金利のある世界への移行が始まり、東京・NY株安の反面、金は新高値。この変化をどう見るか。
2025・3・23(第1265回)
わが家にほとんど閉じ込められている私にとって、一番怖いのは、いつの間にか起きている社会の変化を見落とすことだ。
実は3月5日の日経新聞電子版のある記事。読んで、へええと思っていたら、旧知の日経新聞OBの前田昌孝さんが「日本経済が新しい時代に入りつつある表れかもしれない」と評価した。少々遅れたが紹介したい。
その記事とは、三菱UFJ銀行が、減少の一途だった支店を今年秋に2店開設するというもの。「1つは大阪府箕面市の商業施設「みのおキューズモール」内、もう1つは東京都内」だそうだ。同紙はまた25、26両年度に計6店舗を対個人営業、事務につくる、とも報じられている。
前田さんは「金利がない時代には、個人の預金など集めても仕方がないといわんばかりの対応をして来た銀行が、金利がそれなりにつくようになると、対応が変わってきた」と述べている。いい話だ。明るい将来を予見させる。
本論に入ろう。NYを始めわが国も株安だが、同時に金価格が新高値を更新しつつある。
S&P500は2月から9%弱下がり、金価格は年初から16%上昇し、オンス3000ドルをつけた。
コモディティアナリストの小菅努さんによると「普通は新高値を更新すると、目標達成感もあり、一旦は利食い売りで様子をみることが多い。しかし今回については過熱感はほとんど見受けられない」としている。
投機筋の買い残をみると23万6150株であり、昨年11月19日以来の低水準になっている。
金上場投信(ETF)残は1月が34.51トン、2月が99.90トンだったのに対し、3月第2週で40.70トンである。
このペースだと1~3月期で200トンを超えそうだ。要するに「今年の金ETFの需要の勢いの強さは注目に値する」と小菅さんは結んでいる。
すでにこのブログの読者は第1360回で私が指摘した「FRBが金価格を再評価する動きが判然とした」のが評価できることはご存じだろう。

<Chartparkより>
アンチ米国勢ともいえるBRICSの金本位制の通貨に対抗して、トランプ政権は自分たちの保有金をバックにして、金本位制の暗号通貨を発行しようとし、すでに大統領令でソブリン・ウェルネス・ファンドを設立した。その時に「金再評価勘定(GRA:GOLD REVALUATION ACCOUNT)をつくるという。準備はすでに始められている。
ではアメリカは保有する金813万トンの評価をどうしているのか。オンスたった43ドルで42年間固定されている。時価のたった1%台である。
金価格はオンス2000ドルを4回目の挑戦で昨年11月に抜き、今年に入りいとも簡単にオンス3000ドルを抜いた。私はオンス270ドルから、ほんの少々だが購入したが、いまや投資効率ではトップに近い。
悪いことはいわない。私のブログを再読し、もし余分なおかねがあれば、金地金の押し目を買うこと。後で、へえ、こんなこともあったと私に感謝されるだろう。ただし、2年は待つこと。再評価は1年先をみられているだろう。目標値ですか?オンス7000ドルが私の個人的なレベルです。
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