ドストエフスキー「罪と罰」とロシアへの制裁の現状と、見直し。日本株の今後(第1136回)
今回は題とロシアが舞台、ということだけでつけた。他意はない。
10月5日、ミハイル・ガルージン ロシア駐日大使の講演を聞いた。自分たちは悪くないの一点張りで、正直云って半分は寝ていた。
鈴木宗男参議院議員が一生懸命ロシアの弁護をしていた。
私は昔のソ連時代を取り戻すためのプーチンの夢想による戦争、とウクライナ侵攻を見ている。
私はロシア経済が悪化して当然、と考えていたが、考えていたほど悪化していない。4〜6月期は前年比マイナス4・0%。コロナ禍で落ち込んだ2020年1月〜3月期の7.4%に及ばない。
ロシア中銀の4月時点の予想マイナス8%〜10%より低い。
(「みずほインサイト」9月30日付)
ではインフレの方は。
ロシア中銀は20%と予想していたが、8月は前年同月比14.3%。
みずほリサーチの主席エコノミスト対木さおりさんは、次の2つをその背景に挙げている。
- 制裁に参加していないインド、中国などへの原油・天然ガスの輸出が7月まで増加している
- ルーブルの安定と輸出の伸びで、インフレの激化が抑えられている
双日総研の吉崎達彦さんによると「ロシア中銀の女性総裁がすごいやり手だ」といっている。
確かに、ルーブル相場が落ち着いた後、早速、ロシア中銀は政策金利引き下げに入った。
4月に17%から14% へ。8月に8%、9月に7.5%と景気刺激を行なっている。
それに、西側の出したパンチがまだそれほど効いていない。
まだ「罪」に対して「罰」がイマイチ。4州の併合が強行されてしまっている。
しかし、今後はそうはゆくまい。転入依存度の大きい家電などの販売減少が大きい、自動車は8月にマイナス63.5%と減少。外資系企業の生産停止、外国産部品の不足が打撃を与えている。
私は中曽根平和研究所の最新のレポートを野村総研エグゼクティブエコノミスト木内登英さんの10月5日の対ロ追加制裁に対するコメントを読んだ。
石油・天然ガスの収入は全体の45%を占めるが、8月のロシアの石油輸出額は177億ドルで、侵攻前比で6%下回る。
前記したロシア産原油の大量顧客であった中国、インドなどが、木内さんによると需要鈍化で輸出が落ち込んでいる。
加えて価格がどんどん下がっているので、やはり兵糧攻めで効いて来る。特に年末から欧州諸国のロシア産原油の原則輸入禁止や取引額上限設定措置も始まる。
中曽根平和研究所の方だが、ウクライナへの侵攻を事前に把握して、事前に米英両国の混成部隊が派遣され、ゼレンスキー大統領始め要人の身辺擁護、心理戦、国外からの武器搬入などの準備を行なっていた。
このためロシア側の3日間くらいの短期ハイブリッド戦で、首都を制圧し親ロ政権を擁立するはずだった。
にもかかわらず、戦闘開始から10日間も3万人の大部隊が60キロ以上に当たって停止するという醜態を晒すことになった。
結論。時間はかかるが、ロシアの内部崩壊で終了しよう。
核兵器の方はタイムズ紙が警告したが、米国防省は衛星からの視察で全く動きはない、としている。(防衛省による)
一方、NY株も日本株も、私のボイスサービス「ウラ読み」で申し上げた通り、短期の反発に転じた。
何回も利上げを控えているNYは別として、日本株は9月末の2万6000円割れが底値だ。
カラ売り比率が51%台と記録的な高水準。
この売り玉の買い戻しで、明年3月に3万円大台は達成。私の強気の見通しは変わらない。
では、中期の見通しはどうか。プラザ投資顧問の伊東秀広さんによるとヘッジフアンドの空売りの買い戻しで、大幅にここ3回上昇している。
8月SQは10日から17日まで1413円の上昇。9月は1391円の上昇。そして10月は3日から6日まで1778円の上昇。
この見方からすると、11月は25日、12月は28日が買いチャンスになる。いかがですか?
なお10月30日にこのブログはお休みします。人間ドックのためです。あしからず。
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