映画「おくりびと」とバイロン・ウィーン氏を悼む。改めて金への投資の有利性に注目。
映画「おくりびと」とバイロン・ウィーン氏を悼む。改めて金への投資の有利性に注目。
2023・11・5(第1198回)
2008年の作品で、滝田洋二郎監督、本木雅弘主演で、第81回アカデミー賞・外国語作品賞を受賞した名作。
主人公の小林大悟はプロのチェロ奏者として東京の管弦楽団で働いていたが、突然、解散。妻とともに山形県酒田市の実家に帰る。
新聞広告で「旅のおてつだい」とあったので、面接に向かう。社長(山崎努、実にいい)が月給50万円、すぐ採用という。具体的には納棺師だった。
<松竹のホームページより>
その後の推移は永くなるので省くが、いったん別れた妻(広末涼子)が帰って来たり、辞職を申し出ようと思って訪れると独特の死生観を聞いて思いとどまるとか、いい、心打たれるシーンが多い。
さて、今回のひとつのテーマであるバイロン・ウィーン氏についても書く。
<ブルームバーグより>
実はこの人は、「投資ストラテジスト」という職業を私に教えてくれた恩人である。
1970年代当時、モルガン・スタンレー証券で投資ストラテジストとして働いていた。
まだ有名な「びっくり10大予想」はやっていない。1986年から38年続いたのだが、私に「投資先は株だけでない。債券や土地、為替など何でも知っていなければダメ」と教えてくれた。
また氏は「常に読書を心がけるべきだ」「十分な睡眠をとれ」「さまざまな場所に旅をしろ」など、コーヒーを飲みながら助言してくれた。私の人生の大きな転機となる助言ばかりで、私がその後、従ったことは言う迄もない。
私は88才でも働いているが、もちろんフアンの方々のサポートがあるためだが、実は76才でブラックロックに移籍し、90才迄働いていた氏の生き方が勇気を与えてくれたことは間違いない。
報道によると、ことし2月「引退するな。永遠に働きつづければ永遠に生きられる」と述べたそうだ。はい、私もそうします。
ついでに2023年のびっくり大予想をまとめる。
①大統領選。複数の候補者それも新顔が並ぶ。
②FRBはインフレとの綱引き状態、消費者物価高止まりもFF金利が上回り、実質金利はプラス
③FRBはインフレ抑制に成功するが、ゆるやかな景気後退をまねく。
④株式市場は年央に底を打ち、2009年に匹敵する大相場が始まる。
⑤過去に相場に大きな調整が入ったときに必ず「事故」が起きている。要注意。
⑥ドル高がつづく。
⑦中国は5.5%の成長に向けて前進。
⑧米国は世界最大の原油生産国になる。WTIはバレル50ドル迄下げ、その後100ドルに。
⑨ウクライナ情勢は、双方の犠牲と戦費の面から停戦を余儀なくされる。
⑩ツイッター(現X)については、イーロン・マスク氏は業績を回復軌道に乗せる
②のように大拍手したい項目もあれば、④のように今後が期待される項目もある。
「びっくり」つまりサプライズとも、平均的なプロ投資家が3分の1程度の確率でしか見込んでいないのに対し、ウィーン氏とそのチームは50%以上の確率で発生する、と考えているものである。
一生をこの仕事にささげた偉大なる先輩、開拓者に心から敬意を捧げます。合掌。
さて、金価格。円安もあり一時、グラム1万円にのせたが、その後ドル建てでは2000ドルをつけた後1900ドル台で上値をとりかかっている。
【円建て金価格】
<出所:田中貴金属工業>
【ドル建て金価格】
<出所:Investing.com>
コラムで前にも述べたが、著名な若林栄四さんが「2029~2030年に控え目に見て3855ドル」と6月に述べた。
10月のセミナーでは「年内、クリスマス迄に2200ドル」「最終的には7750ドル」とさらに強気に修正した。
的中率の高い人だけに、要注目である。ご参考までに。
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