「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧

「マクベス」と利上げ見送り後の“二番底”形成材料は

先週は「ヴィンセントが教えてくれたこと」「黒衣の刺客」「天空の蜂」の三本。ただ書きたいテーマとの関係でシェイクスピアにした。 四代悲劇の中では私は「マクベス」が一番好き。魔女の予言に従って野心ある猛将が王位をうばうが、それは一時のもの。反乱に倒れる。 マクベスは苦戦を逆転勝利に持ち込んだ功績を買われ、魔女の予言通り広大な領地を与えられる。戦勝祝いでマクベスの城に、国王ダンカンが

続きを見る

映画「クーデター」と急落を演出したヘッジファンドの「次」

  幼い娘二人と妻を連れて東南アジアのX国に赴任してきたジャック(オーウェン・ウィルソン)は、翌朝勃発したクーデターに巻き込まれる。白人が次から次に殺害される中で、どう一家は逃げたらいいか。言葉は通じず、右も左もわからない。リアリティのある逃亡サスペンス・ドラマだ。監督・脚本J・E・ドゥドル。 https://youtu.be/nEOLn0byoLM ヘッジファンド売り仕

続きを見る

映画「しあわせのまわり道」と急落の今後

小品だが大人の鑑賞に耐える、いい映画だ。原題は「ラーニング・トゥ・ドライブ」。人生の絶頂にいた女性が自信喪失を経て、再び生きる意義を再発見する物語。 https://youtu.be/TcoTCvtGLRA 主人公の中年女性ウエンディはNYで文芸評論家として大成功、ウエストのアップタウンに豪邸を持つ。ところが扶養していた夫が浮気相手の下に走り、高額の離婚手当と財産分与を要求、何もかも充

続きを見る

映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後

  映画の題の意味は「夜の街を這いまわる者」。事件や事故現場の刺激的な映像を撮影して、TV局に高値で売り付ける報道パパラッチのことだ。 アカデミー賞脚本にノミネートされ、公開直後の週で全米興行収入第一位の快作。主演のジェイク・ギレンホールがあのギョロ眼で、失業している若者に。良心やモラルなんかクソくらえで、のし上がってゆく。ブラック時代の成功ストーリーだ。高いテンションとある

続きを見る

映画「この国の空」と急落株価は今後どうなる

今週も戦後70周年記念映画。昭和20年夏の東京杉並の善福寺の、銃後の市民生活を画いた高井有一の谷崎潤一郎賞受賞作の映画化で、荒井晴彦監督だ。私は主演の二階堂ふみがお好みなので。 母と19歳の娘、それに空襲で夫と息子を亡くして転がり込んできた母の姉。隣家じゃ兵役を逃れて妻と子を疎開させている銀行支店長。 食べ物がなくて絹の着物と米を交換に行くシーン。空襲で防空壕に逃げ込んだり、本土決戦で

続きを見る

映画「日本のいちばん長い日」と人民元騒動の真相

  漸くマジメな映画が見られるシーズンになった。今週は「バージン・アナーキー」と「この国の空」。それに国立演芸場で桂歌丸の「怪談乳房榎」。復帰初日だったが元気そうだった。足はダメなようだが、声の張りがあった。 7%成長のウソっぱち 今週は何と言っても中国人民元の意外な切り下げ。三日続けて4%強。 びっくりした初日の下げが大きかったので、市場の反応はこの2つ。 ①4%

続きを見る

「老人と海」とFRB利上げ以後の意外な展開

ヘミングウエイのこの中編小説の傑作はノーベル賞受賞の対象となり、今でもよく読まれている。映画もスペンサー・トレイシー主演で1958年に製作された。 キューバの老いた漁師の巨大なマカジキとの3日間にわたる闘いが画かれている。この獲物は「この魚が一匹あれば一人の人間が一冬食ってゆける」値打ちがある。仕留めて小舟に魚体をしばりつけるが、帰途に血の匂いをかぎつけたサメに食いちぎられ、結局骨だけを持っ

続きを見る

PAGE TOP ↑