映画「ローマの休日」と中国が受ける出過ぎの罪。同盟国へのプレゼントとしての円安。そして私の強気。(第1123回)

王女様がローマの街に脱出し、様々な体験をする。新聞記者と恋するが「国民のために」再び王女の地位に戻る。

オードリー・ヘップバーンはこの一作で大スター、グレゴリー・ペックもファンの数を増やした。

ウィリアム・ワイラー監督の映画づくりの巧みさが、最も輝いた作品だ。

人, 屋外, 記号, 男 が含まれている画像

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もし、王女様が新聞記者と結婚していたら___。

恐らく世界中からバッシングを受けていただろう。

これと同じで、1980年代の日本は、半導体でシェア50%を誇り、米国を抜いて世界1になった。米国により半導体特許の公開、強制的というか懲罰的な円高を押し付けられて、「円高→デフレ→円高」という悪循環に陥った。

プラザ合意により、過剰流動性による株と不動産のバブルが発生した。これが崩壊。

その後の日本の転落はご存知の通りである。

これに対し、現在は中国が「出過ぎの罪」を受けかけている。

チャートをご覧いただきたい。先日出席した武者リサーチの資料だが、世界の粗鋼の60%近くを中国が占めている。自動車も第1位。人口のシェア20%の国が

この粗鋼のシェアはどう見てもやりすぎだ。

グラフ, 折れ線グラフ, ヒストグラム

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グラフ, 折れ線グラフ

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私が「米中の新冷戦時代 頑丈の利を保つ日本株」(フォレスト出版2019年1月)で指摘した。

中国という新しい敵に、日本が再び強力な同盟国として復活する、というシナリオだ。これが現在具体化している。

ついでに。海運株を早くからすすめた本として、高い評価をいただいている。

この私の予想は全て的中した。

同レートがその象徴であることは、このブログでしばしば指摘した。

台湾の半導体メーカー(TSMC)とソニーが熊本に合弁で新工場を作るというニュースも、日米新時代のひとつの象徴と言える。

ところで、6月30日の武者陵司さんと宮田直彦さんのセミナーは、実にいいセミナーだった。

以下、武者さんのプレゼンをもとに論旨を展開する。

武者さんの表現を借りると「人口で世界の2割しかない中国が、こんな高いシェアを持つことが、許されるはずがない」。

「1995年ごろの日本に似ている…緩慢な金融危機への途」(資料による)

武者さんは「中国が三重苦だ」という。

  1. バブル崩壊・投資資金がない・地方財政困難
  2. 輸出減・世界需要減速・対中摩擦
  3. 消費困難・失業増・家計債務余力無・企業賃上げ余力無

 一方、日本はどうだろうか。

 恩恵的な円安で、

  1. 企業収益増
  2. 設備投資急増
  3. GDP成長率増加

などいいことづくめだ。

通常、これだけのドル高円安だと、これまでは必ず米国政権筋からけん制球が来る。

しかしパウエルFRB議長の発言にみるように、一段のドル高を米国側は否定していない。それどころか容認している。

円安は企業収益に大きく寄与する。

2021年度の日経平均の一株当り利益は2309円で前年度比10.4%増。

2022年度は15%増と考えると、1株当り利益は2600円。

PER13倍としても3万3800円。14倍なら3万5000円。

円安の影響は、次の年、次の次の年までプラスに働く。

2023年度には3万円の大台の上の方。誰の月にも4万円達成が近いことが見えてくる。

外人売りも一巡した。

3月9日の2万4000円台で大底。日本株は一高一低はあるだろうが基本的には上げ相場。

一方NYダウやNASDAQは、利上げの最中は基本的に下げ相場。

このため、NYが下げても、東京は小幅な下げに止まるが、上昇する日もある。

最後に「ローマの休日」の名ゼリフでシメる。

王女様が「国民のために」決意して別れる時に言う

「どうやってさよならを言えるのか。どうしても言葉が思いつかない。」(安倍晋三さん、さよなら)

最後になるが、現在中国の北戴河で行われている権力闘争が激化している。たとえば湖北省書記だった応勇という人物は習近平の子分で、コロナショックの折に上海市長から昇格して陣頭指揮をとった。

成果は十分で、党中央委員になると見られていたが、去る3月に左遷されてしまった。同様なケースはほかにもある。反習近平の勢力がかなりの力をつけている証拠である。

ロシアのウクライナ侵攻が習近平の地位をゆるがしかねないと言う観測も出ていることは重要である。

理由はカンタン。米中戦争がウクライナ戦終了の後激化すると、共産党幹部が海外にかくし持っている資産が凍結されかねない。開戦前の2月4日に習近平がプーチン大統領と会談して全面的なロシア支持を表明した。

米国にすぐに「ロシアに対する制裁を中国にも」と警告している。

共倒れになるなら、李克強の方がいいのでは、という声も出ていると聞く。

中国の今年も北戴河での闘争は、意外な結果になるかも知れない。

安倍晋三元首相の殺害というとんでもないニュースが飛び込んできた。さぞ、残念だっただろうなあ。ご冥福をお祈りする。1979年の大平首相の衆参同時選挙を思い出す。投票日の10日前の急死だったが自民は単独過半数を獲得する圧勝。

今回も同じくだろう。株❓急騰にきまつているじゃないですか!!三万円大台に向けスタート!!ヨーイ、ドン!


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