ボーヴォワール「老い」と私を悩ませている七つの不安  (第1071回)

私は来月に86歳になる。おかげさまで、元気そのもの。世田谷区

から歯が20本以上あるので表彰された、また記憶力も衰えていない。

この大相場への強気も変わらない。

しかし永遠に上げ続けることはない。最近「終わりの始まり」を感じ

させる動きが散見され始めた。

指を折ってみたら七つもあった。

山登りに例えると六合目くらいと思うが、年の後半のどこかで、何か

現実化されてもおかしくない。この際まとめておくことにした。

たまたまNHKの「100分で名著」にシモーヌ・ド・ボーヴォワールの

「老い」が取り上げられている。

第一回しかまだ観ていないが、東大の上野千鶴子さんの「老いて何が

悪い!」は嬉しくなった。

テキストでは凄い指摘が多い。

「近代化が進むほど、老人の地位下がる」「社会の変化が速いほど老

人の地位は低い」

 このブログの読者向けの指摘もある。「老人が財産を持っている場合

老人は尊敬され大事にされる。」

 さて、本題に入ろう。私が懸念しているこの大相場の「終わりの

始まり」を思わせる動きは七つ、ある。列挙しよう。

  1. 米FRBのテーパリング。来年とされているが事前に理事発

言などで地ならしを行うから、年内にも波乱の可能性がある。

  1. プラザ投資顧問の伊東秀広さんの指摘だが、中国から資本逃避

が始まった、と。ハンセン指数の大幅下落がその証拠とか。

私は習近平による「戦狼外交」が引き起こしつつある

米国との覇権闘争の方が心配だが。

第三.原油高、食料品がもたらすスタグフレーション。

第四.東証の市場再編(プライム、スタンダード、グロース)がもた

らす、市場での流通量の拡大、(長期ではともかく、目先の株

安要因)

第五、NY市場で私が重視し、情報源でもあったある相場の達人が「

この「この6月末にオレは全部手じまいしたよ」と連絡してきた

来たこと、「過去のバブル期に似ている」とか。

第六、ビットコインの価格半減などで損失を被った投資家の市場からの

撤退と大量売り。

 第七.新型ウイルスの変種によるパンデミックの再来。

勿論、最近浮かび上がってきたプラス材料もある。

菅義偉内閣支持率の上昇だ。6月下旬の世論調査(時事、共同、NHK、

朝日)は合計6月に6・5%上昇。自民党支持率も上昇。

 これで選挙が好材料化した。

以上、まとめる。七つの不安材料まだ具体化していない半面、日本の

政治の好材料の方が都知事選も含めて数字で見える。

従って、当分、私の強気を維持する。

最後にボーヴォワールの名言でシメる。ただしもとはゲーテなのだが。

「老齢はわれわれを不意に捕らえる」

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