【初・中級者向き】映画「ブレードランナー2049」と選挙と北朝鮮挑発

 

 2017・10・9

35年前の「ブレードランナー」は今なおSF映画の金字塔だ。フィリップ・K・ディックの原作でリドリー・スコット監督が映画化した。前回は2019年のロス。30年後の今回の新作も舞台は同じ、監督はドウニ・ヴィルヌーヴ、主演がハリソン・フォードからライアン・ゴズリングに変わった。カネのかかった作品だが、内容はイマイチ。おすすめしない。

ブレードランナーとは見たところ人間と全く同じロボットの「レプリカント(旧型)」を追う捜査官のこと。

この旧型ロボットの「ネクサス8」は人間に対し何回も反抗し暴動を起こしたため、発見したら「処理」される。主人公K(ライアン・ゴズリング)はロス市警のブレードランナー。ある事件をきっかけに人間とロボットを区別していたある秘密を追求することになる。

この映画でカギとなるのは木馬のおもちゃに刻まれた「61021」という数字。

 

今回、1010というのがキーワードだろう。北朝鮮労働党の創設記念日で、これまで必ず何かやってきた。我が国では総選挙の公示。

韓国の中央日報は今月2日から6日まで平壌を訪問したロシア下院議員が「米国まで届く長距離ミサイルの発射準備をしている」と報じた。

 

またロシアの国営RIA通信は「ロシア下院外交委員会のモロゾフ議員に対し、米国西海岸まで到達できる根拠として、計算した数値を提示した」と述べた。

 

9日のコロンブスデーの可能性もあったが、これは不発。先週ワシントンで開かれた討論会でCIA分析官が「ある種の挑発があるとしたら10月10日」と予想していた。

太陽フレア―で延期された9月の例もあるから確率100%ではないが、10月22日の我が国の投票日までに、何らかの挑発があるとみるのが常識的だ。かりにズレ込んでも10月18日の中国共産党大会。最近の中朝間の悪口言い合いのひどさを見ると、この場合もあり得る。

では、1010又は1018を外したらどうなるか。米軍の攻撃だ。

米軍の攻撃で北の難民が押し寄せる

明年1,2月の厳寒期、北朝鮮軍の動きが鈍くなる時期で、この時には党大会で再選された習近平体制の容認、あるいは黙認を得た後に米軍は攻撃する公算大。それまでに朝鮮半島近辺の海域に原子力空母が3隻到着しているだろう。

作戦は三十八度線に沿って配備されている1万にのぼる「北」のロケット砲を、一気に無力化する短期戦という情報を聞いた。問題はそのあとで、数百万人の難民は中国の阻止に会い、韓国と日本に来るとみるべきだ。「国難」はこれだったのだと国民はみな、理解するに違いない。

 

本当は私の本心を言うと、もっとコワーいことがある。トランプ政権が「北」の核保有を容認する、これが第一。第二は米中で手を組んで韓国から米軍が撤退し、南北統一すること。これも国難だ。

 

一方、総選挙には、希望の党に失速感が漂い始めている。あのアベおろしの朝日新聞でさえ、5日に10月3,4日世論調査を発表。前回の9月26と27日に比べ比例区の投票先は自民党32→35%、希望の党13→12%になった。すでにスタートしている選挙期間中に政権与党の支持率が上がるのは珍しい。

 

となると、せいぜい10月第一週の世論調査をベースに、やれ自民党の議席減少数を109だの120だのという週刊誌予想は、公示の10月10日以降の予想では変わるのではないか。だから株式市場は戻り高値更新まであと一歩のところまで上昇した。サウジのSWFによる日本株売りが一巡したことも大きい。

 

もともとこの選挙は内閣官房に近い情報筋によると、総理の考え方は「肉を斬らせて骨を斬る」。

 

2019年3月までに国会で「憲法改正」発議を通過させることが目的の、今回の総選挙である。

自民希望維新の連立

改憲賛成派の希望の党は共闘体制といえるので自民+希望+維新(私の情報ソース9月28日は自民240+維新30+希望125+α計390)が三分の2の310以上をとれる。したがって自民が50議席近くを失っても、全体で390あればそれで十分。これが安倍さんの考えだ。勿論来年1,2月の大変な時期に、しっかりとした日本を作り上げておくことも目的の、総選挙でもある。

 

私の知る市場アナリストは安倍退陣、石破首相説を言っている。自民+希望連立を考えているらしい。この人でさえ表面しか見ていないのかなあ。経験則で当たる確率100%の「青木比率」(党と内閣支持率の合計。50%を下回ると政権交代)は9月で81・7%。麻生内閣の45・9%、野田内閣の35・7%とは比較にならない。勝敗ライン233は現有322に対し余裕がある。

 

映画のセリフから。Kが移植されていた幼年時の記憶は実はハリソン・フォード演じるデッカード刑事(前作のブレードランナー)の娘の記憶だった。Kは言う。「早く娘に会って来いよ。ホントのことがわかるよ。」真相はいずれ分かるものです。

映画「ブレードランナー2049」と選挙と北朝鮮挑発(第880回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

ジャイコミ有料記事テキスト画像

 

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「日本で一番悪い奴ら」と日本の進路のプラン

2016・7・10 北海道警察で日本警察史上最悪の事件を起こした悪徳警官を描いた実話映画。ヒッ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「素晴らしき哉、人生!」と金融市場でのリーマンを思わせる異変

私は先週、岐阜の大手会計事務所での講演会に招かれ、その前夜に夫婦で長良川の鵜飼いを見物させていただ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

宮本武蔵「一乗寺の決闘」と日銀のサプライズ政策。そして2023年の見通し(第1152回)

12月20日の日銀の決定は、サプライズとして受け取られた。金融政策は、黒田総裁の退位以降と

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画映画「用心棒」とTOPIX600ポイント説

ご存知黒澤明の傑作だ。三船敏郎演じる桑畑三十郎が上州の街道宿で、やくざ親分二人が対立しているところに

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「予告犯」とギリシャ問題と為替・株
今井澂・国際エコノミスト

新聞紙で仮面を作り、ウエブサイトで犯行を予告。食中毒事件を起こしても反省せず逆切れ記者会見を行った会

記事を読む

PAGE TOP ↑