映画「最後まで行く」と、中国が覇権国になれない理由。そして4万5千円を狙う日本株(第1174回)
映画「最後まで行く」と、中国が覇権国になれない理由。
そして4万5千円を狙う日本株2023・5・28(第1174回)
岡田准一の主演作品は、当たり外れが少ない。今回もとても面白かった。
自動車事故で人をはねた警官と本部の監察官とのやりとりの妙。これ以上はネタバレになるので書けないが、十分におすすめできる。

先週予告したように、今回は中国について書く。
覇権国に中国はなれない、という経団連のお偉いさんが目をむくような話である。
覇権国は、独り勝ちすればいいというわけではない。その陣営に加わるかどうかは別にしても、覇権国に従うことにより、経済的インセンティブを与えることによって、初めて地位は安定になる。(金融財政ビジネス5月15日号)
覇権国としての米国の強さは、巨額の経常赤字を計上し続けることによって、世界に対して貿易と投資の両面で恩恵を与え続けてきたことだ。
慶応学生時代は「ドル不足」が問題になっていた。
1950年代のことだったが、その後米国は自由で公正な米国市場を開放した。投資の面では利子平衡税(12.5%)を60年代に撤廃して、外国の貯蓄によって安定的なファイナンスができて、ウィンウィンの関係ができた。
では中国は。
21世紀初頭は対GDP4%程度の大幅黒字。エコノミストによると平均3〜4%の輸入の伸びに止まると予測されている。習政権は新冷戦もあって自給自足を目指している。
これでは中国は覇権国になれない、と私が予想する理由である。
加えて、私がこのブログで再三述べた通り、不動産バブルの破裂である。現時点ではまだ不良債権が一部しか表面化していない。

しかし、想像していただきたい。我が国は1990〜91年に不動産バブルは破裂した。公的資金投入が必要、と判明したのは1998年、現実に投入されたのは1999年。バブルの破裂が処置されるまでには時間がかかる。少子化と老齢化の方はゆっくり。これも時間がかかる。
さて、今回の戻り高値更新である。
ごく目先は前回のブログに書いた通り、「ド」か「ドカ」の最中だろう。
しかし、今回(恐らく来月)に2万8000円あたりで底値をつけたあとは、来年か再来年の日経平均4万円以上(これもおそらく4万5000円)まで進撃するに違いない。
一株当たり利益は2250円でもPER16倍で3万6000円。外国人は20倍までは買うので4万5000円。
材料。いくらでもあるので、来週に。
関連記事
-
-
映画「オール・ザット・ジャズ」と市場が織り込み始めた意外な近未来
BSで久しぶりに見たらなんと3回も!繰り返して観た理由は、圧倒的なダンスシーン、それにロイ・シャ
-
-
映画「オールド」と米国のアフガン撤退で地下資源獲得し有利になった中国の落とし穴(第1078回)
スリラーの鬼才M.ナイト・シャマラン監督作品の恐らくベスト 。秘境のビーチを訪れた数人の社会的エリ
-
-
木村喜由のマーケット通信
緩和マネーの逆流が始まった
これまでの株高は債券市場から逃げたお金の玉突き現象日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 前回、債券相場の下落を伝えたが、そのきっかけとなったのは、
-
-
大井リポート
エネルギーもスマホ化する
技術革新が牽引する成長と変化セイル社代表 大井 幸子 四半世紀前の1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊し、その後、世界は根
-
-
映画「SHADOW/影武者」と内閣改造の(十分あり得る)失敗
(第980回)2019・9・8 チャ