「 投資の羅針盤 」 一覧

日本は「ROE最貧国」から脱出できるか?【上】

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 昨年6月に閣議決定された新成長戦略(「日本再興戦略」改訂2014)は、わが国の株式市場に大きなインパクトを与えた。 この新成長戦略では、「上場企業のガバナンス強化によるROEの向上」が「いの一番」に掲げられたからである。 この提言では「日本企業の稼ぐ力、すなわち中長期的な収益性・生産性を高め、その果実を広く国民に均霑(きんてん)させるには何が重要か。

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国民皆保険の徹底を
企業にも医療保険の提供を義務付けるべき

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 今回は医療保険(健康保険)制度の問題点をテーマとして採りあげたい。 共助と公助を旨とする社会保険では負担公平の原則を徹底することが肝要であるが、この原則が大きく崩れてきている。全国民に保険加入を義務化するとともに、企業にも保険の提供を義務付けなければ社会的公平は維持できない。 従業員への保険費用を削るなど社会的責任を果たさない企業は、短期的には利益を

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NISA開始から1年を迎えて提言
恒久税制化と限度額引き上げは必須

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 昨年1月に鳴物入りで発足したNISA(少額投資非課税制度)。年間100万円までの投資については、譲渡益と配当にかかる20%の源泉課税を免除することで、個人の投資を促そうという狙いが同制度にはある。 しかし、証券会社や銀行に新規にNISA口座を開設した人数は2014年の1年間で482万人に達したが、実際に証券投資をしたのは全体の半分以下の216万人にとど

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世界で定着するシャドーバンキング
預金銀行を凌ぐ成長性に注目

日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 通常の預金銀行システムの外で行われる金融活動を総括する用語として「シャドーバンキング(影の銀行、非銀行)」が定着してきた。 リーマン・ショック後、金融システムの再構築を目指して、国際的な金融規制に関する基準の調整等を行う「金融安定理事会(FSB)」がBIS(国際決済銀行)の中に創設された。 いまFSBでは、世界中の金融資産のストック(残高)とフロー(資

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「黒田バズーカ第2弾」は吉か凶か
帰結は金利7%への上昇か

日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 10月31日、日銀は長期国債の買入額目標を従来の年間50兆円から80兆円へ引き上げることを中心とした量的・質的金融緩和の拡大を発表した。 デフレ脱却に向けた日銀の揺るぎない決意を改めて表明するものと受け止められ、この唐突な「黒田バズーカ第2弾」の発表に市場は大きく反応した。 今回の追加緩和で注目すべきは、明文で「JPX日経インデックス400」ETF

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確定拠出型企業年金への「自動加入化」を【下】

日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 (前回より続く) 前回、日本の公的年金の所得代替率が低く、欧米諸国のように私的年金も発達していないことを指摘した。 英国では企業に義務化 日本同様に公的年金による所得代替率が低い英国では、確定拠出型企業年金を主軸として国民の長期的な資産形成を支援する政策を強力に推し進められている。 その背景には、確定給付型の企業年金を廃止する企業側の動きが

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確定拠出型企業年金への「自動加入化」を【上】

日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 確定拠出型企業年金は制度導入後10年を経た。 公的年金や企業年金などのように国や企業が将来の年金の額を約束している従来の年金制度(確定給付型年金)と異なり、加入者自身が資産を運用するため、将来支給される年金額はそれぞれの運用次第で変わるのが確定拠出型年金だ。「日本版401k」とも呼ばれる。 だが、その普及のスピードはきわめて緩慢で、確定給付型年

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