「 マーケットEye 」 一覧
「株式上場詐欺」には重罪を
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 新規株式上場(IPO)が復調し、1~6月で43社が新規に上場した。年間で73社が上場した2007年来の高水準で推移している。年内には日本郵政3社の大型上場も控えている。 ところが、2012年以降のIPO236銘柄の中で今年8月末株価が公募価格の2分の1以下に下落しているケースを拾ってみると、16銘柄に上る(表1)。 また、IPO企業の3分の2(本
映画「しあわせのまわり道」と急落の今後
2015/09/07 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
小品だが大人の鑑賞に耐える、いい映画だ。原題は「ラーニング・トゥ・ドライブ」。人生の絶頂にいた女性が自信喪失を経て、再び生きる意義を再発見する物語。 https://youtu.be/TcoTCvtGLRA 主人公の中年女性ウエンディはNYで文芸評論家として大成功、ウエストのアップタウンに豪邸を持つ。ところが扶養していた夫が浮気相手の下に走り、高額の離婚手当と財産分与を要求、何もかも充
映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後
2015/08/31 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
映画の題の意味は「夜の街を這いまわる者」。事件や事故現場の刺激的な映像を撮影して、TV局に高値で売り付ける報道パパラッチのことだ。 アカデミー賞脚本にノミネートされ、公開直後の週で全米興行収入第一位の快作。主演のジェイク・ギレンホールがあのギョロ眼で、失業している若者に。良心やモラルなんかクソくらえで、のし上がってゆく。ブラック時代の成功ストーリーだ。高いテンションとある
映画「この国の空」と急落株価は今後どうなる
2015/08/24 | マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
今週も戦後70周年記念映画。昭和20年夏の東京杉並の善福寺の、銃後の市民生活を画いた高井有一の谷崎潤一郎賞受賞作の映画化で、荒井晴彦監督だ。私は主演の二階堂ふみがお好みなので。 母と19歳の娘、それに空襲で夫と息子を亡くして転がり込んできた母の姉。隣家じゃ兵役を逃れて妻と子を疎開させている銀行支店長。 食べ物がなくて絹の着物と米を交換に行くシーン。空襲で防空壕に逃げ込んだり、本土決戦で
不正会計に対する監査機能不全
これは東芝だけの問題か
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 2001年に発覚したエンロンの破綻は米国の企業統治史上最大の事件であった。 エンロンは将来十数年にわたって得られるかも知れない期待利益300億ドル強を現実の利益として前倒し計上することにより、投資家を欺き、私腹を肥やしてきた。つまり、これは「詐欺」であった。 エンロンを担当していたアーサーアンダーセン監査法人の公認会計士デビッド・ダンカンは発覚後に関係書