「 投稿者アーカイブ:前田 昌孝

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基本の話by前田昌孝(第16回)

<官製市場、うまくいくのか> 岸田文雄首相が資産所得倍増プランを掲げているのを受け、金融庁がさまざまな仕掛けを講じ始めています。本稿ではそれらを紹介しようと思いますが、市場関係者の間からは「官僚の発想で何かしようとしても、生きたマーケットで機能するはずがない」との声も出ています。「貯蓄から投資へ」は実現するでしょうか。  第一の仕掛けは言うまでもなく、少額投資非課税制度(NISA)の

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基本の話by前田昌孝(第15回)

<シリコンバレー銀、なぜ破綻> 東京株式相場は2022年度末にかけて上昇基調となり、日経平均株価は2万8000円台に乗せて年度の幕を閉じました。米国のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻に始まった金融不安が後退し、再び株式の物色機運が高まっているようです。異例の急成長をしてきたSVBはなぜ破綻したのでしょうか。改めて考えてみたいと思います。 破綻した後に米金融監督当局から「外れ値だっ

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基本の話by前田昌孝(第14回)

<SMBC日興証券事件の本質> 「相場操縦事件」として報じられているSMBC日興証券の不正取引事件について、2月13日に東京地裁(神田大助裁判長)が初めての判決を下しました。求刑をも上回る追徴金を科すことで、「悪質な行為」を排そうする判決に見えましたが、筆者は一連の判断にはいまだに疑問を持っています。外見上、相場操縦と認定できる行為があったのかもしれませんが、そこが諸悪の根源とは思えないか

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基本の話by前田昌孝(第13回)

<「アクティブの勝ち」は本当?> 公募投資信託の2022年末までの運用成績が出そろいました。1年前には「インフレヘッジのために、株式投資を」と叫ばれましたが、投信に限って言えば、すべてのジャンルにわたって平均リターンはマイナスでした。結果論ですが、「余計なことはしないほうがよかった」のです。では長期的にはどうだったのでしょうか。過去10年間の運用成績をベースに考えてみます。 2022

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基本の話by前田昌孝(第12回)

<ROEとPBRの関係> 2022年の東京株式相場は4年ぶりの下落で終わりました。上場企業の自社株買い以外にこれといった買い手もなく、日本経済の地盤沈下ぶりを如実に示した1年だったともいえます。だからというわけではありませんが、12月31日の日本経済新聞の社説には「東証は株価を上げる努力を引き出す強制力のある仕組みを検討すべきだ」といったヒステリックな論調もみられます。しかし、これはさすが

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基本の話by前田昌孝(第11回)

<NISAの拡充は偏った税制> 2022年11月には老後に向けた資産形成に関係して、2つの大きなニュースがありました。一つは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の拡充、もう一つはみずほフィナンシャルグループが企業年金を確定拠出年金に一本化することです。「貯蓄から投資へ」を促す点でいい話だと受け止める人が多いかもしれません。しかし、筆者は老後に向けた資産形成を一か八かの世界に持

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基本の話by前田昌孝(第10回)

<なぜ指数に勝てないか> アクティブ運用の投資信託の過半は、運用成績がベンチマークの株価指数に勝てないことが定説になっています。株価指数への連動を目指すインデックス投信に比べて運用報酬が高いからというのは1つの理由ですが、実は報酬控除前でも勝てないのです。「運用が下手だから」というわけではありません。「リスク商品への運用は、もともとそういうもの」というのが筆者の認識です。 米国の指数

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