映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」と「プリゴジンの乱」の今後。中国不動産バブル崩壊の行く末。それに日本株の底値と新高値。
映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」と「プリゴジンの乱」の今後。
中国不動産バブル崩壊の行く末。それに日本株の底値と新高値。
2023・7・9(第1180回)
80歳になったハリソン・フォードが主演しているし、興行収入も大ヒット。しかし内容はどこかで見たシーンの連続で、見ている間はハラハラさせられたが、終わって見れば何も残らない。凡作だ。おすすめできない。
「プリゴジンの乱」はまだ進行中で、とても読めないが、中国の人民日報の姉妹紙である「環球時報」が、6月25日(「プリゴジンの反乱」は6月23日)でこう報じた。
「プーチンは「裏切り者」を批判し、「武装暴動を組織した人々の排隊」を要求した。しかしプリゴジンはベラルーシに行き、プリゴジンに対する刑事訴訟は取り下げられた。」
6月28日の「環球時報」は、「プリゴジンの反乱」の背景に金銭問題があるとして、次のように述べた。
「ロシア政府は、ワグネルに1年間に860億ルーブル(約10億ドル)を支払っていた。この他の食料やケータリングの9億4000万ドルを加えると、ほぼ20億ドルが支払われている。一方、ロシア政府はワグネル含む民間軍事会社をロシア正規軍に加盟する手法を、進行させていた。プリゴジンひとりが反対していた。」
私が思うに、プーチンはプリゴジンを貶めることで、自分の許判を高めるのを狙ったのだろう。ただ、「乱」の時、自宅の地下壕に隠れていた、と云う。なんとも器の小さい男という印象を与える。
一方、プリゴジンを支持していたロシア軍の副司令官スロピキンが、当局に拘束されその後行方が分かっていない。
私が注目しているのは、ベラルーシにいるワグネル兵2万5000人の動向が分かっていない。戦術核を使うとベラルーシ大統領は脅かしているが、これもまだわからない。あと、2、3週間のうちに何か起こる。
そこで事態は急展するに違いない。
さて、第2のテーマの中国経済の行方、である。
嘉悦大学教授の高橋洋一さんによると、中国経済は実質成長率マイナスで、デフレ突入寸前。失業率も若年層(5月)は20.8%と統計始まって以来の悪環境を物語っている。
高橋さんに「不動産投資は1〜5月で前年同期比7.3%減。」
このような経済状況になっているため、富裕層の流出が続いている。
では、10ヶ月ぶりの利下げをふくむ景気刺激策の効果が期待できるか。
私の答えは、「ダメ」だ。
理由はカンタン。何年か後に、暴発する不動産バブル崩壊による不良資産の消化に、低金利のもたらすメリットは極めて小さいからである。
私は以前にも述べたが、日本で不動産バブルが崩壊して不動産の不良資産化が始まったのが1991年。公的資金を投入したのが1999年。実に9年の時差があった。
中国も同じとするとあと7、8年ある。まあ、時限爆弾と考えた方がいい。
経団連のお偉いさんが目をむくだろうが、やはり対中投資は手を引くべきだ。
最後に、目先の相場。
プラザ投資顧問の伊東秀広さんによると、次の通りだ。
「3万3772円がごく目先の天井。先の新高値更新はあるが、目先の底値は3万1879円。7月10日のETFによる配当支払いのため1.2兆円の売りをヘッジファンドが先取りして売っている。あと1000円の下げがあるが、その底値で買ったらいい。」
新高値を取るのが心配な人は、次の事実に注目すべきだ。(7月6日付プルンバーグ)
「4〜6月の海外投資家の日本株買い越し額は9兆4944億円。」
「4半期ベースでは2005年10〜12月期の8兆9872億円を上回り、データが遡れる1996年以来の最大値を更新した。」
目先の下げで、ガックリしてはいけません。明るい将来が待っているのですから!
関連記事
-
-
基本の話by前田昌孝(第43回、好転する投信の運用)
内外の株式相場の上昇に支えられ、7月に入って公募投資信託の運用成績が急速に好転しています。筆者が動
-
-
木村喜由理事のコメントが『日本経済新聞』(2016年6月4日付け)に掲載されました
ご報告が遅れましたが、6月4日の『日本経済新聞』朝刊の20面「投資機会 開示資料で把握」という記事に
-
-
基本の話by前田昌孝(第25回、オルカン一択で失うもの)
全世界の株式を組み入れるインデックス運用の投資信託が脚光を浴びています。少額投資非課税制度(NIS
-
-
【初・中級者向き】映画「後妻業の女」と自分年金の決心
2016・9・4 黒川博之の原作が面白かったし、何といっても大竹しのぶが悪女を演ずるの
-
-
「米中関税戦争」の終了と米国の覇権の行方
2025・5・18(第1273回) <トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席&