トランプ新税制のわが国へ影響。台湾への中国本土からの攻撃の時期、最後に円安サマサマ発言を検討する
2026・3・1(第1314回)

<毎日新聞より>
「一般教書」をTVで観ていた。感想は「よくもこれだけオイシイ話を並べたなア」というものだった。
新関税の方は、日本人としてもちろん多大な関心をもたざるを得ない。
野村証券金融ITイノベーション事業本部のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの資料を使わせて頂く。
「新関税への移行の経済効果は国によって異なる
2月20日に米最高裁が緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税は違法との判断を示したことを受け、相互関税は2月24日米国東部時間0時1分に失効する。税関(CBP)も 2月24日から関税の徴収を停止する(コラム「最高裁による違法判決でトランプ関税の不確実性が再び高まる。関税全体の合法性が問われ、関税の行き詰まり感が強まる方向」、2026年2月24日)。
一方トランプ政権は、24日に相互関税に代わる、通商法122条に基づく新たな関税を全ての国に対して10%の水準で導入する。さらに、時期を明示していないが、その関税率を15%まで引き上げる考えも示している。
日本の相互関税率は15%であることから、新しい関税率が10%となれば、関税率は引き下げられることになる。それは、実質GDPを1年間で+0.125%押し上げる計算となる。ただし、早期に関税率が相互関税率と同じ15%に引き上げられれば、プラスの経済効果はほぼ生じないことになる。
他方、相互関税に代わる新関税の導入が経済に与える影響は、国によって異なる。相互関税が10%よりも高い国には、新関税の移行は関税率を引き下げ、プラスの経済効果をもたらす。例えば、カナダ(相互関税率:35%)、メキシコ(同25%)、中国(同30%)、EU(同15%)、韓国(同15%)、台湾(同20%)、ベトナム(同20%)などである。
一方、英国は10%の相互関税率であり、その他多くの小国も相互関税の一律部分である10%が課されている。そうした国にとっては10%の新関税に移行しても関税率は変わらない一方、それが15%に引き上げられれば、マイナスの経済効果が生じることになる。」(&N未来創発ラボより)
「貿易加重平均で見た相互関税率は、現時点で21.2%と計算される。従って、これが10%あるいは15%の新関税に移行すると、世界の平均関税率はその分低下し、世界経済にはプラスの効果をもたらす。
そこで、経済協力開発機構(OECD)によるモデル計算結果を用いて、新関税への移行が主要国の実質GDPに与える影響(3年間の累積効果)を試算した(図表)。
世界の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.31%、15%に修正される場合には+0.17%となる。
経済効果が大きいのは、相対的に高い相互関税が課せられていたメキシコ、カナダなどである。また、トランプ関税の9割は米国企業、個人が負担していると試算されるなか、関税を課す側の米国も大きめのプラスの経済効果を享受する。米国の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.81%、15%に修正される場合には+0.45%となる。
最高裁による相互関税の違法判決は、トランプ政権にとっては打撃となったが、米国経済にとってはプラスであり、それは11月の中間選挙で与党・共和党にはプラスとなるだろう。
日本の実質GDPへの影響は既述の通りであるが、それは直接的な影響を試算したものだ。OECDのモデル計算に基づく試算では、関税率の変更が他国の経済に与える影響が、輸出の変化を通じて日本経済に与える効果についても反映されている。1年間ではなく3年間の効果である。日本の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.39%、15%に修正される場合には+0.22%となる。」(&N未来創発ラボより)

(&N未来創発ラボより)
ついでに言っておく。昨年からわが国は国運上昇の40年サイクルの好循環に入っている。
次に紹介したいのは一橋大学の藤田勉教授のコラムである。この人は上智大卒で私の山一証券経済研究所の外国企業調査課長時代の新人だった。
