映画「インサイダーズ/内部者たち」とHFの作戦変更

 
私は嫌韓も嫌韓、大嫌韓。前任大統領李明博が天皇陛下に謝罪に来いというバカ発言して以来、食卓にはキムチはないし韓ドラも韓映も観ていない。しかし今回「インサイダー」を観たのは、私のソウルにいるソースから、社会派映画でいまの韓国社会を画いて歴代ナンバーワンのヒット、と勧められたからだ。

 

ストーリーはドンデン返しが多いが大手自動車会社の会長の与党の大統領候補への贈賄、その仲立ちは大手新聞の編集主幹という支配族グループ。主幹は汚れ仕事を命じていたゴロツキに裏金ファイルの回収を命じる。一方検事でコネも学閥もない、しかし出世の意欲が高い男がいて―。

高い階層だけが楽しめる性的接待(これはスゴい!)権力を利用した世論操作。学歴もなく親族に権力者もいない人間の絶望感と不満。原作はウエブ漫画で韓国社会の現実のうっぷんを晴らしたのだろう。

韓国の失業率は全体では4・9%(前年同月比0・3%悪化)だが、15~29歳の青年層は深刻で12・5%(同1・4%悪化)。

しかもびっくりさせられるのは韓国の多くの大手企業は「雇用世襲」労働協約を結んでいる。これじゃあ不満が出るのは当たり前だろう。

私は日本語版の韓国の有力紙を四つ読んでいるが、面白いのは安倍内閣に好ましくないことが起きると必ず嬉しそうな記事を書く。日銀短観とか株価の大幅下げも入っている。自分の国はヒト様のことを言えるような経済じゃないのに。

4月1日の日経平均600円安。これは産油国のSWFの売りだろう。1月、2月にこの手の月初めの大量売りが出た。機関にして2週間ぐらい下落、1月は1800円、2月は3000円近く下げた。良は2月の方が多かったらしいが、今回は日本勢のクジラは日銀のETF365億をのぞいて大きな買いの手を出していない。ちょうど首相訪米の時期でもあったし、PKOだのPLOだという一部の批判に気をつかったのかな。

私は4月1日に米国雇用統計が出てもNY株高、円レートも大きな動きがなかったのにホッとした。ヘッジファンドのドル売り(円買い)、日本株売りが少なかったのだろう。

CFTCの円買いの玉は3月3日に比べて29日には1万枚の減少。しかも大切なことは、投機筋のリスクオンへの転換がのぞけることだ。

ユーロ、ポンド、豪ドル、カナダドル、スイスフランを加えた6通貨のドル、先物買いは昨年11月下旬に40万3000枚と空前の残高。これが3月下旬に5万3000枚に縮小した。この買い残の縮小がドル安、リスクオフになった。

しかしドル売り圧力は減り、ヘッジファンドは次のリスク・オンに備え始めている。これは重要な作戦転換だ。このブログのポイントは、いつ外人が買いに転じるか、それは案外近い、ということだ。

そこにこの株安に恐らく危機感を高めた安倍政権が恐らく5月には景気対策を出すのだから、株価には効くだろう。1万8000円台の上の方までゆくのでは。
もちろん産油国SWFの株売りかもうないか、といわれれば、あるかも、になる。しかし私は×ってサウジやUAEに何回も売り込みに行った経験から、もう日本株の手持ちはほとんどないと考えている。少なくともヤマは超えた、といえると思う。

もうひとつ。日経平均の年初来12%の下げをよそにマザーズ指数が15%上昇。好調なことも注目している。また長期投資の欧米ファンドが動いた。介護サービス、N・フィールド(6077、インベスコ8%取得)やラジアルタイヤ向け不溶性硫黄の四国化成(4099、シニローダー5%取得)などで株価も軟調な中でしっかりだ。

ではイマイさん。5,6月に1万8000円台の上の方に言ったらどうなるの?まあ、その時はその時。だが私はみんなが想定している悪材料でなく想定外の何か、があると思う。別の機会に申し上げる。

映画のラストのセリフ。ゴロツキが検事と友人になって、かつてゴロツキの愛人が「もうヤバい事は止めて海外に行こうよ。浜がきれいなモルディブで、モヒート(カクテル))を飲もうよ」といったセリフを思い出す。ところが間違えて「モヒートに行ってモルディブを飲もうぜ」検事も下級生まれだから「おい、モヒートって日本にあるのか?」。となりに座っていた在日と思われる夫婦連れが笑っていたのを思い出す。

それにしてもー。本当に韓国経済は大丈夫なんだろうか?日本?大丈夫に決まってるよ。

実は3月31日夜に高熱を出して急性肺炎と診断され入院しておりましたが、先ほど退院。元気でおります。周りの方々にご迷惑を、おかけしてしまいました。お詫び申し上げます。4月5日記。

映画「インサイダーズ/内部者たち」とHFの作戦変更(第820回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

関連記事

「いまはフィリピン、フィリピン!!」
実録・投資セミナー海外不動産編①

ジャイコミ編集部 投資セミナーに行けば、販売会社がどんな投資商品を売りたがっているのか、どのような

記事を読む

中国の住宅価格にみる矛盾の破局

調べれば調べるほど、今回の中国の株価バブルがもたらすことになる様々な経済トラブルの先が思いやられる。

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「マスカレード・ナイト」と米国公的・私的年金の明年からの日本株買いの開始(第1086回)

キムタクも長澤まさみも、私のお好みなので封切り後、早速観た。 犯人が私にはすぐ分かってしまっ

記事を読む

2016年はリスク削減より利益確定が重要

日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 Vol1360(2015年12月25日) 2016年の景気

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

禅語「白馬蘆花に入る」とリーマン危機と今回の比較。そして8月下旬の「ドカ」(第1166回)

言葉で云い現せない禅の体験を、苦心して云い現わそうとする言句のことを「禅語」という。

記事を読む

PAGE TOP ↑