映画「ヘイトフル・エイト」と私の1万9000円目標

クエンティン・タランティーノの最新作で最高傑作。先日のアカデミー賞では音楽のエンニオ・モリコーネが受賞しただけだったし、作品賞、監督賞にノミネートもされなかった。バカじゃなかろか。タランティノが自分のスタイルを極めた作品なのに。

西部劇であり本格密室ミステリーでもある。セリフの切れ味、映像の美しさ、そしてストーリーの展開では「ウーン一杯食わされた」「え?こんな結末?」というサプライズの連続。2時間48分があっという間だった。

ワイオミングの山中、南北戦争の何年かあと。賞金稼ぎが1万ドルの賞金のかかった悪女を連れ、吹雪で乗った駅馬車は「ミニーの紳士服飾店」に。そこに8人の不思議な人間が集まり、前半はセリフ劇。後半にすべての緊張が一気に解き放たれ、殺し合いシーンで一挙に爆発する。ニューズウィークが「最高で最悪な」と評したのは正しい。

二人の賞金かせぎとおたずねものの女、それに保安官が立ち寄った店には四人の先客。その四人から陰謀とサスペンス、暴力の予感が高まってくる。コチラの仕上げはうまいものだ。

この推理劇は八人にプラスするある人物の陰謀、毒入りコーヒーなどで観客は予想をすべて裏切られる。

予想を裏切った?まるでここ数日の株式市場じゃないか。

同じマイナス金利でもECBと日銀は大違い

初めに。特に欧州系のファンドの日本のマイナス金利についての誤解。自分たちは欧銀がマイナス金利で大減益になり、ドイツ銀やバークレイズ、クレディ・スイスなどが年初から株価は半減に近く、下げた。そこで日本の大手銀行も売った。

ところがECBのマリオ・ドラギのマイナス金利とクロダは違うらしいとようやく気が付いたらしい。

欧州の方は準備預金総額全部にマイナス0・3%だが、日本は200兆円はプラス0・1%のままで、マイナス0・1%は20兆円。それなら、多少は新しい中東SWFの売りをタネに日本のメガバンクを叩き売ったのは間違いだった。もうPERは5倍は下げだものね。

米国ではチャサビークなどシェール大手が資金調達に成功。破綻ストーリーは消えた。しかも原油価格は1月20日と2月11日の26ドルでダブル底で安値から10ドル上昇。

消費増税先延ばしに景気刺激の財政出動

次に。日本の景気刺激策。5月26日、27日のサミット終了後の宣言で「あらゆる政策手段を通じての世界の景気を良くする」になるのは間違いない。日本と米国が中心。

そこで「国際金融経済分析会合」が設立され、メンバーに外国の賢人たちが入る。ひとりはクルーグマン・プリンストン大教授。となると選挙のテーマの一つは消費税再引き上げ先延ばしだ、となった。5兆円の臨時予算と新年度予算の前倒し執行も。

となれば安倍内閣の課題は、景気とムード。ズバリ株価だ。私のあるソースは「4~5月1万8000円台の後半。うまく行けば1万9000円。」と。

郵政にGPIFクジラが出現

4月になると日本郵政がらみのクジラが市場に現われる。GPIFも5兆ぐらい3月末までで買い余力がある。

問題はSWFの売りで、40兆円あるといわれるが、彼らの手持ち日本株はせいぜい残るところ何兆円。買い余力の方がはるかに大きい。クジラ合計12兆円、自社株買いは今年8~9兆円は固い。

2月19日までしかわからないが海外投資家の13週累積売り越し額は5兆を少し超えた。2011年とほぼ同じで、もう終わり、つまりここ何ヵ月もの毎月初めの売りは、終わっている。また売るにしても知れている。株価の目標は達成されるだろう。

大相場のスタートは秋以降

終わりに。

米国FRBの再利上げが「やれない」から「6月に1回。年内2回」説が出ている。たとえばコアコア(食糧、エネルギーを除く)消費者物価は1・7%とFRBの目標に接近、また4月発表のノンファーム雇用も24万2000人と予想の20万割れを上回った、となると3月1日現在円ロング玉が9万4000枚と多いが、これは投げになるだろう。フシ目とされる114円75銭が抜けるか、どうか。

1万9000円まで行くんなら2万円となぜ言わないか。私の目標は「3万円以上」に達する大相場のスタートは2016年10~12月か2017年1~3月と想定しているからだ。夏から秋の間にテール・リスクがあり、そこから一押しすると想定しているドイツ銀行かも知れないし、ドナルド・トランプかもしれない。産油国のどこかのデフォルトかも。

 

映画のセリフから。

ただ一人の女性のジェイソン・リーがスゴんで云う・「お前たちが地獄に行ったら。私に送られてやって来たと云いな」。株式市場には、天使もいるが悪魔もいる。しかし当分、いいことが多いのは間違いない。

 

映画「ヘイトフル・エイト」と私の1万9000円目標(第816回)

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