。
山一がなくなってから、本当によく頑張ってくれた。次に紹介するのは「円安メリット」説である。
「高市首相の言う通り「円安でホクホク」である。日本は金融資産大国であり、株高と円安の大きな恩恵を受ける。GPIFの運用資産は昨年末293兆円と2020年3月末151兆円からほぼ倍増した。外貨準備は約220兆円、日銀のETF残高は100兆円弱(50兆円前後が含み益)と見られる。これが、国家財政の改善に大きく寄与している。国の連結財務諸表の最新版は2024年3月末とやや古いが、この時点の国の債務超過額は527兆円である(負債総額は1571兆円、国債などの残高は1152兆円)。2023年度の円安と株高の効果で有価証券が62兆円値上がりし、債務超過額は1年間に54兆円改善した。おそらく、それ以降の大幅な円安と株高の恩恵を受け、債務超過額は大きく減少していることであろう。円安が物価高の主因という懸念もあったが、東京の1月のインフレ率は総合が前年同月比1.5%、除く食料・エネルギーは同1.4%と、杞憂であることが確認された。自民党圧勝、高市円安で、世界の株式投資はますます儲かることであろう。」(藤田氏のFBより)
この人はNYに永かったので米国事情にもくわしい。
「円安ホクホク相場は続く。今年1月のインフレ率は、総合が前年同月比1.5%上昇、除く食料・エネルギーが1.3%(除く生鮮食料品2.0%)と順調に低下した。円安でインフレになるという心配があったが、実際には昨年1月の総合同4.0%から大きく低下した。食品の寄与度が1.1ポイントと大きいが、米の値上がりがピークアウトしたため、今後も順調に低下しよう。現金給与総額は2024年12月の前年同月比4.4%から昨年12月には2.4%まで低下した。実質経済成長率は年1%弱で推移し、景気はほぼ中立である。このように、明らかに日銀の利上げは不要である。円安の主因は貿易赤字と資本流出であり、日銀利上げなど小手先の手段で円安は阻止でない。よって、緩やかな円安が続きそうである。円安は日本株高要因でありかつ海外株式の円ベースの投資収益率を高めるため、GPIFや外貨準備の資産は大きく増えている。ということで、大円安時代を乗り切るのは、国も個人も内外の株式投資なのである。」(藤田氏のFBより)
高市首相を攻撃する向きは、必ず中国の強硬姿勢を挙げる。
これに対し私は「心配いらない」といいつづけて来た。
理由は「反日デモ」がないこと。大量の若年失業者がある状況から、デモがいつ反体制に切りかわるかも知れない。だから私は「大丈夫」といいつづけて来ている。
加えて中国軍の軍幹部の汚職が拡大、軍幹部の粛清が進行中。
「中国政府が最近、軍最高幹部に対する調査を発表したことは、その中心に謎を秘めた衝撃的な出来事だった。最高指導者である習近平国家主席が、軍の改革を託した友人を粛清するに至った理由は何だったのか。
官製メディアの社説は、張又侠・中央軍事委員会副主席が習氏の権威を損ない、汚職を助長し、中国の戦闘能力向上を妨げたとして非難している。一部のアナリストは両者の間に政策を巡る意見の相違があったのではないかと考える一方、習氏が脅威とみなす存在を排除したかったと見る向きもあった。
秘密のベールを突き破ろうと、真相を追う一部の中国ウォッチャーはボディーランゲージに手がかりを求めている。彼らは、昨年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉会時に習主席が通り過ぎる際、張氏が習氏に背を向けている映像を指摘し、両者の関係悪化について推測している。
習氏が張氏を排除した動機が決定的に明らかになることはないかもしれない。しかし、それでも外国の学者、当局者、企業幹部たちは真相を突き止めようとしており、毛沢東時代にまでさかのぼる複雑な政治占いのような手法に頼る人もいる。
かつてのソ連政治分析「クレムリノロジー」になぞらえた「ペキノロジー(中国政治分析)」は、公式演説や文書、国営メディアの報道を精査し、言葉遣い、振る舞い、慣例とは異なる動きから洞察を得ようとするものだ。」(WSJより)
以上、世間さまがいうほど心配することはない。
では皆さん、Good Luck!!
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