「 投資の羅針盤 」 一覧

時価総額更新を機に日本株投資戦略を再考しよう

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 東証第一部の時価総額(終値ベース)は昨年(2015年)の5月22日に591.3兆円となり、これまでの最高額であったバブル経済ピーク時・1989年12月29日の590.9兆円を約25年ぶりに更新した。 その後、株価は低迷したものの、年末の時価総額は585.0兆円と年間では15%増え、過去のピーク時にほぼ並んだ(図1)。  日経平均株価のピーク時

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BRICS時代終焉でも過度な悲観は不必要

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 IMF(国際通貨基金)は11月に発表した今年(2015年)から2020年までの世界経済中期予測で、これまでの予測を大幅に修正した。 一言で要約すると、世界全体の実質GDP成長率は2015年の3.1%から、2016年:3.6%、2020年:4.0%へと順調に伸びるものの、①先進国のGDPは2016年の2.2%をピークとして横ばいから下降に転じ、②すでにピ

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投資の羅針盤
ボッタクリ投資信託に警鐘を

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二   投資信託の評価などを行う米モーニングスターは、本年6月に世界25カ国の投信市場を総合評価した“Global Fund Investor Experience (GFIE)を発表した。 その評価の根拠はネット上で詳細に公開されている。 わが国の投信の質は世界最低ランク 日本のGFIE評価は以前から低かったが、今回は前回よりもさらに

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ジム・クレイマーの長期投資必勝講座に学ぶ

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 米国の個人投資家なら誰もが知っている投資啓蒙家がジム・クレイマーである。 その著作の“Get Rich Carefully”の邦訳版が「ジム・クレイマーのローリスク株式必勝講座」(宝島社刊、1,900円)と題して本年初めに出版された。 509ベージに及ぶ大著ながら、元野村総研・井出正介氏の手による名訳で読みやすい。 長期投資でリッチにな

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知っておきたい債券税制の改正点

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 2016年1月から債券・債券投信についての税制が大幅に改正され、証券一体課税がようやく実現する。預金利子は含まれないので、金融取引一体課税とは言えないものの、証券取引についての税制が一本化されるのは画期的である。 個人投資家にとっては、これまでは非課税であった債券の譲渡損益に課税されるなど不利な面もあるものの、債券の利子などを株式の売買損益などと合算し

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「株式上場詐欺」には重罪を

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 新規株式上場(IPO)が復調し、1~6月で43社が新規に上場した。年間で73社が上場した2007年来の高水準で推移している。年内には日本郵政3社の大型上場も控えている。 ところが、2012年以降のIPO236銘柄の中で今年8月末株価が公募価格の2分の1以下に下落しているケースを拾ってみると、16銘柄に上る(表1)。 また、IPO企業の3分の2(本

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不正会計に対する監査機能不全
これは東芝だけの問題か

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 2001年に発覚したエンロンの破綻は米国の企業統治史上最大の事件であった。 エンロンは将来十数年にわたって得られるかも知れない期待利益300億ドル強を現実の利益として前倒し計上することにより、投資家を欺き、私腹を肥やしてきた。つまり、これは「詐欺」であった。 エンロンを担当していたアーサーアンダーセン監査法人の公認会計士デビッド・ダンカンは発覚後に関係書

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