映画「KINGDOMキングダム 運命の炎」と北京の大洪水の人災、人口の少子化、老齢化、そして銘柄

映画「KINGDOMキングダム 運命の炎」と北京の大洪水の人災、人口の少子化、老齢化、そして銘柄

2023・8・13(第1186回)

 何しろ原作は9900万部を売り、今回の映画も大ヒット。たしかに面白い。

 何しろ7国が乱立している中国を統一した秦の始皇帝の若い時代から統一まで(と思っているのだが)を画くのだから大変な大作。

 見せ場は2回。隣国の趙に人質として出されていた若き国王の脱出。馬車を追っ手が追う。「駅馬車」を思い出した。杏(あん)が脱出を手伝うヤミ商人でもうけ役。最後には死ぬが。

黒い背景に白い文字のロゴ

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出所:映画パンフレットより

 2つ目の見せ場は趙からの大軍を迎え撃つ王騎将軍の知謀。大沢たかおがこの役をつとめ、カタキ役に片岡愛之助と山本耕史。

 王騎将軍は100人の「飛信隊」という特別な直轄部隊をつくり、戦争孤児だった信(しん:山崎賢人)を隊長にする。この特別隊が相手の将軍のクビをとって秦は勝つ。

習近平の威信が崩れ始めている

昔から中国では治山治水がうまく行かなかった政権(王国)は、更代を余儀なくされる。だから皇帝の紋章である龍が治水の象徴になっている。

今回の台風5号は8月1日迄に北京市だけで4万4000人が被災し、12万人以上が避難。福建省で被災者266万人以上、直接経済損失147.5億元(2933億円)もの大被害を出した。

とくに北京での、過去600年以上水没した記録がない故宮紫禁城も冠水した(JBプレス8月4日付福島香織さん)

水の中の家

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出所:JBプレス 2023年8月4日付

皮肉なことに7月19日に「習近平の治水に関する重要論述」という本が出版された。水利部機関紙「中国水利報」に「長期間解決しなかった治水問題(習近平が)解決した」と報じた。

その直後に、福建から上海、江蘇、河北、北京、天津の至る所が水没した。メンツ丸つぶれだ。

折も折、私が以前から申し上げている通り中国経済が苦境におち入っていることが明白となった。

一例:6月30日に発表された6月の購買担当者景気指数(PMI)の、製造業が3カ月つづけて景気判断の分かれ目の50を下回った。非製造業の方は53.2と3カ月連続して50を上回ったが前月比1.3ポイントの下落。

野村総研エグゼクティブ・エコノミスト木内登英さんによると「中国経済はまさに内憂外患の様相にある」。

中国人民銀行は6月に10カ月ぶりに利下げに踏み切った。しかし、金融緩和が資本流出を加速化させ、人民元の下落を促している。

一方、国内政策も手詰まり感が濃厚である。大型のインフラ投資で需要を押し上げるという従来型の手法は、産業や不動産における巨大な供給過剰を招いている。香港の有力紙サウスチャイナモーニングポストは、日本と同じバランスシート不況になりつつある、とした。

ダイアグラム

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出所:マンデー・ミーティング・メモ 2023年7月18日(vol.741)

 野村総研 リチャード・クー

「バランスシート不況」を言い出したリチャード・クーさんは「これに加えて、人口の老齢化と減少がある。つまりバランスシート不況と構造問題がダブルで中国に下押し圧力を加えている」。

さて、経団連のお偉いさんが目をむくだろうが、悪いことはいわない。はやく中国から逃げ出しなさい。

おわりに、日本。かねて申し上げているように「ドカ」がNY発でやってきた。木をみて、森を見ずだ。

改めて注目銘柄3つを申し上げる。低PBR、増益率大。

①東急不動産ホールディングス(3289) ②神戸製鋼所(5406) ③横浜ゴム(5101)

これに三菱重工業(7011)対ドローン兵器の開発、PER10倍、最高益。

(ご投資は自己責任でお願いします)

 なお、49冊目の拙著が出ました


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