ホワイトハウスの大ゲンカの影響とわが国経済の体質変化。それに株価の見通し
2025・3・9(第1263回)

<NHKニュースより>
2月28日。あのTV中継には、世界中が驚いたに違いない。米国の正副大統領とウクライナのトップがどなり合ったのだから。
ウクライナ戦争は、影響力の大きい戦いである。
ジョージ・ソロス氏のレターによると、「世界を苦しめている米国の原因のトップは人工知能、第二は気候変動、そして第三はロシアのウクライナ侵攻」というくらい影響力が大きい。そこにこの2国の対立が起きた。
ただ事ではない。
私には不審なことがある。ウクライナに埋蔵されているレアアースの過半は、ロシアが占領・併合したクリミアやドンバスに存在している。また米国の学者の一部には、採算のとれるレアアースはないという見方さえある。
停戦はゼレンスキーのリーダーシップで進行しそうだが、この見返りがないことがないことが、トランプを満足させられるかどうか。
もちろん、ロシア側も停戦したい。
一方、連日、トランプの関税、それに対する報復関税のテーマが報じられている。世界的に大悪材料だからだ。説明は、いらない。株価をみていれば、わかる。
日米の株式市場では連日下げが続いている。しかし、わが国の体質変化は、そうした打撃を軽減する。そこいらを売り方は見落としている。
「インバウンド+ハイテク+コンテンツ」が産業界。これに「投資立国」が加わった形で、わが国は伸びてゆく。新しい日本、である。
三井住友信託銀行の最近のレポートから引用するが、「日本の外需獲得手段は輸出から投資に変わっている」と論じている。

対外直接投資(FDI)による収入は2024年に23兆円に達した。インバウンド収入8兆円のほぼ3倍に達している。

先般の日米首脳会談で石破首相が1兆ドルに対米投資を引き上げると表明したが、トランプ政権の意向に沿うというよりも、むしろ日本企業が自ら進めようとしている目標といえる。
さて、ここから先は「いつ、いくらで底値を打つか」にしぼられる。ここは信頼するテクニカル・アナリストの出番である。
宮田直彦さんは、3万5000円(私はもう少し上と思うが)、次の高値は4万3000円~4万5000円としている。また箱田啓一さんは3月10日ごろから反転に入り、12日に戻り高値。3月24日に次の底値をつけ4月1日に高値をつける、としている。
伊東秀広さんは、「基本的には三角保ち合い」で、いずれは4万2426円を目指す、としている。
木村喜由さんは「日本株はバブルからほど遠い位置にあり、予想PERは14倍台と安い」としている。割安さに注目している。
さて、銘柄である。週足が「買い」を告げている銘柄を4つ、挙げておく。いちよし証券の高橋幸洋さんによる。
① IHI(7013):防衛関連銘柄。PER12倍台。
② 松田産業(7456):電子部品で、スマホなどから金を採収する金高関連、PER8.8倍。
③ オープンハウス(3288):自社株買い、PER7.8倍
④ イオン(8267):PERは67.8倍と高いが、京成電鉄と提携して、同社所有の駅前の立地を開発してゆく。早速、津田沼の開発開始。
以上だが、今回、中国株が上昇している。米国は身内の同盟国を叩いており、米中対立は中国有利、ついでにHF(ヘッジファンド)は欧州も買っている。



<3点とも、第一生命経済研究所 経済調査部3月5日付リポートより>
要するに米・日の株はウリ、中国・欧州カイという構図である。覇権争いで、自殺ゴールをトランプ氏は打ち込んでいるのではないか。
ま、それでももうけはもうけ、4銘柄を(自己責任で)狙われて、ハッピーな春をお迎えください。
関連記事
-
-
ジム・クレイマーの長期投資必勝講座に学ぶ
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 米国の個人投資家なら誰もが知っている投資啓蒙家がジム・クレイ
-
-
日本人が知らない中国投資の見極め方【3】
香港―上海直通列車で上がる株(上海編)アナリスト 周 愛蓮 前回分で書いたように、香港証券取引所と上海証券取引所の株式の相互売買が、来る
-
-
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能 性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 (第1167回)
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 20
-
-
映画「THE CREATOR/創造者」とトランプ第2期。岸田政権の寿命。そして注目株
映画「THE CREATOR/創造者」とトランプ第2期。岸田政権の寿命。そして注目株 202
-
-
【初・中級者向き】 映画「グランド・イリュージョン見破られたトリック」とトランプと中国
2016・7・31 一昨年、世界的ヒットとなったマジック映画の続





