映画「荒野の決闘」と来年のまだ注目されていない大変化の発生(第990回)

公開日: : 最終更新日:2019/12/11 マーケットEye, 中級, 初級, 無料記事 ,

「私はクレメンタインという名前が大好きです」。ヘンリー・フォンダ演じ
るワイヤット・アープのラストシーンでいうセリフだ。
 この映画の原題は「マイ・ダーリング・クレメンタイン」。米国民謡の題で
ある。女性に口説き文句は言えず、別れ際に名前が大好きというのが精いっぱ
い。私も若いころ、気が弱くて同じような状態になったことがあり、このワイ
ヤットとの性格には共感を覚えた。
 お話はご存じの通り、アープ兄弟とクラントン一家との対決が軸で、これに
クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)が絡む。この娘はドク・ホリディ(ヴ
ィクター・マチュア)の元婚約者という設定だ。
 私がこの映画で大好きな一つのシーンのひとつ。旅役者が町にやってきて、
ハムレットを演じるが、途中で言えなくなったときに、ドクがすぐ引きとって
朗々としゃべるところ、たしかその前にローレンス・オリヴィエのハムレット
を観て、例の「To Be、Or Not to Be」の部分は暗記してい
たので、そのせいでもあったかも。何しろ高校時代の頭の柔らかい時代。水を
吸い込んだようにセリフを覚えることができた。今は全く覚えていないが。
 そろそろ1年の終わり。プラン・ドウ・チェックが必要になる時期に入った

 もちろん、ヒトさまにエラそうな口を利くほど私は大物ではない。私の間違
い(このブログ、著作、ボイスメッセージ、講演などなど)を列挙しながら、
来年へかけての大きな影響を与えるであろう変化や、政策を列挙してみたい。
 第一はこの19年の内外経済を回顧してみると、失速が回避されたことが大
きい。相撲に例えれば相手力士の押しを土俵際で耐えたようなものだ。
 最大の貢献者はまず米国FRBだろう。政策金利を計0・75%引き下げ
、10月から実質的な「QE4」を開始した。
 次に中国が必死になって景気刺激策を推進、2020年1~3月期から中国
経済が回復しかけていることが挙げられる。恐らく、明春早々に上海株は上昇
しよう。
 第三は米中覇権戦争が、再選を狙うトランプ氏の思惑もあって、一時休戦に
なったこと。

 もちろん、世界大不況を恐れて、前向きの設備投資を控えるリスクオフ経営
が中心になったこともある。その結果、設備、在庫などの過剰が発生しにくく
なり、下方リスクへの抵抗力が増した。内外経済に構造変化が起きている。
 内外の株式市場ではこの変化にまだ気が付かないので、カラ売り、先物売り
、あるいはベア投信が大規模な存在になった。米国ではMMFが3兆6000
億ドルもある。これが一斉に来年前半に買い戻すだろう。売り方総崩れ、では
ないか。
 私が最も信頼するエコノミストの嶋中雄二・三菱UFJ、モルガン・スタン
レー証券景気循環研究所長は、11月20日の月例景気報告で「世界景気は底
入れへー期待できる先行きの展開―」としている。もちろん懸案となる要因は
山積しているが、世界経済への調整圧力への一服感が出ている、と嶋中さんは
言う。
 嶋中さんの手法は、OECDの景気先行指数を、米国と日本は9か月、中国
は12か月、世界も12か月先行させたもので判断。「少なくとも半年先の世
界と日本の景気は、上昇の可能性はかなり大きい」と結論付けた。
 では私の失敗は、新刊の本で「10月24日のドカン」を予告したことだ。
実は8月19,20日の両日には口述筆記して作成していた。
 このために9月26日のゴールデンクロス、10月中旬の「QE4」も織り
込みできず、誠にに申し訳ありません。もちろん軌道修正は何回もしたつもり
だが、やはり同じような質問やお声をいただくから、まだ不徹底なのだろう。
 映画のセリフから。ドクの情婦チワワが聞く。「私を怒っているの?」ドク
が言う。「オレはヒト様を怒るほどエラくないんだ」。味わうべきセリフです
ね。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「運び屋」と老人社会、「21世紀はバイオの時代」とする私の主張、そしてモデルナ、ファイザーと日本のバイオ株 (第1041回)

 88歳のクリント・イーストウッド氏が監督・主演した2018年制作の作品。NHKを含めたBSでしば

記事を読む

こんな金融商品にご用心
実は高いクラウドファンディングのリスク
未公開株の解禁は時期尚早【上】

楠本 くに代 金融消費者問題研究所代表 クラウドファンディングとは、多数の資金提供者(=crowd

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ボーダーライン」とリスク・オンの開始

映画「ボーダーライン」の原題は「シャリオ」で暗殺者を意味する。監督は「複製された男」のドウニ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「カツベン!」と、トランプ→ペンスの政変と株(第991回)

周防正行監督の5年ぶりの新作。100年前の「映画」、じゃなく「活動写真」。白黒の無声映画だが、ナマ

記事を読む

米利上げ後はドル強気筋の利食いで円高も

  前回号発行時は日経225が2万円手前だったが、資源価格安により途上国景況感悪化、

記事を読む

ジャイコミメンバーの特典


メンバー登録はこちら

資産形成、長期の資産運用に役立つ、
プロの投資家による投資情報を配信!

投資家・経営者・業界のプロも必読

ジャイコミをフォローしよう


 

NPOによる投資に役立つ情報メディア
『中立な情報を全ての個人投資家の為に』
  • より賢く、豊かで自立した投資家を育てる

    by NPO日本個人投資家協会
PAGE TOP ↑