映画「リボルバー・リリー」とNYの「ドカ」、日本株の割安性と底値、目標(目先の)高値
映画「リボルバー・リリー」とNYの「ドカ」、日本株の割安性と底値、目標(目先の)高値
2023・8・27(第1187回)
出所:映画パンフレットより
初めに先週の休刊についてお詫びを申し上げる。何カ月か前にサントリーホールでころんで頭を打った。頭ガイ骨と脳の間に血が溜まった。8月16日にプールの開場を待っているうちに気を失って、救急車で病院に担ぎ込まれた。
頭ガイ骨を1.5センチ明け、100ミリリットル(コップ半分強)の血を取った。手術は1時間で完了し、6日間の入院で退院した。プールに行くのもOK!
たまたま、この8月27日は誕生日だ。88才! どうぞ私を「翁」と呼んでください。
ところで、自慢をひとつ。かねてから口をすっぱくして申し上げてきた。米国発の「ドカ」が発生した。
原因①フィッチの米国国債格下げ
原因②米国政府の赤字補てんのため1兆ドル近い短期国債発行。このため政府発行の米国国債の利回り上昇(価格下落)。民間債のクラウディング・アウト。
これに加えて、中国のインチキがバレたのが響いている。政府保証債を不動産企業に与えたのが好影響を与えればいいが、まだとても見通しはむずかしい。
NYの下げは8月1日対8月24日でわずか4,4%値幅で1553ドル。これじゃあ下げ完了とはいえない。
フィッチひとつをとっても、12年前の経験では9%、2カ月下がった。私が信頼するテクニカルアナリスト箱田啓一さんによると「9月末から11月にかけて上昇トレンドへ」となる。やはり、来9月いっぱいはダメらしい。
一方、日経平均の方は同氏によると「9月13日から22日にかけて反騰のきざしが見られる」とのこと。あと3週間はガマンの子だ。底値は3万1000円の大台で止まる公算が4割。3万円の大台を守る可能性が6割。
改めて注目したいのが、日本株が割安なこと。グラフはTOPIXの割安さである。
チャートは野村アセットマネジメント「投資環境レポート VOL303号」からとった。
TOPIXが上昇しているにもかかわらずPERは下方にとどまり割安さが増している。
この支えは有力国の中できわだって高い企業収益の伸びにある。誰の目にもはっきりしている。
インバウンドの増加。中国の団体旅行解禁がある。年間換算ではインバウンド需要が2.0兆円増加する。(第一生命経済研究所首席エコノミスト熊野英生氏の8月10日レポート)。
中国人の1人当たり消費額は2023年1~3月で67.5万円だった。
加えて①日銀の緩和的な政策による円安、②輸入物価の大幅な低下、③賃上げによる消費拡大期待、④低PBR企業に対する東証の改善要請と莫大な自社株買い、などなど。
私が全力を挙げて外国人機関投資家に取材したところ「10月に3万5000円」と言っている。気の早い向きは「9月末」とも言っている。ご参考までに。
押し目になったので注目銘柄を3つ。
①ダイキン工業(6367)、②信越化学(4063)、③住友商事(8053)。
忘れるところだった。「リボルバー・リリー」について、ひと言述べる。
何しろ私は綾瀬はるかの大ファンで、いつでも元気をもらえる。映画としては、出来こそイマイチだが、アクションのシーンがみんないい。綾瀬さんを観ているだけで楽しめる。
関連記事
-
基本の話by前田昌孝(第30回、配当利回りの意味)
再投資や課税の有無で差異 2024年から衣替えした少額投資非課税制度(NISA)では、成長投
-
急落時には安値を拾う
ギリシャは影響少だが中国の大幅減速は世界景気に波及
木村喜由のマーケットインサイト市場には不思議と波乱になったり、最安値、最高値を付けに行くような極端な値動きをしやすい時間帯がある。
-
ラマニノフ「ピアノ協奏曲第二番」と中国の地盤沈下。日本の復活。そして株高
ラマニノフ「ピアノ協奏曲第二番」と中国の地盤沈下。日本の復活。そして株高 2023・9・24
-
基本の話by前田昌孝(第14回)
<SMBC日興証券事件の本質> 「相場操縦事件」として報じられているSMBC日興証券の不正取
-
投資の羅針盤
ココ債は株式よりハイリスク日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 年初来、世界的に株価が急落、日本株も海外投資家の主導で株価の