映画「ウルフ・オブ・ウオールストリート」とロビンフッド、さらに「まだまだトランプ」(第1035回) 

 毎回、このブログは日曜日の発行にしているので、土曜の24日にしたのに首をかしげる向きもあろう。

 理由はカンタン。日経プラス1の10月24日付に「何でもランキング」という欄がある。今回は「映画で経済 金融テーマのベスト10」がテーマ。私もいわば選考者10人の一人として参加させて頂いた。今回はその選考の第一位だ。

 ウオール街の証券マンとして入社した若者(レオルド・デイカプリオ)は半年かけてブローカーの資格を取って出社したその日に大手証券会社は倒産。次に就職したが、一株6セントの店頭株専門の中小証券会社。彼はここでぼろ株で大儲けする。

 その後富裕層中心に顧客を変え、社名も上品なものに変更。マスコミを巧みに利用し、社員も急増。SECやFBIにウラ儲けを操作され始め、盗聴される。

 まあその後は省略する。大体想像がつくだろうから。

 典型的な貧乏人から超富豪へ、そして収監、というストーリーは典型的な映画のパターンだが、この作品は狂気とエロティシズムが混在し、そこいらが魅力になっている。

 ウオールストリートというと栄枯盛衰が通常。最近のヒットは「ロビンフッド」という投資アプリだろう。

 ウリは①売買手数料無料②高額な株でも1ドルから投資できる。投資の注文をこなすロビンフッドの方は市場にまとめて注文するので、リベートが入る。

 この方式は大成功。ユーザー数は1300万人、第一・四半期だけで300万人増やしている。その威力の一例を挙げると、イーストマン・コダックの2ドル台から二日間で20倍になった。医薬品原料進出を材料にした買いだが、主力は「ロビンフッダー」と見られている。

 流石にSECが調査を始め、9月中はNY市場ではハイテクもの中心に調整があった。まあ、流行は終わったように見える。

 では「それでもトランプ」と言い続けたイマイさん、大統領選の方はどうみているの?と質問されそうだ。

 10月22日のトランプ対バイデンのTV討論会を見ていて、CNNTVのアンチトランプ姿勢に驚いた。また同時に解説者が「ワクチン」の話になると「あれはキキメがありません!」と断言したのは、目が点になった。呆れたなあ。

 特に目立ったのは、バイデン一家の中国やウクライナの取引で利益を得ていたのではないか。この問題にバイデンがまともな返事をしなかったのに対し、女性司会者のクリステイン・ウエルカーが全く追求しなかった。

 CNNの反応を見ると、バイデン53対トランプ39。

 マスコミ全体の対トランプへの冷たさはひどい。最近の例を二つ。

 第一は10月22日,米FDAの新型コロナ諮問委員会で、ファイザーのRNAワクチンが3万8000人の治験を完了。10月31日はデータを提出、即日FDAは認可というニュースがあったにもかかわらず、CNNTVでは全く冷淡。

 第二はバイデン子息の中古パソコンからこの情報が漏れたのだが、二流紙の報道のみで一流紙のほか、WEBサイトの大手も掲載を拒否した。

 これだけ足並みをそろえてバイデン有利の情報を流すと、情報通の方々も、再選なしの前提に立って発言したり、資料を作ったりしている。

 しかし、依然としてブックメーカーにトランプ再選に賭けている英国系の大手ブックメーカーによるとー。

 トランプ 15/8

 バイデン  4/9

言うまでもなく 1以上が勝利、数字に直すとトランプほぼ2に対し、バイデン0 4の掛け率だ。これだけではない。2016年にもトランプ当選を予測したトラファルガー社は隠れトランプ票を入れて、再選を予測している。

私は全国ベースで支持統計を取ると、間違えると思う。昔からオハイオをとると大統領になれる、というではないか。戦後18回の大統領戦で17回この州を得た候補が勝利した。トランプ氏はそのオハイオで、10月中旬以来、バイデン氏の上の支持率を得ている。ラスムッセンでも、支持は52%と高い。選挙結果を私は待ち望む。

 まあ、すぐ結果発表とはゆくまい。郵便投票の開票の遅れがあるので、おそらく11月17,8日ごろまで正確な勝利者の名は判明しない。

 今回は、前記した10月24日の日経土曜版のベストテンを列挙する。

  1. ウルフ・オブ・ウオールストリート
  2. 殿、利息でござる!
  3. 国家が破産する日
  4. マイ・インターン
  5. インサイド・ジョブ世界不況の知られざる真実
  6. パラサイト 半地下の家族
  7. ハゲタカ
  8. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
  9. ソーシャル・ ネットワーク
  10. マージン・コール             以上

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