私の協和協会での講演での質問と話し足りなかったこと。
2024・12・15(第1251回)
公益財団法人協和協会は故岸信介総理が設立し、代々総理が会長をつとめて来た由緒ある団体である。現在はお孫さんの岸信夫元防衛相が会長。私はなぜか一昨年に理事のご依頼を受け、その任にあたっている。
昨年11月につづいて今年も12月12日に「日本経済の現状と今後-トランプ2.0にどう対応するか」と題して講演した。
質疑応答を含めて2時間の長丁場なので、内容はカットする。
しかし、ある大企業経営者の方から「本当に日本は国債の出しすぎで、アウトにならないか」とのご質問にずい分と時間をかけた。
財務省が主張している「国民1人当たり何百万円の負債」は、バランスシートの片方、つまり借金だけを強調しているので正しくない、とお答えしたが、なななか納得していただけなかった、ずいぶん時間がかかった。
IMFの調査で日本は第二位の健全性を頂いているんですよ
と述べてようやくOKをいただいた。

負債に見合う資産があり、子会社である日銀をふくめた連結決算にあたる「統合政府」でみると、日本はチャートにある通り、カナダに次いで第二位。ちなみに3位はドイツ、4位は米国、5位はフランスである。
質問は「鈴木俊一前財務大臣が、統合政府の考え方は日銀の独立権があるから妥当でない」と国会答弁したこと。これに対し「中央銀行の独立性をキチンと理解していないのではないか」と回答した。
私が話し足りなかったことは「石破政権の持続性」である。
石破内閣の致命的な弱点は世論頼みの玉木氏の進退にある。不倫問題なので見通しにくい。これが致命的な弱点である。
そこで出て来るのが来年7月に「衆参同時選挙」である。自公の非改選議席数は75。50とれれば過半数である。
勝敗を分けるのが32ある1人区だが、前回の比例を見ると自民と公明にくわえて国民民主、日本維新の会を加えると28又は29必要である。
比例代表は、自民14、立憲11、国民6、公明5~6。これだと石破政権の目標38(公明の11と合わせる)である。第一次安倍政権時、逆風下の自民でさえ37獲得して政権を維持できた。
幸い「景気は相当に良くなっているので、石破政権は当面、乗り切れる」と私は述べた。よほどのマイナスが発生しない限り、石破氏はまだ持つだろう。
それよりもトランプ2.0。安倍未亡人が頑張って夕食こぎつけたのでみとうしは、明るくなっている。
そのトランプ次期大統領に1億8000万ドルも献金したイーロン・マスク氏。この人がトランプ氏に認められ、両氏が行政改革を行う意義は大きい。来年央ぐらいに巨大なお役人斬りが強行されるだろう。マスク氏はX時代、80%の社員のクビを斬り、その後急成長させた実績である。波乱は必至だが、成果は大きいと期待している。
民主党と米国大手紙がつくり上げたメチャメチャなトランプの虚像は変わる。武者陵司氏は「高金利とアニマルスピリット」(1995年)の再現と予測。AI革命はこのチームが急進展させると予測している。私もそう思う。
ところで再び日経平均は4万円をつけ、次の上昇が始まりかけている。強い相場だ。元気でいきましょう!
GOOD LUCK!
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