映画「銀河鉄道の父」と米国の銀行破綻危機と国債のデフォルト。そして日本株の大台挑戦(第1172回)

映画「銀河鉄道の父」と米国の銀行破綻危機と国債のデフォルト。そして日本株の大台挑戦
2023・5・14 (第1172回)

「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ」という有名な詩を知らない人はいないだろう。作者宮沢賢治の父が、手帳から発見したエピソードは私は知らなかった。

この映画のヤマ場は、賢治の死の床で、父がこの詩を全部そらんじて、病人を励ますところ。役所広司さんの名演技で、大いに泣かされた。おすすめできる。

ご存知の通り、毎日のように米国の中堅銀行の破綻が報じられている。

シルバートゲート銀行、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、ファーストリパブリック銀行、次はパシフィックウェスタン銀行が経営危機。一方欧州では3月19日クレディ・スイス銀行(破綻ではなく経営危機→UBSに吸収)

このクレディ・スイス銀行のUBSによる買収には30億スイスフラン。この資金は実際にはサウジアラビアに渡ったらしい。

サウジ側の脅迫で、スイス中銀はさらに1000億スイスフランの流動性供給している。

一方、米国FRB側は違う方式をとった。

破綻銀行の資産である米国国債やモーゲージ値を投げ売りしていないように、満期時の額面で担保評価した。(SAIL代表大井幸子さんによる)

しかし、FRBの相次ぐ利上げで債券価格が大暴落しているので、差額分をFRB が損失として計上することになる。含み損は8000億ドルと試算されている。大井さんは1兆ドルとも。

これと別に、騒ぎが連日報道されているのが、債務不履行(対米国国債)である。米国は前科がある。1979年に、システム障害が怒り、利払いが遅れた。また、12年前にはデフォルトは起きなかったものの、格付けがワンノッチ引き下げられ、株は暴落、金は暴騰した。

6月1日にイエレン財務長官は危機が来るとした。以前からこの騒ぎは予想されており、メリル・リンチ氏は8月下旬と予想していた。

そこに私が8月下旬に「ドカ」があると見込んだ一因があった。

「政治ショー」だから、現実化しないというのが一般的な見方だ。しかし共和党の強硬派議員が何人かいるので楽観できない。

今後、成り行きを注目しなければならないが本当に6月に騒ぎが実現してしまうと、やはり「ドカ」が起きる。

日本には3回目の3万円大台挑戦が行われている。私の経験では、4回目の挑戦で重要な節目が達成されることが多い。

また肝心の日経平均の1株当たり利益が、なかなか伸びない。

従って、3万円大台の本格的突破はインバウンドが本格化する10月以降とみる。

その間の投資ですか。相変わらず大手商社株がいい。

もちろんご投資は自己責任で。

最後に、主題歌の「いきものがかり STAR」から。

「さよならメロディ 一途に口ずさむ

宝物だよ この瞬間を いつの日か 星になる」

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「ゼロ・ダーク・サーテイ」と長期では日経平均5万円の目標を私が掲げる理由(第1054回) 

面白い題だが、米国軍隊の俗語で、「未明」を意味する。アカデミー賞を含む60の賞を受賞した 名

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「TED2」とアホな日本の機関投資家

  「TED」がセス・マクファーレンという才人(監督・脚本・製作)の大ヒットで、今回

記事を読む

ジム・クレイマーの長期投資必勝講座に学ぶ

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 米国の個人投資家なら誰もが知っている投資啓蒙家がジム・クレイ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ライムライト」と底値をつけつつある株式市場

  ご存じチャップリンの名作。63歳のときの監督、主演だ。人情噺と自分のコメディのシ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「荒野の決闘」と来年のまだ注目されていない大変化の発生(第990回)

「私はクレメンタインという名前が大好きです」。ヘンリー・フォンダ演じ るワイヤット・アープのラスト

記事を読む

PAGE TOP ↑