市川團十郎「平家女護嶋」と、「もしトラ・ショック」。かつてのバブル株高と今回との比較。注目銘柄

市川團十郎「平家女護嶋」と、「もしトラ・ショック」。かつてのバブル株高と今回との比較。注目銘柄

2024・1・28(第1210回)

テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明

<パンフレットより>

新橋演舞場に久し振りに行った。團十郎の演技が深味をおびて来たのを目の当たりにした。ごく一例。俊寛僧都が船に別れを惜しむ有名な場面で、背中で淋しさを表現した。凄い。

平家のおごりが、次の源氏の興隆を生んだことは誰でも知っている。大きな時代の変革がいま、起きようとしている。これもはっきりとして来た。

たとえば、ドナルド・トランプ前大統領の復活が相当な確率で起きようとしている。

終了したダボス会議でも「もしトラ」が、かなり警戒的なムードで参加者の間で語られたという。

さもありなん。財政拡張政策による所得税減税と対中国最恵国待遇の撤廃、そして輸入関税10%の上乗せなどがいわれている。

特に注目されるのが、より拡張的な財政政策。一方、トランプ前大統領は景気支援のためのドル安を希望している。FRB議長は再任されない。

私の知っているファンド・マネージャーは「ドル安、株安、債券安」が発生すると懸念している。若林栄四さんが日本について「円高でしかも株高」「米国株は暴落」と予測しているのと一致する。新高値のNY株は割高なのが目につく。新高値となったからこそ、なお私は警戒的だ。

一方、日本はどうか。業者の方に聞くと、30代、40代のこれ迄にない若いクライアントが増えている、とか。

これも、さもありなん。人と統計をみると良く分かる。

グラフ

自動的に生成された説明

<日経平均株価:株探より>

1989年末のあのバブルのピーク時に20才以上の人は現在人口の45%。ということは55%の人はバブル以降の下げしか知らない。今の株高を少しも怖いと感じていないはずだ。

2千兆円の個人金融資産に占める株式は、恐らく8~9%に達している。3、40才の年代は以前から安く買った株を利食い、押し目を再び買って資産に一部を回しているに違いない。だから、個人は株数ベースでは買い越しである。

市場の構造も違う。89年当時、四大証券が市場取引の70%を占め、法人の財テクによる特金、ファントラ相場だった。

今は70%が外国人の買いによる取引である。主力は米国勢。だから、ウォーレン・バフェットの大手商社株買いが注目されるし、また、私が主張する「新冷戦による対日重視姿勢の高まり」が市場のテーマになるわけである。

案外、4万円説論者が見逃しているのは、米国人のダウと日経平均との意識の差である。

考えてみたらいい。米国内の野球でも「ワールド・シリーズ」というじゃないか。日経平均が、NYダウを抜くのは、長期的にはありうるが、あり得ないと考える。少なくとも目先は、日経平均がNYダウよりも高くなることは、ない。

となると3万8000円止まり。現在から1割高にも満たない。やはりここは銘柄で勝負すべきだが、とりあえず銀行株がいい。押した日でもこの一角は、強い。

では、皆さん、GOOD LUCK!

★2024年2月1日に新刊が発売されます!★

『日本経済大復活 GOLDEN CHANGE』(Gakken)

テキスト

低い精度で自動的に生成された説明

(今井澂著、216ページ、1600円<税抜>)

2024年からの日本経済は「ゴールデン・チェンジ」と呼べる大変化を遂げ、半導体やインバウンドを牽引車に成長路線に回帰します。日経平均株価が6万円を目指す流れを詳細に解説しています。オススメ10銘柄つき。通刊50冊目の記念の書です。是非お買い求めください(→アマゾンでの購入はこちら)。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「運び屋」と老人社会、「21世紀はバイオの時代」とする私の主張、そしてモデルナ、ファイザーと日本のバイオ株 (第1041回)

 88歳のクリント・イーストウッド氏が監督・主演した2018年制作の作品。NHKを含めたBSでしば

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「決算!忠臣蔵」とトランプ再選と安倍四選(第988回)

まことに楽しい時代劇コメディーの佳作。大石内内蔵助が残した請払帳を分析した山本博文著「『忠臣蔵』の

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「13デイズ」とコロナ危機と中国政変。そしてワクチンで2か月3倍の或る銘柄 2020・5・17 (第1012回)

 1962年の「キューバ危機」を取扱った作品。そう書いてもご存じの方はもう少なくなったんだろうなあ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「シン・ウルトラマン」とロシア戦費の枯渇。したたかな日本経済。日本株の6月末の買い場を狙う作戦。(第1120回)

興行収入が素晴らしいと聞いた。かつて、私の息子たちに「ウルトラマン」の主題歌を歌ってやった記憶から

記事を読む

こんな金融商品にご用心
実は高いクラウドファンディングのリスク
未公開株の解禁は時期尚早【下】

楠本 くに代 金融消費者問題研究所代表 前回、英国の金融規制機関であるFSA(現FCA)が、かねて

記事を読む

PAGE TOP ↑