なぜウォーレン・バフェット氏はNY株を売っているのか? 日本の大手商社はどうか?
2025・6・(第1275回)

<ウォールストリート・ジャーナルより>
はじめにお断りしておく。バークシャー・ハサウェイの資料は、元日本経済新聞編集委員の前田昌孝さんによるものである。

<マーケットエッセンシャルより>
私はバフェット氏に大昔、ウォールストリートに彼がいるとき、一緒にお茶をのんだ記憶がある。前田さんの方は聞いていないから分らないが、完全に理解して資料を書いている。購入していない向きは一読をおすすめする(リンクはこちら)。

<マーケットエッセンシャルより>
チャートにある通り、2022年は年として買い越しだが、2023、2024年は売り越し。ただ25年は売り越しには違いないが、ほんの小幅にすぎない。
バフェット氏がいかにすぐれた投資家であるか、はS&P500に1964年から2024年末までのリターンは10.4%だった。これに対しバークシャー・ハサウェイ株のリターンは、実に19.9%(それぞれ年率換算)。
長期でたしかにコア銘柄として長期にもっているものもある。アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、ムーディーズなど10銘柄が20年以上保有している。
しかし、前田さんの計算では1銘柄当たりの平均保有期間は4.63年にすぎない。保有している全208銘柄のうち、5分の1にあたる45銘柄は買ってから1年以内に売却している。
では短期投資なのか。2024年12月末現在保有期間は1年未満の銘柄が占めている。つまりイメージとしての“長期投資家ウォーレン・バフェット氏”は、実は違うのである。
売りが(私の憶測では)先週述べたように「米国以外何でも」とか、怪しげな投資ルールがまかり通り始めたので、警戒して売りに出たのではないか。

<マーケットエッセンシャルより>
では、日本の商社はどうか。ハサウェイ氏が引退を表明したいま、後継者の判断をみなければ分らない。しかしわざわざ90才の老人が日本にやって来てまで買ったのだから押し目買いで手持ちをふやすことをおすすめする。
では皆さん、GOOD LUCK!
関連記事
-
-
インバウンド復活を軸に4万5000円に向かって走り出した日本株。明年の米国大統領選挙の予想
インバウンド復活を軸に4万5000円に向かって走り出した日本株。明年の米国大統領選挙の予想
-
-
日本人が知らない中国投資の見極め方【3】
香港―上海直通列車で上がる株(上海編)アナリスト 周 愛蓮 前回分で書いたように、香港証券取引所と上海証券取引所の株式の相互売買が、来る
-
-
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能 性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 (第1167回)
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 20
-
-
映画「マネーボール」と日銀保有のETF処理と資産所得倍増プランの行く末。投資作戦のベター(?)な案
2024・5・19(第1225回) <ソニーピクチャーズのサイトより> ブラッ
-
-
シェイクスピア「マクベス」とこれから始まる中国の覇権戦争勝利と、ここで狙いたい銘柄 第1038回
「キレイは汚い、汚いはキレイ」と唱える三人の魔女の予言に導かれて、主君ダンカンを暗殺して王位を奪