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ソーントン・ワイルダー「サン・ルイ・レイの橋」とラニーニャ現象と私の「それでもトランプ」説(第1034回) 

 小品でも忘れられない作品がある。劇「我が町」で有名なソーントン・ワイルダーのこの小説は、当時中学生だった私に強い印象を与えた。  当時我が家の近くに教会があって、何回か通ったが、神がすべてをおつくりになり、小鳥一羽の死も神意である、と聞いていた。ところが少なくともこの小説の前半は、これを否定するものだった。  ペルーのリマの郊外に険しい峡谷に吊り橋があった。1714年には橋は切れ落

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映画「鵞鳥湖の夜」と私の「それでもトランプ」説(第1033回)

 久しぶりに妻の渋い顔をヨソに有楽町まで足を延ばしてこの作品を観た。「浅田家!」の方は文庫で原作(?)を買っているのでこれから。「TENETテネット」はどうもこうも、あと一回見ないと、ストーリー自体がよくわからない。  なんでそんなにヒットしていない、それも中国映画を観たかったのか。理由はカンタン。フィルムノワールが大好きだからだ。とくに監督のデイアオ・イーナンの前作の薄氷の殺人」が良か

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ステファン・ツヴァイク「歴史の決定的瞬間」と、トランプ大統領のコロナ感染 (第1032回)

 本題に入る前に、例の東証システム停止の件について、これは「事故」ではなく、某国の「脅迫」と考える。もちろん、お隣の大国のことだ、と私は推測する。  現代の戦争は、昔のような戦車やミサイルではない。電磁波を使って、信管まで止める。この国は米国と対立。日本は駐在している企業が続々と脱出計画を発表し、指導者は苦境にあった筈。日本の新首相に、オドシをかけ、これ以上米国側にスリ寄るのは止めろ。さも

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三島由紀夫「橋づくし」と宇宙開発と外国人機関投資家の買っている九銘柄 (第1031回)

 三島由紀夫の、没後50年。先日、日生劇場で劇化上演したのを観に行った。残念ながらとんでもない愚作。同時に上演された「憂国(死なない)」はこれに輪をかけた箸にも棒にもかからない超愚作。若手の男性スター目当ての女性ファンは別として、85歳の私にとっては苦痛以外の何物でもなかった。  ただし、原作を読み返したキキメもあった。歌舞伎の道行きの趣向に感心したり、三好橋のたもとの記念碑を思い出したり

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「平家物語」と10月22日の米国の「対コロナ戦争」勝利宣言と大統領選の行方  2020・9・20 (第1030回)

「平家物語」を4歳の時から読まされた、というと驚かれるだろうが、ホントの話である。  私の父方の祖父は茨城出身で今の江東区深川常盤町で書塾をしていた。夫婦養子で弟子から選んだので、当然父母も書家。ただ父は当時の食糧関係の公団に勤めていた。私はひとり男だったので今井家の三代目。そこで祖父は書道の稽古を弟子たちにしながら私をヒザの上に乗せ、相手がいないと祖父は「平家」。それから九九を教えた。

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パール・バック「大地」とハンガーパンデミックの発生と中国の蝗害(第1029回)

ノーベル賞を獲得した名作。極貧の中国の農家・王一家の30年にわたる苦闘ぶりを描いた大河小説。大河の氾濫、蝗の大群などの襲撃―。次々と発生する打撃に耐え、大地にしがみつく一生。感動させられる一冊だ。 まず食料価格の上昇から述べよう。ブラジルのサンパウロ大学の調査は次の通り。 大豆は名目値で一年前に比べ50%台以上上昇。コーヒーはブラジルでは生産が記録的上昇だったにもかかわらず1年で45

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ベートーヴェンのピアノ協奏曲ニ長調作品26-aと菅新内閣の人事、政策そしてNASDAQと日本株(第1028回)

 この題を見て、すぐ内容のわかる方は、スゴイ方だ。理由は簡単。よほどのクラッシックとくにベートーヴェン通でなければ知らないからだ。私はNYで、ドイツ人の友人から教えてもらった。  このピアノ協奏曲ニ長調は、実はベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲のピアノ版。主役だけ入れ替え、メロディーは同じ。知人の結婚祝いのための編曲、だそうだ。 永らく待望していたが、9月1日に田部京子さんが「皇

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