映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」と、日本経済と日本株の独歩高

映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」と、日本経済と日本株の独歩高

2023・12・3(第1202回)

 前作は観客動員数240万人、興行収入37億6000万円という大ヒットになった。また日本アカデミー賞では、最優秀監督賞など12部門で受賞した。

 前作は関東中心で、関西はイマイチだった。「ダサイタマ」のイメージが関西では浸透していなかったためだ。そこで製作者側が滋賀県を選んだ。

<出所:映画ホームページより>

 カタキ役が特にいい。「日本大阪化計画」を叫ぶ冷酷無比な大阪府知事に片岡愛之助。神戸市長に藤原紀香が巧みな演技とメークで「らしく」みえる。

 もちろんストーリーはハチャメチャ。ド派手な衣装、爆笑するギャグ連発。面白いから、ダマされたと思って観て下さい(実はビートたけしの「首」を観たのだが、全く面白くないし、笑いもない。そこで省略した。悪しからず)。

映画のテーマが「権力」あるいは「覇権」なので、現在の米中覇権戦争を取り上げる。

 経団連のお偉いさんは目をむくかも知れないが、中国の敗北は目に見えている。

 信頼できるシンクタンクである「日本経済研究センター」が米中GDP逆転を撤回している。

 同センターは、2020年時点では「2028年に逆転する」とし、2021年時点では「2035年に逆転する」としていた。

 これが2022年12月、「中国の名目GDPは米国を逆転しない」に変わった。2035年でも中国は米国の87%でしかない、に変わった。

 理由は数多い。第1は不動産バブルの崩壊。これがかつての日本のバブル崩壊とは比べものにならないほど巨大なこと。第2は人口減少による労働力不足。さらにゼロコロナ政策が中国経済に大打撃を与えたこと、そして労賃の上昇で世界の工場としての地位がゆらいでいること。そして最後に、米国との新冷戦に勝ち目がないこと。以上である。

 では、日本の立場はどうなるか。マネーの供給からみて、米国やユーロ圏より日本の方が2024、25年に成長率が高いことが予想される。

 楽天証券の愛宕(あたご)信康さんの分析によると「M2の前年比がマイナスとなるのは、米国では1960年以降で初、ユーロ圏ではユーロ発足以降初めて」である。一方、日本のM2はふたケタ増をつづけていて、今後も同じである。

<出所:トウシル

 では日本は。有力シンクタンクの2024年の実質GDP成長率予想は1%でほぼ統一されている。しかし、2023年は2%だが、当初は1%。次いで1.4%になっている。同じように、私は2024年も2%かそれ以上となる公算が大きいと信じている。理由はカンタン。インバウンドが月を追うごとに拡大していることによる。また、新紙幣の登場で、タンス預金の流動化が期待されることも見逃せない。

★12月25日に新刊が発売されます!★

『日本経済大復活 GOLDEN CHANGE』(Gakken)

(今井澂著、216ページ、1600円予定)

2024年からの日本経済は「ゴールデン・チェンジ」と呼べる大変化を遂げ、半導体やインバウンドを牽引車に成長路線に回帰します。日経平均株価が6万円を目指す流れを詳細に解説しています。オススメ10銘柄つき。通刊50冊目の記念の書です。是非お買い求めください。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

「しんがり 山一證券最後の12人」とやっと越したカベ

  今週は「ドローン・オブ・ウォー」を観るつもりだったが夜9時半上映で終了11時半。

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】名作「ガリバー旅行記」と建設株

  2018・1・21 ご存知の冒険物語で小人たちの国、巨人たちの国、空飛ぶ島

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「ベイビードライバー」と私が恐れるある材料

  2017・8・20 こんな映画は始めてだ。カーチェイス映画でしかも

記事を読む

2015年を読む②
木村喜由のマーケット通信
半身の強気が吉

*木村喜由のマーケット通信は今後、有料記事で掲載予定です。サンプルとして無料公開しています。 日

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「ヴェノム」と世界的急落が予告する新冷戦不況(第929回)

2018・10・14 11月2日に上映開始になる超大作で、週刊文春がシネマ特別号を出し「完全保

記事を読む

PAGE TOP ↑