「 投稿者アーカイブ:前田 昌孝

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基本の話by前田昌孝(第12回)

<ROEとPBRの関係> 2022年の東京株式相場は4年ぶりの下落で終わりました。上場企業の自社株買い以外にこれといった買い手もなく、日本経済の地盤沈下ぶりを如実に示した1年だったともいえます。だからというわけではありませんが、12月31日の日本経済新聞の社説には「東証は株価を上げる努力を引き出す強制力のある仕組みを検討すべきだ」といったヒステリックな論調もみられます。しかし、これはさすが

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基本の話by前田昌孝(第11回)

<NISAの拡充は偏った税制> 2022年11月には老後に向けた資産形成に関係して、2つの大きなニュースがありました。一つは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の拡充、もう一つはみずほフィナンシャルグループが企業年金を確定拠出年金に一本化することです。「貯蓄から投資へ」を促す点でいい話だと受け止める人が多いかもしれません。しかし、筆者は老後に向けた資産形成を一か八かの世界に持

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基本の話by前田昌孝(第10回)

<なぜ指数に勝てないか> アクティブ運用の投資信託の過半は、運用成績がベンチマークの株価指数に勝てないことが定説になっています。株価指数への連動を目指すインデックス投信に比べて運用報酬が高いからというのは1つの理由ですが、実は報酬控除前でも勝てないのです。「運用が下手だから」というわけではありません。「リスク商品への運用は、もともとそういうもの」というのが筆者の認識です。 米国の指数

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基本の話by前田昌孝(第9回)

<金利上昇、何が怖いか> 株式の投資家にとって鬼門の9月が終わりました。なぜ警戒されていたのかというと、過去の実績で12カ月のうち、最も下落しやすい月だったからです。その経験則が裏切られることなく、今年は内外の株式相場は大きく下げました。日経平均株価も月間で2154円もの下落。世界の債券相場の「暴落」とも呼んでいい下げが、株式相場にも大きくのしかかった1カ月でした。 債券相場の下落は

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基本の話by前田昌孝(第8回)

<金融教育を国家戦略に?> 新聞に新しい資本主義の実現に向け、金融庁が金融教育を国家戦略にするように提言するという話が出ていました(日本経済新聞8月30日付朝刊)。金融機関が手数料稼ぎのためにおかしな金融商品を売りつけることが多いから、注意喚起をするというのでしょうか。話の流れからみると、どうもそんなことではなさそうです。 日本証券業協会は1960年代から3年に一度、「証券投資に関す

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基本の話by前田昌孝(第7回)

2022年2月から始めたこの連載も7回目になりました。岸田文雄首相が資産所得倍増プランを打ち出していることもあり、投資を始めないと時代に乗り遅れているように感じている人もいるかもしれません。好きでも得意でもないことに取り組むのは慎重であるべきですが、もし始めるのならば、ぜひ、リスク商品への投資とはどういうことなのかを正しく理解してほしいと思っています。 最近は証券外務員という試験をパスしな

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基本の話by前田昌孝(第6回)

2022年2月から連載を始めた「基本の話」ですが、これまでの5回は理屈っぽい話をしてきました。今回は2022年も折り返し点を迎えたのを機に、実際の投資信託の運用成績を分析してみます。アクティブ運用の国内株投信と外国株投信の年初から6月30日までのリターンが、株価指数などのベンチマークに勝っていたかどうかです。 分析を通じて何を言いたいのかというと、一つはもしアクティブ運用投信の平均リターン

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