日米同時に発生した買い材料。ジョン・マーク・テンプルトン卿の思い出

2026・1・1(第1306回)

東洋経済オンラインより>

日本の方は私が大注目している「南鳥島のレアアース開発」である。

1月から試掘が開始される。

私が理事をしている協和協会の講演会(私はリスナー)で、「採掘の時期」について質問したところ、「超長期の材料」としていたが、現実は2027年6月から本格採掘となる。日本の国民に「海洋資源国」の夢を与える好材料である。

一方、米国の方はウォール街産の噂程度だが「トランプ関税が違憲なので遅くない将来に廃止される」とのニュースがかまびすしい。

9人いる米最高裁の判事のうち6人が、トランプ大統領の選任によっていたので、関税措置が違法との見方はあり得ないとみられていた。しかし、与論と合法性の疑問のために、180度転換した判決が、恐らく第2四半期に出るとの観測が可能性を増している。

では、どのような影響であるか。

当然、株式市場にはプラスの影響がある。為替市場ではドル高円安、債券市場でも追い風となる(NRI木内登英氏による、以下同じ)

「ただし、トランプ政権が徴収した関税を企業に返還することを求められる場合には、その分財政環境が悪化することから、米国債券市場に悪影響を与えることも考えられる。

企業は関税の返還を求めて提訴

相互関税について最高裁で違法判決が出ても、それは「将来の課税を止める(prospective relief)」ことに限定される可能性が高く、既に企業が支払った関税が自動的に返還されることは保証されない。この点は米国最高裁の口頭弁論でも指摘されており、返還を受けるには別途手続きが必要となる。

過去の判例に照らすと、暫定的に支払った関税が314日後に正式に確定された後では、仮に相互関税に違法判決が下されても、支払った関税が返還されない可能性があるようだ。

4月に導入された相互関税の確定は年明けから2月にかけて始まることから、違法判決が下される前に、企業は返還を求める請求権の保全を裁判所に提訴しておく必要がある。実際、米国企業による提訴は相次いでおり、また、住友化学や豊田通商、リコーなどの日系企業も、現地法人が支払った関税の返還を求める裁判を起こしている。

そうした対応をした企業であっても、関税の返還を求めて米政府と法廷闘争となる可能性がある。また、裁判で返還が命じられた場合でも、返還の手続きは煩雑となり、数年を要するとの指摘がある。

最高裁で違法判決が下され、トランプ関税が縮小に向かう場合でも、関税の返還を巡る政権と企業との間の混乱は続くことになる。」(木内登英のGlobal Economy & Policy Insightより)

こうした混乱の時代を生き抜いた私の先生がいる。ジョン・マークス・テンプルトン卿である。

アマゾンより>

まず、逆張りの投資法で大成功した人である。

第二次大戦が勃発したとき、彼は1ドル以下の株だけを100銘柄以上買って、4年で4倍にした。

私は1968年、トレーニーとして渡米したとき初めてお会いして、いろいろ、本当に親身になって教えていただいた。以下テンプルトン卿の甥の書いた本の抜粋である。

「他人が絶望して売っているときに買い、他人が貪欲に買っているときに売るには、最高の精神的強靭性が必要となるが、最終的には最高の報いが得られる。

読者が本書を読むことによって、安く買い高く売るために必要な技能と自信を自分のものにすることを希望する。多くの場合、その達成には人気の対象を避けることが必要になる。そのためには次の助言がお役に立つのではないかと思う。

強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えていく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。」(『テンプルトン卿の流儀』より)

1968年は、テンプルトン卿のファンドがチャートの示す通り、対日投資を急拡に拡大した年である。大成功したことは云う迄もない。私自身、その成功に少しだが貢献できたことを誇りに思っている。

代表的なケースとして述べる。当時、まだ「利回り」で投資し、「PER」は定着していなかった。薬品株が軒並み7~8倍だったと記憶する。もちろん卿はこれで大もうけした。

「卿」のついたわけを書く。同氏はエール大学を卒業した後、オックスフォード大学を卒業し、宗教(キリスト教)に大きな貢献をし「テンプルトン賞」をつくった。この功績で「サー」の称号を英国女王から頂いたのである。

「連結決算」は今では当り前だが、卿はこれをやって、価値の高い銘柄を次々と発掘し、「バーゲンハンター」の名をほしいままにした。トヨタ、イトーヨーカ堂など枚挙にいとまがない。

もちろん、バブルの最中に日本市場から離れたことは云うまでもない。

判断の基準のひとつが「PBR」だった。

株価÷1株当り純資産=PBR

1株当り純資産=(総資産-総負債)÷発行済株式数

まあ、あとは省略する。今後の材料として最高点がつきかけているのがレアメタル、レアアースである。これについて何回も述べているので、日本財団の資料を。

日本財団 海野光行氏の資料より>

ごらん頂ければ喫緊の問題であることはすぐわかる。レアメタルもレアアースも同じとみて頂きたい。

日本財団 海野光行氏の資料より>

最後になりましたが、新しい年が皆様にとり良い年である様、祈念しております。

Good Luck!


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