大河ドラマ「光る君へ」と「もしトラ」の意外に低い確率。そして新高値の日経平均のこれまた意外な内容。最後に注目銘柄
大河ドラマ「光る君へ」と「もしトラ」の意外に低い確率。そして新高値の日経平均のこれまた意外な内容。最後に注目銘柄
2024・3・3(第1215回)
第1回で紫式部の母を、藤原道長の兄が槍で殺す。第10回では紫式部と道長と枕を交わす。何とも破天荒なドラマだが、戦場シーンなどのアクションが入らないため、ストーリーを思い切ってドラマタイズしたのだろう。
この中で、上級貴族と下級貴族の身分の差が、現代では考えられないほど巨大なことに驚かされる。
現代のアメリカは、勝者と敗者の差がひどく拡大している。いまの経済マスコミは「もしトラ」一色だが、よく調べてみると、とてもトランプ2.0なんて言えない。
<出所:RealClearPolitics>
チャートの示す通り、トランプが有利といっても差はきわめて少ない。
加えて、先週も申し上げた通り、40年間つまり10回の大統領選挙のうち9回予想を的中させた「現代のノストラダムス」アラン・リットマン・アメリカン大学教授は、自ら開発したモデルで「現在のところバイデン大統領が若干優勢」とした。
「このモデルは▽執権党の立場▽予備選▽候補が現職かどうか▽第3の候補▽短期経済成果▽長期経済成果▽政策変化▽社会不安▽スキャンダル▽外交・軍事失敗▽外交・軍事成功▽現職者のカリスマ性▽挑戦者のカリスマ性--など計13項目で構成されている。
これまでのところではバイデン大統領が5項目、トランプ前大統領が3項目で点を取っているとリットマン氏は説明した。
リットマン教授は「バイデン大統領が再選に挑戦する現職大統領であり、所属する党がバイデン大統領の候補指名を巡り深刻な挑戦には直面しておらず、主な政策変化を断行してきた点で、候補が現職かどうか・予備選・政策変化の項目で有利だ」と詳しく解説した。
また「過去4年間で1人当たりの実質経済成長率は以前の大統領の2任期(2012~2020年)間の平均成長率と同じか、それよりも高かった点で『長期経済成果』項目でも優勢だ」と説明した。
あわせて「共和党の候補はカリスマ性もなく、国民的英雄でもない」とし「挑戦者のカリスマ性」項目でバイデン大統領に点数を与えた。
反面、トランプ前大統領に対しては「所属共和党が下院で多数党である点(執権党の立場)、バイデン大統領もカリスマ性がなく国民的英雄でもないという点(現職者のカリスマ性)で点を与える価値はある」とし「また、バイデン政府で主な外交・軍事的成功を挙げるのは難しいことであるから『外交および軍事成功』項目でも点を与えることができる」と話した。
リットマン教授は1984年大統領選でロナルド・レーガン大統領の再選を予測した後、10回にわたってジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、バラク・オバマ、トランプ前大統領とバイデン大統領などの当選結果を正確に予測した。
特に2016年大統領選挙でヒラリー・クリントン元国務長官の当選を有力視する世論調査が多かった中、リットマン氏は最後までトランプ当時共和党候補が当選するという立場を崩さなかった。
そのような彼も1回だけ予測が外れたことがある。それがジョージ・W・ブッシュとアール・ゴアが競い、票の数え直し論争にまで発展した2000年大統領選だった。」(2月8日付「中央日報」より)
以上「もしトラ」が少々早トチリであることを述べた。3月5日のスーパー・チューズデー以降、再び検討したい。
一方、新高値については筆者ですら、225種の内容の変化をよく見ないと実体をあらわしていない、と考える。外国人機関投資家が「日銀のETFだけで4000円はカサ上げされている」といっている。ほんの一例。
もっとくわしくは、日本個人投資家協会常務理事の木村喜由さんの意見を引用する。
「いつものように時価総額ベースとインデックスベースで日経225の株価指標を比較してみよう。日経新聞に書かれている予想PERは前者で、16.47倍になっている。筆者の計算では今後の増額修正を見込んで15.79倍となっている。時価総額650兆円に対し純利益は今期41兆1563億円、来期38兆6130億円としている。株主資本は441兆4416億円でPBRは1.473倍である。1年間の実績配当利回りは2.179%。
これに対し後者では、225銘柄のみなし株価合計は1,174,107円、一株利益EPS合計は49,885円、配当金は19,002円、株主資本は556,657円なので、予想PERの今期23.54倍、来期24.52倍、PBR2.109倍、配当利回り1.618%である。実際に投資して直面するのはこちらの数字であり本当のプロはこちらしか見ていない。各指標は時価総額ベースより43-49%より割高になっている。
さらに、89年末当時から継続している132銘柄と、新規採用組の93銘柄とで指標を比較してみよう。株価、配当、EPS、資産価値の順に並べると、前者は404,033円(構成比34.4%)、8215円、24,282円、252,137円なので、配当利回り2.033%、PER16.64倍、PBR1.602倍。
新規採用組は770,044円で全体のほぼ3分の2、以下10,787円、25,603円、304,520円なので、配当利回り1.401%、PER30.08倍、PBR2.529倍。だいぶ高いなあ。2000年4月の大量入替時に値がさ電機が大量に入り、その後も指標の高い超値がさ銘柄が入ったので、こんな数字になっている。
さらに切り口を変えて、みなし株価上位15位までのうち新規採用組13銘柄とその他212銘柄を比較してみよう。13銘柄合計で534,545円、これだけで構成比は45.5%で半分近い。配当利回り0.933%、PER47.83倍、PBR3.581倍で文句なしに割高だ。
割安銘柄は依然として割安感が残っている
残りの212銘柄の合計は、株価639,562円、構成比は54.5%で半分強でしかない。配当利回りは2.191%、PER16.52倍、PBRは1.570倍だ。これならまだ割高感は乏しく、タイミングあるいは個別銘柄を捉えて買い増ししてもよい水準といえるだろう。」(木村喜由のマーケット通信特別公開版より)
さて、割安でチャート上イケそうな注目銘柄を五つあげよう(ご投資はご自身のリスクでお願いします)。
①ビューティガレージ(3180)、②アイル(3854)、③愛知製鋼(5482)、④システムリサーチ(3771)、⑤北國フィナンシャルHD(7381)
以上です。皆さん頑張ってください。GOOD LUCK!
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