「 初級 」 一覧
トルストイ「戦争と平和」とポスト・コロナ新時代とジョージ・ソロス氏の新しい提案 2020・4・26 (第1009回
トルストイが36歳から40歳まで書きつづけた大長編。サマセット・モームは 「あらゆる小説の中でもっとも偉大な作品」と評している。 私はこれを高校二年生の時に読んだ。当時の担任の隈部直光先生のおすすめ だった。第一巻はやたらとフランス語が出てくるし、人名も難しく、読むのに 苦労した。しかし、読み進むうちに、オレはなんて面白い小説を読んでいるん だろうとびっくり。そこから徹夜で岩波文庫を読みふけっ
「方丈記」と安倍政権の方針転換と外国人投資家の変貌、さらにトランプ政権への不安材料(第1008回)
「行く川の流れは絶えずして、しかも、元の水にあらず。」有名な書き出しで、高校生だった私には、この無常観には反発したものだが、もうすぐ85歳の私には十分理解できる。 この随筆の中の前半のパートは12世紀の天変地異と人間の無力さについて書かれている。いわく大火、竜巻、飢饉、地震―。今回のコロナと読み合わせると、実感できる。 鴨長明は高位な神官の家に生まれたが、地位にはつけず、草庵で
映画「誇り高き男」とコロナ肺炎特効薬の発見と日本株二番底説の当否 (第1007回)
主演のロバート・ライアンは渋い二枚目だが、悪役も沢山演じ、とてもうまかった。もちろん正義のヒーローも演じた。この作品は黒澤明監督が選んだ100本の映画の中で、西部劇では「荒野の決闘」とこの「誇り高き男」の2本だけ選ばれたので、少々驚いた。「駅馬車」も「シェーン」も入っていない。選んだ理由として黒沢監督はライオネル・ニューマンの主題歌、ルシアン・バラードのカメラを挙げた(「夢は天才である
映画「ベニスに死す」と我が国のコロナ不況対策の評価と、政府内のピークアウト予想 (第1006回)
ドイツのノーベル賞作家トーマス・マンが1912年発表した中編を、イタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティが1971年に映画化した。主演は英国人ダーク・ボガード。名作の評価が高く。ベンジャミン・ブリテンが1973年にオペラ化している。 映画のスタートにグスタフ・マーラーの交響曲第5番の第四楽章アダージェットをビスコンティは使った。マーラー人気が巻き起こったことでも有名な映画だ。 主人公は小説