「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧
映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後
2015/08/31 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
映画の題の意味は「夜の街を這いまわる者」。事件や事故現場の刺激的な映像を撮影して、TV局に高値で売り付ける報道パパラッチのことだ。 アカデミー賞脚本にノミネートされ、公開直後の週で全米興行収入第一位の快作。主演のジェイク・ギレンホールがあのギョロ眼で、失業している若者に。良心やモラルなんかクソくらえで、のし上がってゆく。ブラック時代の成功ストーリーだ。高いテンションとある
映画「この国の空」と急落株価は今後どうなる
2015/08/24 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
今週も戦後70周年記念映画。昭和20年夏の東京杉並の善福寺の、銃後の市民生活を画いた高井有一の谷崎潤一郎賞受賞作の映画化で、荒井晴彦監督だ。私は主演の二階堂ふみがお好みなので。 母と19歳の娘、それに空襲で夫と息子を亡くして転がり込んできた母の姉。隣家じゃ兵役を逃れて妻と子を疎開させている銀行支店長。 食べ物がなくて絹の着物と米を交換に行くシーン。空襲で防空壕に逃げ込んだり、本土決戦で
映画「日本のいちばん長い日」と人民元騒動の真相
2015/08/18 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
漸くマジメな映画が見られるシーズンになった。今週は「バージン・アナーキー」と「この国の空」。それに国立演芸場で桂歌丸の「怪談乳房榎」。復帰初日だったが元気そうだった。足はダメなようだが、声の張りがあった。 7%成長のウソっぱち 今週は何と言っても中国人民元の意外な切り下げ。三日続けて4%強。 びっくりした初日の下げが大きかったので、市場の反応はこの2つ。 ①4%
「老人と海」とFRB利上げ以後の意外な展開
2015/08/10 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
ヘミングウエイのこの中編小説の傑作はノーベル賞受賞の対象となり、今でもよく読まれている。映画もスペンサー・トレイシー主演で1958年に製作された。 キューバの老いた漁師の巨大なマカジキとの3日間にわたる闘いが画かれている。この獲物は「この魚が一匹あれば一人の人間が一冬食ってゆける」値打ちがある。仕留めて小舟に魚体をしばりつけるが、帰途に血の匂いをかぎつけたサメに食いちぎられ、結局骨だけを持っ
映画「人生スイッチ」とサイバーセキュリティ
2015/08/03 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
何という面白いオムニバス映画だろう。アルゼンチンで史上最高の興行収入を上げたのも当然。アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、カンヌなどの世界の映画祭を次々と席巻した。ダミアン・ジフロン監督。 ブラックユーモアに満ち、想像もつかないオチ。かつてのTVシリーズ「ヒッチコック劇場」でしばしば原作となったロアルド・ダールとか、ヘンリー・スレッサーのしゃれた短編が思い出される。 https:/
映画「ジョーズ」とソロス、バフェット、ジム・ロジャーズ
2015/07/27 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
夏だ。海だ。となるとすぐ思い出すのが「ジョーズ」。1975年の大傑作だからもう40年も前で、スピルバーグはまだ28歳!「激突!」をつくったあとの第二作だ。 CGがない時代の、つくりものの鮫で、あれだけコワーい映画を作るんだからすごい監督だ。 最後は、サメの口に入ったガスボンベに警察署長ロイ・シャイダーの射った弾丸が当たって怪物はバラバラ。 ギリチューはゲームオ
怪談「牡丹燈籠」とギリチュウ・アゲイン
2015/07/20 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
机の上が資料で山のようなので整理してみた。ギリシャの方は「デフォルト必至」「脱退の連鎖」という見出し、中国の方は「中国経済に打撃」「市場原理無視」などなど。破滅論がなんと多いこと―。今となっては何となく、そんなこともあったの、という感じだ。 過ぎたギリシャ、中国はこれから 私が楽観的である続けたことご存じの通り。ロジックとしては――。 「ギリシャ問題はドイツ問題。ドイツの大手銀行が倒産保