その会社は投資に値するのか?
「投資のための財務分析」総集編④完
金融リテラシー講座「投資のための財務分析」第27回終
フィナンシャル・アドバイス代表 井上 明生
ここまでお届けしてきた「投資のための財務分析」の総集編として、投資の決定をどのように行うべきかを4段階のチェックポイントとしてまとめました。
チェック4 投資に値するかを考える
最後に投資に値するかどうかを考えます。これはチェック1で計算した会社の値段から見て、チェック3で想定した利益水準は投資に値するかどうかを考えます。つまり投資利回りから見て投資できるかどうかです。
投資利回りとしては、この講座第18回、第19回で書いたことがひとつの基準になります。
1つには、経常利益の水準が会社の値段から見て10%以上の利回りになるなら十分投資が検討できます。また、純利益の水準が株式時価総額から見て十分高い利回りにあるなら投資を決定できます。
まず、1点目「経常利益の水準が会社の値段から見て10%以上の利回りになるかどうか」を見てみます。
会社の値段から見た直近の経常利益の水準
167億円÷1,810億円= 9.23%
会社の値段から見た今後の経常利益の水準
140~190億円÷1,810億円=7.73~10.50%
完全に10%を超えている訳ではありませんが、この会社は投資有価証券を過大に持っており、それを考慮すると実質的にはかなり高い利回りがあると思います。(投資有価証券の半分を売却して有利子負債の圧縮または自社株取得をやれば10%は楽々クリアするはずです。)
つぎに、2点目の「純利益の水準が株式時価総額から見て十分高い利回りにあるかどうか」について見てみます。
株式時価総額から見た直近の純利益の水準
102億円÷735億円=13.88%
株式時価総額から見た今後の純利益の水準
90~120億円÷735億円=12.24~16.33%
この利回りが8%以上なら場合によっては投資でき、14%以上ならどんな陳腐な業種でも投資できるのではないか、と第19回で書きました。それでいくと、7,630円(12月30日終値)の株価は十分投資できる株価だと思います。
今回で「投資のための財務分析」は終了します。次のシリーズでは金利の考え方について説明します。
(編集部より)
井上明生さんの「金融リテラシー講座」次シリーズは近日中に連載を開始します。乞うご期待!それまでは「投資のための財務分析」全27回を第1回から復習してはいかがでしょうか。ご意見ご感想もお待ちしています。
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