのウクライナ侵攻の二つであることに異論はないだろう。
そこでウクライナ。6月に自走式誘導ミサイル「ハイマース」が投入されて以来、戦況は明らかにウクライナ。プーチン大統領は人員15万人増員を決めたが、戦闘に加わるのはせいぜい6割。消耗した人員を埋めるのが精一杯だろう。
高額の給与が約束されているらしいが、応募しているのは中央アジアや極東などの低所得地域の兵。高度な兵器を扱える迄に時間がかかる。
長期戦に引きずり込まれたプーチン氏の苦悩は大変大きいに違いない。
次に10月に党大会を迎える中国の習近平国家主席。
チャートに示したように、国力の増大は著しく、成果第2位で米国の4分の3に達した。
問題はトランプ前政権に始まった米国の対中敵視とその存在意義を中国が認めないまま「新冷戦」に入りかけていること。
米国は、「中露は専制主義国」とし、民主主義は「正義」で、専制主義は「不義」とした。
現に日本にも「踏み絵」を思わせる要求がきている。
その恩恵として、日本には対ドル140円をこえる円安がきており、市場筋は150円もありうる、との予想もある。
(ただ、私の憶測だが、海水からウラン採取に成功すれば、対ドルで自動的に円高に進んでしまう。若村栄四さんは独自の視点から、1ドル65円を言っている。ご参考までに。)
前のブログにも書いたが、日本株は1989年の高値は抜いていないが、ここ10年ではS&Pに並ぶ高パフォーマンスを挙げている。
PERは現在12倍台。三井住友アセットマネジメントの資料によると、三年間で48.5%の利益がでる。前回も申し上げたが、現在は大きな買いチャンス。これをどうぞお忘れなく。
ちなみに、週末の日経平均は2万8214台。3年後の48.5%アップは3万9千円台になる。人のゆく道のウラを行くこそもうける王道。これもどうぞお忘れなく。
映画のセリフから。ペックとシモンズのお喋り。
「船員が海に落ちたとき、救命ボートに鮫とどっちが早いかみんなでカケをした」
「結果は?」
「どちらとも言えない。命は助かったが、脚を食われたからね。」
プーチン、習近平両氏にこのセリフを贈りたい。
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