「 投資の羅針盤 」 一覧

トヨタの「元本保証付き種類株」を斬る

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 6月16日に開催された今年のトヨタ株主総会は、3時間を超える熱気を帯びたものとなった。例年の穏やかな進行とは様変わりと報じられている。 長時間を費やした32問の株主からの質問は「AA型」と称される「株式の通念と相反する元本保証」が目玉の新型種類株式発行の是非に集中した。 名称に冠した「AA型」は1936年に発売された同社初の量産車「AA型乗用車」から

続きを見る

民族意識を知らなければ
英国のEU離脱問題は理解できない!!

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 5月上旬に行われた英総選挙で勝利し、保守党の単独政権を成立させたキャメロン首相は、欧州連合(EU)と加盟条件を巡り交渉することを最優先課題に掲げている。その結果を踏まえて公約として掲げたEU離脱の是非を問う国民投票を2017年末までに実施する。 キャメロン首相自身はEU離脱にはきわめて慎重ながら、保守党内には離脱推進派も多いので、国民投票の実施によりこ

続きを見る

投資の羅針盤
資本課税強化は不可避
「新型相続税」導入の提言

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 日本の財政は改革の先送りで1,000兆円超の債務残高と毎年40兆円の赤字を垂れ流している。 政府は利払い費用を除いたプライマリーバランス(基礎的財政収支)を2020年度に均衡させる目標を掲げ、これを国際公約にもしている。 政府は2%の実質経済成長持続を前提とした7兆円の自然増収と歳出削減9.4兆円によりこの公約を達成しようと目論んでいるが、この計画は

続きを見る

日本は「ROE最貧国」から脱出できるか?【下】

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 これまでは、わが国では「自己資本比率が高く、借金が少ない企業が優良企業である」という考え方が、世間一般に広く浸透しており、経営の評価尺度としては「自己資本比率」や「経常利益」が重要視されてきた。 半面、資本が過剰になり資本効率が低下することのマイナス面が意識されることはほとんどなかったと言えよう。 この低ROEへの無関心は日本企業の文化とも言え、変え

続きを見る

日本は「ROE最貧国」から脱出できるか?【上】

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 昨年6月に閣議決定された新成長戦略(「日本再興戦略」改訂2014)は、わが国の株式市場に大きなインパクトを与えた。 この新成長戦略では、「上場企業のガバナンス強化によるROEの向上」が「いの一番」に掲げられたからである。 この提言では「日本企業の稼ぐ力、すなわち中長期的な収益性・生産性を高め、その果実を広く国民に均霑(きんてん)させるには何が重要か。

続きを見る

投資の羅針盤
国民皆保険の徹底を
企業にも医療保険の提供を義務付けるべき

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 今回は医療保険(健康保険)制度の問題点をテーマとして採りあげたい。 共助と公助を旨とする社会保険では負担公平の原則を徹底することが肝要であるが、この原則が大きく崩れてきている。全国民に保険加入を義務化するとともに、企業にも保険の提供を義務付けなければ社会的公平は維持できない。 従業員への保険費用を削るなど社会的責任を果たさない企業は、短期的には利益を

続きを見る

投資の羅針盤
NISA開始から1年を迎えて提言
恒久税制化と限度額引き上げは必須

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 昨年1月に鳴物入りで発足したNISA(少額投資非課税制度)。年間100万円までの投資については、譲渡益と配当にかかる20%の源泉課税を免除することで、個人の投資を促そうという狙いが同制度にはある。 しかし、証券会社や銀行に新規にNISA口座を開設した人数は2014年の1年間で482万人に達したが、実際に証券投資をしたのは全体の半分以下の216万人にとど

続きを見る

PAGE TOP ↑