「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧

映画「家族はつらいよ」とヘッジファンドとクジラとの戦い

https://youtu.be/Cp4CddQWlJQ 山田洋次監督の最新作。私は「サンデーモーニング」のレギュラーだった頃TBSでお会いした。CMの間に「馬鹿」シリーズのハナ肇をほめたら、心から嬉しくそうなお顔をされて、番組が終わって名画の話に花が咲いたのを思い出す。 前作「母と暮らせば」が魂のこもったシリアスな作品だったが、今回は監督が恐らく本当にお好きなコメディ。「東京家族」の

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映画「レヴェナント 蘇りし者」とヒラリー失脚

ご存知レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、監督のハレハンドロ・イニヤリトゥが監督賞、それに撮影傷を獲得した話題作。私は試写会で観たが、2時間40分近い長編が正直言って苦痛だった。私の評価では凡作と思う。主演男優賞のレオ様もセリフは少なく、うめき声がまあ四分の三で、演技なんてもんじゃない。 ストーリーは単純。1820年代のミズーリ州。主人公グラスは毛皮を集める探検隊のガイドで、インデ

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映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」と鉄鋼株の上昇

先のアカデミー賞で作品、監督など5部門でノミネートされ、脚色賞を受賞。原作はマイケル・ルイス「世紀の空売り 世界経済の破綻にかけた男たち」で、あのリーマン・ショックにつながったサブプライムという金融システムのイカサマを見抜いた四人の男の物語だ。     3年前からあの危機を予見し、カラ売りのポジションをとり続けたというのはすごい。その期間に辛抱できなか

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映画「ヘイトフル・エイト」と私の1万9000円目標

クエンティン・タランティーノの最新作で最高傑作。先日のアカデミー賞では音楽のエンニオ・モリコーネが受賞しただけだったし、作品賞、監督賞にノミネートもされなかった。バカじゃなかろか。タランティノが自分のスタイルを極めた作品なのに。 https://youtu.be/5WJA3qPjU1w 西部劇であり本格密室ミステリーでもある。セリフの切れ味、映像の美しさ、そしてストーリーの展開では「ウ

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映画「ディーパンの闘い」と円高・株安のHF仕掛け

第68回カンヌ映画祭で最高賞を獲得した秀作。難民が滞在を許可されたのちに文化や環境、言語の違いで直面する差別やアツレキ。そこから発生する暴力的破壊を取り上げている。監督は「真夜中のピアニスト」のジャック・オディアール。 https://youtu.be/18U34kIZu38 26年間も続いたスリランカ内戦の「タミル解放の虎」の兵士で、政府軍との戦闘で妻子を失ったディーパンは赤の他人を

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チャップリン「街の灯」と株価倍増狙いの注目株

浮浪者チャーリーと盲目の花売り娘のご存じ人情物語。私はチャップリンの作品で最高傑作と思う。何といっても、あの優しいほほえみのラストシーンが素晴らしい。   盲目の娘は自分が落とした花を拾ってくれたチャーリーが、タクシー(当時は超ぜいたくな乗り物)で去って行ったと勘違い。超富豪と思い込む。一方チャーリーは自殺しようとした富豪を助け友人になるが、この人は酔うと友を思い出すが、

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名門「ドイツ銀行」のまさかの経営危機

「選択」2015年9月号 今井澂 つい3年前には総資産で世界第1位、その後中国勢にその地位は奪われたもののなお第4位。もちろん欧州で首位であり、我が国の三菱UFJフィナンシャルグループに並ぶドイツ銀行に、何とも信じがたい事件が続発、米国ヘッジファンドの信用するレポートには「第二のリーマンか」という記事が掲載される始末だ。 そのレポートは「ゼロ・ヘッジ」。概要をまずお伝えしよう。 ゼロ・

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